早期大腸癌


秋田赤十字病院外科部長  工藤進英

1.現状
  
今、日本では大腸癌が増えてきてます。大腸癌が増えてきている大きな原因には、食生活の欧米化が挙げられます。動物性脂肪の摂取量が増え、摂取エネルギーが増大した反面、野菜を食べる量が減り、食物繊維の摂取量が減少しました。こうした高脂肪食・高エネル低繊維の食生活が、大腸癌の増加に深く関わっていると思われます。
 
しかし、大腸癌が増加する一方で、その治療法も研究され、進歩してきています。その進歩の一端が内視鏡治療です。内視鏡治療は、肛門から内視鏡を挿入して癌組織を切除する方法です。

2.内視鏡治療の条件(1)

内視鏡治療の対象となるのは、今のところ大腸の粘膜にとどまっている早期癌に限られています。
 
大腸の壁は、粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、筋層、しょう膜の5つの層に分かれています。このうち、癌が粘膜から粘膜下層に限局しているものを早期癌と言います。
 
癌が粘膜にとどまっている場合は、リンパ節などへの転移の心配は、まずないと考えられます。そのため、内視鏡で癌を切除すれば、ほとんどの癌が治癒します。
 
しかし、同じ癌でも、粘膜下層まで癌が広がっている場合は、癌が周辺の組織に転移している可能性があります。その場合は開腹手術によって、癌組織だけでなく、周辺の組織も大きく切除しなければなりません。

3.内視鏡治療の条件(2)
 
内視鏡治療の適応は、大腸癌のタイプによっても異なります。

1)突出型
 突出型は、上に突き出すように成長するため、ある程度進行しても、大腸の深部を侵すことは少なく、粘膜内にとどまっています。そのため突出型の場合は、直径1−2pの大きさになっても、内視鏡治療が可能です。

2)陥凹型
 最初から癌として発生したものです。潰瘍のような姿をしています。癌が進行するにつれて、非常に速い速度で大腸の組織の下方に浸食していきます。直径5o程度の癌なら、粘膜にとどまっている可能性が高く、内視鏡治療の対象になりますが、それよりも大きくなると、粘膜下層にまで癌が広がっているおそれが強くなります。

3)側方進展型
 癌病巣が平たく、横に広がっていくタイプです。2−3pになっても、その多くは粘膜内にとどまっています。良性のものと、あるとき突然癌化するものがあります。

大腸癌
国立がんセンター がん情報サービス

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