自己免疫性肝炎


中年女性に多い病気です。ウイルス性の病気の多い我が国にあっては珍しくウイルス性でない肝臓病です。

生体は外界から侵入してくるウイルスや細菌などを自分でないもの"非自己"に対して免疫反応を起こして排除しようとします。自己免疫病は自己に対して免疫反応を起こしてしまう病気で、いわば自己に対する内なる反逆といった現象です。これが細血管におこったものがSLE、関節に起こるとリウマチ様関節炎になります。

自己免疫性肝炎とは、おそらく肝細胞膜の構成成分という自己に対して免疫反応を起こしてしまう病気と考えられています。通常、発見されたときには慢性肝炎になってしまっていることが多く、しかも肝炎は活動的に急激に肝硬変になってしまうこともあります。

診断は抗核抗体の陽性とIgG(免疫グロブリンの一種)値の高値(2,000mg以上)で確定します。そのほか血沈が促進していたり、リウマチ因子が陽性なども参考になります。また自己免疫性疾患の一つなので、他の自己免疫性疾患(リウマチなど)を合併していることもあります。

女性の肝障害でウイルス性であることが否定されたら、つぎにこの病気を考える必要があります。

治療としては副腎皮質ホルモン剤を使用します。基本的には一生治る病気ではないので長期に服薬をする必要があります。副腎皮質ホルモン剤が極めて良く効きますが、この薬には胃潰瘍、糖尿病、骨粗しょう症などの副作用を起こすので、なるべく少量で効くようにする工夫が必要です。

与芝 真著「肝臓病の生活ガイド」(医歯薬出版株式)

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