B型慢性肝炎のインターフェロン治療

   京都府立医科大学第3内科 岡上 武 村上 善基

はじめに

1976年GreenbergらがB型慢性肝炎にインターフェロン(IFN)が有効と報告して以来、多くの患者に使用されてきたが、その効果は一過性のことが多く、現行の投与法では長期予後に関しては満足すべきものではない。

IFN治療の対象と実際

保険上はHBe抗原陽性の慢性活動性肝炎例が対象であるが、HBe抗体陰性でもHBVの増殖がみられる慢性活動性肝炎患者も本来治療の対象である。

血清トランスアミナーゼ(ALT)が150IU/l以上で、組織学的に活動性を示す慢性活動性肝炎に有効である。

一般的治療スケジュールはIFNαまたはβを1日300万単位から1,000万(多くは600万単位)の4週間連日投与。

IFN終了時に血中HBV-DNAが定量感度以下に低下していない場合は無効なことが多い。投与終了3?6ヶ月後にしばしば血清ALT値の有意な上昇をみる。その後Hbe抗原が消失し、Hbe抗体が出現すると(seroconversion)、多くの場合肝炎は沈静化する。

B型慢性肝炎の長期予後

熊田らは、IFN1ヶ月投与では、投与終了時のHbe抗原消失率は17.4%、投与1年後は21.7%であったと報告している。現行のIFN投与方法ではHbe抗原の陰性化率は低く、たとえseroconversionしてもトランスアミナーゼの異常が続く場合には組織学的に進行する。

IFN治療の今後の問題

我が国ではB型慢性肝炎のIFN治療の保険適応はHbe抗原陽性の慢性活動性肝炎で、連日投与の場合は4週間と限定されている。金井らはIFNを1日900万単位を連日2週間、その後週3回24週間し、Hbe抗原陽性例では、治療終了時に44%(23/52)の症例でHBe抗原が陰性化し、終了後24週では52%(27/52)でseroconversionしている。HBe抗原陰性例のALT正常か率は治療終了時62%(24/39)、終了24週で59%(23/39)であった。

このようにIFNの長期投与により治療成績はやや向上するが満足すべきものではなく、今後は難治例に対してはラミブジンのような抗ウイルス剤の併用も考慮すべきである。

 肝胆膵 37(6) :785-790,1998