第4巻「人はなぜ愛するか・愛情」は、現在品切れのためしばらくお待ちください。
とりあえずビデオよりの要約を掲載します。


人はなぜ愛するか・愛情


愛とは、人と人が互いに喜びや快感をお互いに分かち合い、相手と一体化したいと願う感情。


人間が生まれながらに持っている強い本能です。


A-10神経を流れるドーパミンは、私たちの感情の中でも特に愛と関係があると考えられています。A-10神経は、神経繊維が集まった神経の束、この一本一本の中をドーパミンが流れています。

神経繊維は、細胞から細胞へ信号を送る電線で、その内側では小さな玉に包まれたドーパミンが末端に送られていきます。そしてA-10神経の末端にたまった小さな玉は、外からはいって来た刺激をうけて弾け、中のドーパミンが放出されます。

するとA-10神経の通っている場所の細胞が、ドーパミンをレセプターで受け止め興奮し始めます。
その興奮が脳に快感を生み出します。

快感とは、A-10神経から周りの細胞にドーパミンが放出され、その時起こる興奮が生み出す現象だと考えられています。

快感は、あらゆる生き物を行動させる原動力になっています。人の場合も、恋をするとA-10神経からドーパミンが放出され、脳が快感を感じます。するとその興奮が自律神経から全身に連絡されます。心臓に伝わると鼓動が早まって胸がドキドキしたり、顔に伝わると頬が赤くなったり、目が潤んだり、恋愛特有の症状が起こってくるのです。

愛し合っているとき生まれる性の快感は、恋する男女を強く結びつけると同時に、生き物が子孫を残していくための性行動を生み出す強い原動力になっています。男と女は、脳で愛し合っているのです。

視床下部は、生きていくために必要な欲望を生み出す、爬虫類にもある原始的な脳です。食欲を生み出す中枢、性欲中枢等があります。

性欲中枢は、男女で違いがあります。性欲中枢の中の人の性欲を生み出す神経細胞の塊が、男性のほうが女性より二倍の大きく、最近の学説ではこの違いが男と女が惹かれ合う一つの理由であると考えられています。

しかし同じ好きになるにしても、人にはそれぞれ好みがあり愛する対象が違ってくるのはなぜでしょうか。特定の人を好きになったり、嫌いになったりする感情。それは脳のどこで生まれるのでしょうか。

その謎を解く鍵は、脳の奥深くにある扁桃体にあります。この扁桃体が好き嫌いを決めています。扁桃体が好きと判断すると、ドーパミンが流れて欲望の脳・視床下部から快感が生まれると考えられています。こうして男女の愛は生まれるのです。

扁桃体は、好き嫌いを判断する中枢です、出会ったものが自分に有利か不利かそれを判断する中枢といってもいいのです。

サルはスイカが大好物です。それはサルの扁桃体に好きなスイカにだけ反応する細胞があるからだと考えられています。サルの扁桃体に電極を入れいくつかの細胞を調べたところスイカを食べたときにだけ急激に電流を発生する細胞が発見されたのです。このような細胞の働きが好きという感情を生み出しているのです。

スイカを食べたとき扁桃体には色や形・匂い・味・歯触りなどの五感からの情報がすべて入ってきます。そしてこれらの感覚を統合して扁桃体が興奮してA-10神経からドーパミンが出始めます。

この時生まれる快感が扁桃体でスイカが好きだという感情を生むのです。この体験が扁桃体の細胞に記憶されると考えられています。サルの扁桃体では、好きなスイカだけでなく、嫌いな蜘蛛やヘビにだけに反応する細胞も発見されています。

扁桃体というのは感情の源であり、私たちの恋愛感情や好き嫌いもここから生まれてきます。

恋はある日突然心に芽生えます。なぜ彼女に恋したかと問われも彼女が現れたからだとしか答えようのない恋の不思議。それは好き嫌いの脳・扁桃体から生まれてくるのです。

男女の愛、その好き嫌いを決める出発点は、幼児期から始まっています。この時期にどのような愛情を与えられるかが、その後の愛に大きく影響してくるのです。

ヒトの脳は幼児期に急激に発達してきます。誕生後一年経つと脳の体積もおよそ倍近くに増えます。そして神経繊維が枝のように伸びて、脳の基礎が出来上がる3−4歳頃まで、この時期が愛にとって最も重要なのです。

この時期に母親の愛情に恵まれないと子供はどうなってしまうのでしょうか。たとえば母親が鬱病だと、赤ちゃんにも深刻な影響を与えてしまいます。幼児期に受けた愛が、男女の恋の行方を左右することもあります。

人と人とのつながりが広がるにつれ、私たちの愛する対象も男女、親子、そして家族へと広がっていきます。

無条件に愛される事の喜びから生まれる親子の絆、愛の原点はここにあります。

このような親子の愛情にもA-10神経を流れるドーパミンが関係しています。ドーパミンは快感を生むだけではなく、親子を結びつける働きをするオキシトシンという物質を視床下部で生み出しています。

オキシトシンの神経をドーパミンの流れている神経が取り囲んでいます。ここからドーパミンが放出されると、その刺激でオキシトシンが分泌されるのです。これまでオキシトシンは、出産や授乳のときに母親の体内で働くホルモンだと考えられてきました。しかし最近脳の中でも働く物質だとわかってきたのです。

脳の働きが異なる二種類(家族型と単独行動型)のネズミからオキシトシンの新たな作用が発見されました。
家族性ネズミの方が、単独行動型のネズミよりオキシトシンのレセプターの多いことが発見されたのです。

生まれたばかりの赤ちゃんを親と引き離した場合、この二種類のネズミの行動には歴然とした違いが現れます。オキシトシンレセプターの少ない単独行動型の母親は赤ちゃんに無関心です。赤ちゃんもあまり母親への執着は強くありません。

一方オキシトシンレセプターの多い家族性ネズミの方は母親は赤ちゃんが心配ですぐに駆けつけて保護します。赤ちゃんも懸命に乳首にしがみつきます。

動物には本来自分以外の生き物を恐れる原始的な本能があります。オキシトシンはこの不安をうち消して、親子の強い結びつきを生み出す役割をしていたのです。

哺乳類は進化するにつれ仲間同士で接触することが必要になってきました。オキシトシンは知らない相手を恐れるという動物本来の自己防衛本能を乗り越えるために働くようになってきたのだと考えられます。

不安や恐れは視床下部から生み出される原始的な本能です。視床下部は外から与えられる刺激の種類によって、快感を生むこともあれば、不安を生むこともあります。それが行き過ぎないようにコントロールしているのが扁桃体なのです。

A-10神経の終着点に広がる前頭葉。ここは人間になって発達した最も新しい脳です。

前頭葉は、知性と創造力の脳です。前頭葉は道具を発明して文明を築き、芸術や思想を生み出しました。そしてここから本能を越えた人間だけの崇高な愛が生まれてきました。

人と人とが共に生きていくためになくてはならない思いやりや自己犠牲の愛です。前頭葉は愛の向けられる対象を、肉親や恋人以外の見ず知らずの第三者へと広げたのです。

巨大に進化した私たちの脳。すべての感情はここから生まれます。愛とは何か。それは人が自らの脳に問い続けてきた永遠のテーマです。

ヒトの脳から愛が生まれるとき、快感を伝える物質・ドーパミンの大きな働きがありました。その快感が人と人とを結びつけるのです。人は一人では生きていけません。人を愛し愛されるために、私たちの脳は常に外の世界に向かって開かれているのです。

愛とは、人と人が生きる喜びを分かち合うこと。二つの心が出会って、一つの心に解け合う喜びなのです。

戻る


このホームページのホストは です。 無料ホームページをどうぞ!