第1章:超新星の爆発
それは、星の死から始まった
今から46億年前のあるとき、名もなき一つの星が死んだ。
星にもまた生まれてから死ぬまでの一生がある。宇宙全体から見れば、その星の死はありふれた出来事であったろう。だが、銀河系の端に位置していたその星の劇的な最期がなかったら、ここにいる私たちはいっさい存在していなかった。
この出来事から、太陽系第三惑星「地球」誕生というドラマの幕は切って落とされたのだった。
原始星は中心部の温度が摂氏1000万度を越えるようになると、水素がヘリウムに変わる核融合反応が始まり、一人前の恒星として光を放ち始める。年老いて水素が無くなると、今度は燃えかすのヘリウムを新しい燃料にして、炭素や酸素という重い元素を合成する。
46年前に死んだ星は、質量が太陽の8倍以上ある重い星だった。
こういった星では、さらにマグネシウムやケイ素などのより重い元素がつくられる。そして、最後に燃えることのできない鉄が生まれたときに、その星は劇的な最期を迎えた。
熱源を失った中心部が重力崩壊し、その反動で星はすさまじい爆発を起こし、粉々に吹き飛んでしまったのだ。超新星の爆発である。
超新星爆発の火の玉の中では、爆発寸前に金、銀、ウランなどの重い元素が作り出され、星の内部にたまったさまざまな元素とともに、爆風によって遠くに吹き飛ばされる。それは、生命に不可欠な材料が銀河系内に解き放たれた瞬間でもあった。
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