遺伝子判定


究極の身分証明書

少し前までは想像も出来なかったような方法で、慰留物から個人を特定したり、あるいは実の親子であることを証明することが出来るようになりました。それは特に法医学の分野で大きな影響を与え始めています。

遺伝子判定はレスター大学のジェフリーが1984年に始めたものです。彼の研究は、もともと筋肉にあって酸素を蓄える蛋白質であるミオグロビンの遺伝子がテーマでした。この遺伝子にもミオグロビン分子の構造を指定する以外の部分がありますが、そのある場所に何度も繰り返されている奇妙な塩基配列があることが分かったのです。この繰り返しをミニサテライトと呼んでいます。これは何の役にもたたず、また害にもならない部分と考えられています。しかしジェフリーは、これが遺伝学者にとっては大変役にたつものであることを見抜きました。

それは10から15個の塩基の配列が繰り返されたものに少し変化が加わったものです。彼はミニサテライトを、染色体上でミオグロビン遺伝子の位置を知る目的に利用できないかと考えたのです。

そのために、彼は二つのミニサテライトを取り出し、バクテリアに導入して大量に増やさせ、またそれを取り出して放射性物質で印を付けました。こうしたものをプローブと呼んでいますが、このプローブを結合させることによりいろいろなDNA試料の中にミニサテライトがあるかどうかを調べてゆくことが出来るわけです。

このプローブを実際に使ってみると、このミニサテライト配列はミオグロビン遺伝子だけでなくDNAのいたるところにあること、またさらに面白いことにはその配列は、だれのDNAにもあるのですがその繰り返し数が人により違っています。さらには私たちはこの配列の半分を母親からもう半分を父親から受け継ぐのですすが、その組み合わせは兄弟でも異なってくるので、一卵性双生児でないかぎり同じパターンの人は二人をいないことになるのです。

遺伝子判定を行うためには、DNAプローブを用いて遺伝子の特徴を可視化する事が必要です。このプローブは、ある長さのDNAを合成して作ります。そのためには、遺伝子の繰り返し配列のところを切り出してきて、プラスミドと呼ばれる環状のDNAの中にこれをつなぎ込んだものをバクテリアの中へいれてやります。この手順のことをクローニングと言っています。バクテリアは、導入されたプラスミドももともと自分が持っているプラスミドを同じように複製してくれるのです。バクテリアを大量に培養した後に、プラスミドを取り出し必要なDNAを切り出せば、いくらでもプローブとなるDNAを作ることが出来ます。あとは目印をするために、DNA中の燐酸基を放射性のリンを含む燐酸基に置き換えてやればプローブは完成です。

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