大腸疾患


C.腸および腹膜疾患
1]腸炎 enteritis
1.急性腸炎
1)感染性 細菌・ウイルス
2)非感染性 科学物質、不消化物
症状:食欲不振、悪心、嘔吐、腹痛、下痢
   発熱、全身倦怠感、脱水症状
診断:便培養
  食中毒−腸炎ビブリオ・病原性大腸炎・ブドウ球菌・ウェルシュ菌・ボツニヌス菌
治療:安静を保ち、最初は禁食とする。症状によって輸液をする。
   有害物質があれば下痢によって腸内容を排除し、以後徐々に食事を与える。

2.慢性腸炎

3.腸結核 intesinal tuberculosis
原因:結核菌 肺結核に続発するが肺に病巣を認めない場合もある。
   好発部位:回盲部
症状:下痢、便通異常、腹痛、鼓腸、腹鳴、発熱、食欲不振、るいそう
診断:検便 結核菌  ツベルクリン反応 陽性  血沈 亢進
   X線検査 地図状ないし帯状の潰瘍
鑑別診断:クローン病、腸放線菌症
治療:抗結核剤

4.潰瘍性大腸炎 ulcerative colitis
原因:大腸の粘膜に原因不明のびまん性炎症をおこすもの
症状:慢性の血便・粘血便(膿粘血便)・血便
  病変の拡がり;全大腸炎型・左側大腸炎型・直腸炎型
  臨床経過;再燃寛解型・慢性持続型・急性電撃型
  重症度;軽症型・中等症型・重症型
  病状により発熱、栄養障害、貧血、腹痛を伴い、劇症の場合は大出血、穿孔、
  中毒症状、中毒性巨大結腸症
  腸管外症状;関節炎、虹彩炎、皮膚病変
診断:検便・細菌学的検査にて、他の感染性腸炎等を除外する
鑑別診断:クローン病
治療:安静を保ち、重症型は入院を要する
   薬物;副腎皮質ホルモンの内服・注腸、サリチルアゾスルフャピリジン内服


クローン病 Crohn"s disease
原因:原因不明の非特異性炎
定義:本疾患は原因不明で主として若い成人に見られ、線維化や潰瘍を伴う肉芽腫性炎症性病変からなり、消化管のどの部位にも起こりうる。消化管以外の(とくに皮膚)にも転移性病変が起こることがある。臨床像は病変の部位や範囲による。発熱、栄養障害、
貧血、関節炎、虹彩炎、肝障害などの全身性合併症が起こりうる。
症状:腹痛、下痢、貧血、発熱、痔瘻
診断:Crohn病の診断基準
1)非連続性または区域性病変
2)cobbleston appearanceまたは縦走潰瘍
3)全層性炎症性病変(腫瘤または狭窄)
4)サルコイド様非乾酪性肉芽腫
5)裂溝または瘻孔
6)肛門部病変(難治性潰瘍、非定型的痔瘻または裂肛)
治療:薬物療法としてステロイドと免疫抑制剤などが用いられる。
   狭窄や瘻孔形成があれば手術

2]腹膜炎 peritonitis
1.急性腹膜炎
原因:虫垂炎、胃十二指腸潰瘍穿孔、消化器癌穿孔
   腸潰瘍の穿孔(腸チフス・結核)、胆嚢炎・憩室炎の穿孔
   急性汎発性腹膜炎
   急性限局性腹膜炎
症状:激烈な腹痛、発熱、白血球増加  時にショック
   悪心、嘔吐、便秘
   筋緊張、圧痛、グル音の消失、筋性防御
   Blumberg症状:いったん腹部を圧迫したのち、これを急にはなすと痛みを訴えるもの
診断:腹痛、圧痛、腹筋緊張、白血球増加、腹筋緊張、筋性防御
治療:急性腹膜炎には外科的治療が必要
   早期に初発病巣の除去と排膿を行なう。

2.慢性腹膜炎:結核性腹膜炎

3.虫垂炎 appenditis
病理学的分類 1.カタル性虫垂炎  2.化膿性虫垂炎  3.壊疽性虫垂炎
症状:初発症状  発作性腹痛、胃部疼痛、腹壁過敏、悪心、嘔吐、発熱
   "はじめ心窩部にあり、しだいに右下腹部に移行する"
McBurney圧痛点;上前腸骨棘と臍を結ぶ直線上で上前腸骨棘より1/3の点
ブルンベルグ徴候、筋性防御
 炎症は一般に初病後48時間ごろまでは虫垂に限られてい。
白血球増多症、白血球左方移動
虫垂の炎暑が更に進と、虫垂壊死部より穿孔が起こる。穿孔を起こさなくとも虫垂壁を細菌が通り、腹膜炎をおこす。
診断:鑑別診断;子宮付属器炎、メッケル憩室、限局性回腸炎、卵巣出血、嚢腫
治療:軽いものは保存的によって相当数治癒する。
   安静・局所冷湿布、抗生剤
   手術

4.ヘルニヤ hernia
ヘルニヤは先天的または後天的に生じた
孔口から腹部内臓が腹膜に覆われたまま
脱出する疾患

5.イレウス(腸閉塞) ileus
腸管の通過がまったく阻害された状態
1.機械的イレウス:腸管内腔が器質的病変によって狭窄ないし閉塞をきたしたもの
  1)閉塞性イレウス:循環障害を伴わないもの
  2)絞扼性イレウス:循環障害を伴うもの、疼痛が激しく、多くの場合腸管とともに腸間膜も絞扼され、腸間膜内の血管が圧迫され、早期に強          い循環障害がおこる。
2.機能性イレウス
  1)痙攣性イレウス
  2)麻痺性イレウス
症状:1.腹痛
   2.嘔吐
   3.排便
   4.腹部所見
   5.全身所見
診断:既往歴として腹腔内急性炎症の有無、慢性腹膜炎罹患の有無、開腹手術の有無
   腹部単純X線−鏡面形成像(niveau)、Kerckring皺襞(小腸ガス)
治療:治療としては保存的療法と手術的療法が行なわれる。
  1)内科的治療
    高圧浣腸−軽度のS状結腸捻転、腸重積
    禁食、持続吸引−胃ゾンデ・イレウス管
  2)外科的治療
    保存的治療が奏効しない場合は、時期を失せず手術する

6.消化管憩室
1.メッケル憩室 Meckel's diverticulum
病因:先天性の真性憩室 胎生初期に消化管と連絡する卵黄管は通常第5週以後閉鎖消   失するが、これが残存し憩室を形成することがある。回腸腸間膜反体側、回盲弁   より口側約1m以内に存在する
合併症:出血、憩室炎、腸閉塞、穿孔
治療:外科的切除

2.結腸憩室 diverticulum of the colon
先天性と後天性のものがある。
合併症:1.出血
    2.憩室炎・結腸周囲膿瘍
    3.穿孔
治療:1)内科的治療:安静、抗生剤
   2)外科的治療:穿孔の場合は緊急手術

7.腸管ポリープおよびポリポーシス
1.ポリープ polyp
1)腫瘍性ポリープ:腺腫(adenoma)−腺管腺腫・腺管絨毛腺腫・絨毛腺腫
2)非腫瘍性ポリープ
  1,過誤腫性ポリープ
  2,炎症性ポリープ
  3,過形成性ポリープ
腸の腺腫は胃のポリープに比べて異型性が強く、腺腫の一部に癌を合併することがある。これをfocal cancerという。
治療:癌が粘膜内に止る場合にはポリープ切除術。ーpolypectomy
 癌が粘膜からさらに進行すると外科的切除が必要

2.ポリポーシス polyposis
 1)Peuts-Jegers症候群:食道を除く消化管に多数のポリープを生じ、口唇・口腔粘膜・手掌・足底に特有な色素斑を呈する疾患
 2)大腸腺腫症:大腸に100個以上の腺腫が多発する疾患。常染色体優性遺伝
 5歳ごろよりポリープが出はじめ20-30歳代で癌を合併し、放置すれ        ば全例癌死する。
平均寿命 約40歳代
 3)炎症性ポリープ:炎症性疾患において潰瘍周辺粘膜の相対的隆起あるいは上皮の再生増殖によりポリープ状を呈するもの。
           潰瘍性大腸炎




8.結腸癌 colonic cancer 直腸癌 rectal cancer
原因:腫瘍遺伝子の関与が考えられている。食事等の環境因子の影響も強い
   大腸癌の約75%は直腸・S状結腸に発生する。特に直腸膨大部に最も多い。
症状:初期には自覚症状がなく発見が遅れることが多い。
   便柱が細い、下痢と便秘が交互にくる便通異常、粘血便
   腸閉塞、腹部腫瘤
   直腸癌;直腸・肛門の不快感、圧迫感、便秘、下痢、痔核憎悪
診断:1.直腸内指診・肛門鏡
   2.直腸鏡
   3.X線注腸透視
   4.大腸ファイバースコープ
  大腸早期癌 Tp型、TS型、Ua+UC型、UC型
治療:1.ポリペクトミー:粘膜内癌の場合はリンパ節転移がないのでポリペクトミー   2.外科的手術:リンパ節郭清を伴う病巣部切除
           切除不能例では通過障害を除くための吻合術や人口肛門造設術

9.虚血性大腸炎
高齢者、心臓血管障害のある患者に好発する。
腸間膜血管の血流障害のため腸管壁の酸素欠乏をきたす。anoxiaに弱い粘膜がまず壊死に陥る。粘膜壊死だけでは一過性に回復するが、筋層に及ぶと数か月後に腸管狭窄
症状:急激な下腹部痛、鮮血便
診断:注腸ー急性期に母指圧痕像 thumb printing、縦走潰瘍

10.肛門疾患
1)鎖肛 atresia ani
2)痔核 hemorrhoid,piles
3)裂肛 anal fissure
4)痔瘻 anal fistula,fistula ano

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