
2000.10.11 72歳 男性 本日午後1時13分 永眠。 お疲れさまでした。発症から約1年9ヶ月 最後は頸・胸椎転移による右片麻痺のため、家族に迷惑をかけたくないと危険な手術を希望するも、家族の反対にて中止。それからは人生をあきらめたかのような日々でしたね。 悲しい一日です。 同じ日に、若いころお世話になったドクターが、AML発症(59歳)。 呼吸器のドクターでもっとも尊敬していた先生です。 院長として赴任して3年目。人生とは皮肉なものです。 本院へ転院するため乗った救急車の中で輸血をうけながら、付き添いの後輩ドクターに”アンディ・フグと同じ病気だろうなと。” 主治医に病名を告知されて、大学病院に転院する直前にも、院長として病院の将来を考え、他科の先生にこれからのドクター赴任を相談する姿に泣けました。これからの抗癌剤治療に耐えて、復帰してください。祈ってます。 本当に悲しい一日でした。
45歳 男性 1. diffuse HCC , PV tumor emboli 2. lung meta 3. esohagial varix rupture 4. chronic hepatitis(Btype) 吐血後肝不全進行 肝腎症候群のため1月21日午後6時7分永眠。 入院期間 2週間 医療の無力さを痛感。 なんとか一度は抗癌剤治療ができれば。 悲しいものです、医者として何もできなかった事を痛感させられる症例。 門脈本幹の腫瘍塞栓あるも、なんとかしたかった症例でした。
「パパ、パパ」と呼ぶ、幼稚園の男の子の泣き顔を。 「パパを治して下さい」と看護婦さんに、頼んでいた姿を。 一生懸命な妻の姿を。 昨年長男を亡くしたばかりの年老いた父母の姿を。 そして娘たちの泣き声を。 決して忘れることができない。
生命をたんなる物質から区別する大きな特徴として、膜をもって外界と区切られていること、自己複製として子孫を残すこと、進化すること、エネルギーを使って物質を外の物質に変える代謝を行うことの四つが挙げられる。 1998.9.26 人間は何処に行こうとしているのかを考える前に、まず人間が何処から来たのかを考える必要がある。 約35億年前に生命が誕生して以来、現在の人類に至るまでの過程は、あなたの遺伝子の中に確実に刻まれている。単細胞に始まり、魚類、爬虫類、哺乳類への進化の過程は、母親の子宮内で受精して発生した単細胞が胎児となるまでの間に繰り返されている。すべては、遺伝子の指示のもとに。 昔から言われる「祖先を敬い、子孫繁栄を願う」という言葉は、的確に生物の本質を捉えている。祖先がいなければ、確実に貴方は存在しない。そして我々が存在するのは、次の世代に遺伝子を残すことに、生物としては意義がある。 次に生命の起点を遺伝子に求めるのか、細胞に求めるのかは意見が分かれるところだが、遺伝子だけでは生命と呼ぶには無理があり、基本的には細胞が起点となるのではないかと思う。 では細胞の本質は何であるのか。細胞の機能は、まずエネルギーを得ること。 そしてエネルギーを得た細胞の次なる目的は、増殖すること。すなわち複製することである。それにより多細胞化し、さらなる進化が生まれる。 つまり細胞の本質は、エネルギーを得、複製することなのだ。この事を無視して生命は語ることはできない。 1998/9/23 万物の頂点にいると自負している人類であるが、その姿は、実験室のヌードマウスに似ている様に思えてならない。全身の体毛を失い、地球環境の変化に最も敏感となり、裸で外に放り出されたら、1年間生き残れるのはわずかであろう。さらに免疫力の変化により、自然界の細菌およびウイルスに対する抵抗力は弱り、逆に免疫の過剰反応によるアトピーなどのアレルギー反応が著しくなってきている。体力的には、自然界の中で最も弱くなってしまった人類。 逆に異様とも思えるほどの脳の発達。生命を維持する脳幹、原始的な感情を支配する大脳辺縁系、いわゆる大脳旧皮質。その上に思考などの高度の機能を営む大脳新皮質。特に人類では、この大脳新皮質の発達が現在の繁栄をもたらしてきた。原始的な感情を司る大脳辺縁系に対して、大脳新皮質が抑制的コントロールを持つ事による脳の安定化装置より、平穏な日常生活を送っている。 だがあまりにも急速な大脳新皮質の増大によって、大脳辺縁系とのアンバランスが生まれてきている。豊かな感情の世界を抑制しつつ生きていこうとする人類。しかし、それはいかに脆いものかは、大脳新皮質の抑制をとることのできるアルコール、麻薬などの薬物そしてある種の宗教などにいかに人類が溺れているかを考えれば簡単である。 異様な大きさの脳と貧弱な身体は、昔人間が思い浮かべた火星人の姿のようだ。これから人類は何処に行こうとしているのであろうか。
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