遺伝子診断は、遺伝子の何を診るのか?


「遺伝子の存在や変化、タイプを調べるもので、そのために遺伝子、つまりDNAを使うのが遺伝子診断である」と埼玉医科大学の村松教授は説明している。

実際には、遺伝子診断は
1. 単一遺伝子病や多因子病などの遺伝子診断
2. がんの遺伝子診断
3. ウイルスや結核などの感染症の遺伝子診断
などに用いられている。病気とは関係ないが、法医学の鑑定も今や遺伝子診断の一分野となっている。

マスコミによって、「〇〇病の遺伝子発見!」と言った記事がしばしば報道されるので、遺伝子を調べればそれらの病気がすべてわかるのではないか、と錯覚している人も多いかもしれない。

しかし、現実の遺伝子診断はもっと地味なものだ。人間の遺伝子は10万個近いとされている。その遺伝子を端から調べて異常の有無を診る、ということは今のレベルではとうていできない相談だ。遺伝子配列の全貌さえ、まだわかっていないのである。

遺伝子の病気ならば、まず診断する病気を絞り、その病気特有の遺伝子異常があるかどうか調べる。たとえば、ある家系で決まった遺伝子の病気が頻発している、と言った場合、まずその家系での遺伝性疾患の原因遺伝子を特定する。

同じ病気であっても、家系や国によって遺伝子の異常が違うことがあるからだ。こうして、ターゲットにする病気の遺伝子情報を得た上で、調べたい本人の目的とする遺伝子の部位を調べる。

こうした方法、つまり検査する目的である病気の遺伝子情報を持った上で、本人のその部位の遺伝子の変化を見る、というのは遺伝子診断に共通した方法である。

ただし、感染症に対する遺伝子診断はちょっと違う。エイズや結核などは、感染から発病までの間に時間がかかる病気である。しかし、結核にしても痰を培養して結核菌の存在を診断するまで一ヶ月近くかかるが、遺伝子診断で痰に含まれた結核菌の遺伝子を診れば、感染の有無がわかる。したがって、本人が感染に気づかない間に他人に感染させると言った問題を防ぐには、非常に有効と村松教授は語っている。

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