眠りとは?


脳の活動と夢


ほとんどの人は一日の三分の一は寝て過ごします。どうしてそうなのでしょう。体を修復するためでしょうか。日中に出会った情報を脳に組み入れる仕組みと関係あるのでしょうか。それとも外に出てて狩りをしたり、結婚相手を捜したり出来ない夜は余計なことをしなくていいように進化してきた行動なのでしょうか。それぞれの意見に賛同者はいますが、誰も確かなところはわからないのです。
 
人はどのくらい寝る必要があるのかも、正確にはわかっていません。ほとんどの人は、好きなようにさせれば毎晩八時間くらい寝るのが普通です。
 
「なぜ眠るのか」より「睡眠とはなにか」をいう方が容易です。睡眠中は血圧と脈拍が下がり、呼吸が遅くなり、体温は下がり、皮膚の血管が開いて、消化管の運動は活発になることもありますがほとんどの筋肉は弛緩して、体全体の代謝量は20%ほど落ちます。

しかし、睡眠中と覚醒中とでもっとも際だった違いを示すのは脳です。ヒトが眠りに就くに従って脳は徐々に受動的になり、また外界に対する反応が低下してゆきます。ですから睡眠の研究はどうしても脳に着目することになります。
 

睡眠と脳波


 脳波のパターンによれば睡眠には五つの状態があり、そのうち四つはノンレム睡眠、一つはレム睡眠と言っています。レムとは急速眼球運動を表す英語(Rapid Eye Movement)の略語で、睡眠中ときどき起こる素速い眼球の動きを刺す言葉です。
 
ノンレム睡眠中は脳波はおそく規則性が高くなり、睡眠者はあまり動かず、呼吸は遅くなり規則的になります。いびこをかくのはノンレム睡眠中です。ノンレム睡眠の四つの段階は一、二、三、四と表しますが、その最も深い第四段階では電気活動が最も穏やかになります。
 
一方レム睡眠の方は最も軽い眠りです。その特徴は、閉じたまぶたの下で眼球がグルグル動くことです。そのためにレムという名がついたのです。レム睡眠が始まるといびきは止み、呼吸が乱れ、脳の血流と温度が高まります。体の動きも増えます。脳の電気活動も第一段階と同じくらいになります。
 
ヒトの睡眠中には、これら五つの段階が約90分ごとに繰り返し現れます。健康な成人の場合、眠り始めるとまず第一段階に入り、それが第二、続いて第三、第四と進んだ後、逆に戻って再び第一段階になります。するとレム睡眠が5-15分ほど現れて一巡りします。このようなサイクルが4、5回繰り返すのですが、その間にレム睡眠の部分が増加し、逆にノンレム睡眠、特に第三と第四段階の部分が減少してゆきます。したがって八時間眠る人はその約二時間をレム睡眠で過ごし、残りをノンレム睡眠で過ごすことになります。
 
このようなレム睡眠とノンレム睡眠の交代パターン、特にその周期が約90分であることは、皆驚くほどよく似ています。そこでこのパターンの変化に注目すれば、睡眠障害や脳の発達における睡眠の重要性についていろいろな手がかりが得られるのです。

哺乳類は、若いうちは成長してからよりずっと多くの時間をレム睡眠に使います。新生児なら一日十六時間眠るうちの少なくとも半分はレム睡眠です。未熟児では、レム睡眠の割合はさらに高くて75%にもなります。

夢を見る意義


 睡眠研究ではまだまだわからいことも多いのですが、一つ考えられるのは、レム睡眠のほうが私たちに必要なのであって、ノンレム睡眠のほうは健康のためにはさほど必要で無いと言うことです。

実験研究によれば、私たちの脳には毎日ある最低量の空想や夢が必要なようです。試しに夜の前半にレム睡眠をさせないようにしてみたところ、人によっては大変異なる効果がでることが分かりました。
 
その夜の後半でレム睡眠の量が増えた人たちがいましたが、このような人はもともと昼間目が覚めていると時に空想を巡らすことをしない、つまり白日夢を見ない人々でした。続けて数日間レム睡眠をさせないでいると、できなかったレム睡眠を取り返すかのように、昼間に空想するようになったのです。
 
一方もともと昼間によく空想していた人たちは、夜の後半でも普段と同じ量のレム睡眠を経験し、昼間の空想の仕方にもとくに変化は現れませんでした。
 
どうしてそうなるのかはまだ明らかではありませんが、レム睡眠は少なくとも私たちの精神衛生を維持するのに大事な役割をはたしているようです。

そのレム睡眠は成人では全睡眠量の四分の一に過ぎません。それ以外のノンレム睡眠がなぜ多いのでしょうか。その答えはいまのところ想像するしかありません。


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