7章 凍結された生命


はじめて胚の冷凍が成功したのは1971年で、胚はマウスのものだった。その後数年のうちに、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ウシの胚の低温保存が成功した。

そして1984年3月28日、凍結胚から生まれたはじめての人間、ゾウイ・レイランドが、オーストラリアのメルボルンで誕生したのである。それ以降、人間の胚の低温保存は、しっかりとした体外受精実施医院では、ごく日常的なものとなった。

胚を、成長の止まったあいまいな状態で保存できるようになったことで、胚を生み出した人間―遺伝学上の親―と、その胚から生まれてくる子供が、ずっと離れた時と場所に存在することも考えられるようになった。

自分たちがいなくなったずっとあとの時代に、自分の子供が生まれるよう計画するという、現実離れしたことも可能になったのである。だがこのようなことを望む人はあまりいないだろう。大抵の人間は、自分の目で子供の生活を見ることを選ぶ。

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