薬剤性肝炎


薬剤性肝障害には中毒性肝障害とよばれるものと薬剤性肝炎と呼ばれる2種類があります。前者は肝細胞に直接毒性をもつ特殊な薬剤によるもので、我が国で見ることはまれで、大半は後者の薬剤性肝炎です。

薬剤性肝炎は個人個人の特異的薬剤アレルギーを背景として起こる一種のアレルギー反応です。予想がつきません。服用してみなければわからないので厄介です。また、アレルギー反応ですから少量の摂取でも起こります。一般には経口剤より注射剤の方が症状は重篤のことが多いようです。

薬剤としてはどのような薬剤も原因となりうるのですが、頻度的には抗生剤、抗癌剤、精神科用剤、鎮痛解熱剤などが多いことがわかっています。また、アルコール飲用者では通常人よりも薬剤性肝障害を起こしやすいことも言われています。

薬剤は濫用すべきものではないのは当たり前ですが、場合により思わぬ肝障害を起こすことがあります。薬物の服用後1ヶ月以内(多くは2週間以内)に尿の色が濃くなった場合は薬による肝障害を考えて検査しましょう。

また、以前に肝障害を起こした薬を服用するとかならずまた肝障害を起こしますし、二度目は重くなることもあるので、原因となった薬を憶えておいて医療機関の初診時にはかならず医師に知らせるようにすべきです。

与芝 真著「肝臓病の生活ガイド」(医歯薬出版株式会社)

戻る