今 なぜ利己的な遺伝子なのか


私の友人で、宮崎医科大学で大学時代を過ごし、熊本大学第一内科に入局し、お互いに消化器内科を志望し研修医時代を過ごし、再び県立延岡病院で仕事をし、その後君が32歳の若さで荒尾市民病院で亡くなる時、そばにいながら何もできなっかたことを本当に残念に思います。
 
彼、蔵本正司先生は、大学時代から本当に優秀な人間でした、まさか君が家族性アミロイドーシスの家系とも知らず、大学時代を過ごしました。

熊大第一内科といえば、日本で最初に家族性アミロイドーシスの発見者であり、大学時代にもお世話になった荒木淑郎教授のもとにありながら、あの時代は遺伝病であるアミロイドーシスに対して本当に皆が無力であったと思います。
 
家族性アミロイドーシスは、トランスサイレチン(TTR)遺伝子の一カ所に塩基配列の異常があり、TTR蛋白の30番目のアミノ酸がバリンからメチオニンに変化したための疾患です。過去に日本にポルトガル人によって持ち込まれた遺伝子異常ですが、それがなぜか熊本の荒尾市のある地域で昔は風土病として考えられてきました。
 
私も、荒尾市民病院にその後10年間勤務し、家族性アミロイドーシスの患者さん達が、亡くなっていくのを見ながら、本当に遺伝子の持つ非情さを痛感しました。
 
平成10年1月26日には、私と同じ年齢で今まで教師としてがんばってきた崎坂先生も、君と同じ病気で亡くなりました。
 
家族性アミロイドーシスの患者さんは、皆本当に遺伝的にも極めて優秀な人達だったと思います。ただ遺伝子の一カ所の異常の前に、みんな30−40代で亡くなっていくのみるのは、本当に辛いものがあります。
 
私が、今回ホームページを開設するに際し、「利己的な遺伝子」を中心テーマにしましたが、本当は利己的と言うよりは非情な遺伝子に関して語りたかったのが本音かと思っています。

今後も、遺伝子の持つ非情さを知りながらも、新しい世代に何かを残せればと考えています。

 
 

家族性アミロイドーシス
坂崎祐司先生への追悼
非情な遺伝子とは

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