生命の痕跡が残る最古の地層


秋山 雅彦


地球の年齢は、46億年といわれている。太陽系を構成する惑星は、地球を含めて微惑星の集積によって形成されたと考えられており、この成因説は「微惑星説」と呼ばれている。

生まれたばかりの地球は、隕石の衝突エネルギーによって熱くとけたマグマに覆われていた。その後マグマは少しずつ冷えて、地殻が形成されていった。生命は少なくとも地殻が形成された後に生まれたと考えられる。

現在、地球上で見つかっている最古の岩石は、カナダ盾状地や南極に分布する片麻岩といわれる花崗岩に似た組成をもつ縞状の変成岩で、40億年前のものである。しかし、西オーストラリアに分布する35億年前の堆積岩の分析により、その中の砂岩粒子を構成するジルコンという鉱物の年齢が43億年前であるとされた。これは砂岩の粒子を供給した元の岩石が、43億年前に作られていたことを示しており、地殻の形成は43億年よりも古いことになる。

それでは、生命は地球の歴史の中でいつごろ誕生したのであろうか。生命が生存した証拠は堆積岩の中に求められる。

西オーストラリア北部には先カンブリア時代の地層がみられる。その中のチャート(二酸化珪素からなる堆積岩)から、直径数マイクロメートルの球状の構造体や、数十マイクロメートルの長さの繊維状の構造体が発見された。形態の特徴から、シアノバクテリア(ラン藻)の化石であるとされている。それらの地層から分離された不溶性有機物の炭素同位体組成は、独立栄養生物の存在を示唆している。

また、グリーンランドに分布する38億年という年代をもつ世界最古の堆積岩も、多くの研究者によって調べられている。これまで、イースト菌に似た微化石が発見されたこともあったが、それはまちがいであり、最古の生命の証拠は西オーストラリア北部の35億年前の微化石であるとされてきた。

しかし最近になって、南西グリーンランドのアキリア島に分布する、38億年前の地層に含まれる炭素質物質の炭素同位体組成が測定された。その結果、何らかの生命に由来する炭素であることを示していた。地球上での生命の起源は、少なくとも38億年前にさかのぼることができる。生命誕生は、地殻の形成された43億年以降38億年以前の間で、従来の説よりも古くなる可能性がある。

戻る


このホームページのホストは です。 無料ホームページをどうぞ!