変なワインコレクション




 ワインを楽しむためには遊び心が必要だ!ということで、始めたこのコーナー。実は発端は以前にバイト仲間で「イッてるワイン協会」を作った事にあります。といっても、これもお遊び。84年のアルザスのゲヴュルツトラミネールとか、85年のACコート・デュ・ローヌなど、普通熟成させないワインの十数年モノを飲んで、「これかなりキテルな」なんて変な事言ってました。

 このコーナーもその延長、怪しいワインを順次紹介しています。また変なワインを見つけたら教えてください。寄付も受け付けます。(笑)




No.1: Multi Vita Vino

 「ワインを識ろう!」でワインは葡萄で作ったお酒ですなんて言っておきながら、いきなり反則です。私にもこれが本当にワインかどうかは判断しがたいですが、みずからVinoなんて名乗ってるから多分ワインなのでしょう。

 ある酒屋のワインセラーに入っていったら、入り口付近に置いてあったのがこれ。ちゃんと定温保存されていました(笑)。750mlのものと200mlのボトルが置いてあって、900円と220円。このコーナーの良い題材があった!と思ったけど、さすがに750mlを買うほどの勇気もなくて、今回は200mlのボトルにしました。

 なんとこのワイン、10種類のフルーツとビタミンが入っています。おまけに微発泡性!アルコール度数は5.5%。ボトルの記載の英語を読むと、微発泡性ワインに、ビタミンジュースとフルーツワインをブレンドしたものだと書いてありました。日本製だろうなと思えば輸入物。なんと、ドイツ製!ドイツワインだったのでした!

 見ての通りオレンジ色。キャップは金具でできています。買ったときにボトルの首についてきたのが左のこのラベル。キャッチフレーズは「フルーティ、ビューティ、テイスティ」(笑)。確かに健康に良さそうなワインですねー。このラベルについている応募券を4点分集めると、10種類のフルーツを抽選でプレゼント!と書いてあったけど、
応募締め切りが9月30日。くっそー!間に合わなかった!

 それではまずテイスティングしてみましょう。ちゃんとテイスティンググラスに注いで...
 色は濃厚なオレンジ色、グラスを傾けると、やや発砲しているのが分かります。ディスクは健全でやや薄め。粘性は意外にもほとんどありません。香りはフルーティで、熟したパイナップル、オレンジなどの様々な香りがします。例えるなら風薬。飲んだときのアタックは意外にもワインの独特の風味が先にきて、そのあと、マンゴー、バナナ、キウイなどの味が一体となってきます。炭酸は荒く、舌を刺します。後味に、フルーツ独特の酸味が残り、余韻も長いです。

 よーするにほとんどジュースの味です。ただ、飲んだときに、あっワインかな?っと思わせるフレーバーがあるのが特徴。一応アルコールも感じさせます。

 一言で感想を言うなれば、「750ml買わなくて良かった.....」


No.2:MORGON '86 CELLIER DES SAMSON

Bottle-MORGON'86 これをここに載せるのはちょっとためらうのですが、興味をそそられるワインであることは確かなので、取り上げてみました。

 ワインの説明をしておくと、これは仏のブルゴーニュ地方のボージョレ地区の村名のワインで、良く知られているボージョレの上級版だと思ってもらえれば良いと思います。ボージョレ地区で使われる葡萄はガメイ種で、フルーティーな香り、フレッシュで飲み口が爽やかなワインになります。このモルゴン(MORGON)ももちろんガメイ種からできているのですが、ボージョレ地区の中では非常に力強いワインを生み、比較的熟成にも耐えるワインができます。

 問題はこのワインのビンテージ(収穫年号)です。なんと86年。いくら熟成に耐えるワインになるとはいえ、10年以上前のボージョレですからね....。
作り手はセリエ・デ・サムソン社。この作り手に関しては私はほとんど知りません。

 左の写真からでは分からないのですが、ボトルの外から見た外観でも、既に色は薄く褪せていて、中身も空気の部分が多く、減っているように思われます。極めつけはなんと、瓶の底にうごめく黒い物体・・・澱が在ります!澱のあるガメイって初めてみました...。

 これは近くの酒屋のワインセラーに眠っていたのを見つけました。この酒屋、こういった普通のところでは売っていない、古いワインが時々見つかります。最初にも述べた、84年のゲヴュルツとか85年のコート・デュ・ローヌなんかもここで手に入れたものです。モルゴンは5本並んで売っていて、そのうち4本が89年のビンテージだったのですが、この1本だけがなぜか86年でした。

Vintage 1986 ちなみに購入価格は2,250円!これって仕入れた当時ときの値段そのままじゃないの?86年のブルゴーニュの赤ワインを2,250円で買ったなんて人に言えば、結構驚くかもしれないですね(笑)。
 
 なにはともあれ、飲んでみないとこのワインの評価はできません。熟成に耐えるワインと言われても、モルゴンを10年以上熟成させた人は、そういないでしょうね。購入した酒屋はきっちりとセラーの中で定温保存されているので、保存状態の心配は要らないでしょう。


 買ってから1週間ぐらい立てて落ち着けてから、飲みました。やはり澱のあるガメイ、飲むのには結構勇気が要りました。頭の中で、このワインこんな色してるから、多分もう熟成しきっていて、酸っぱいんだろうな、なんて想像がめぐってしまうんです。
 一応澱を取り除くため、デカンタージュしときました。グラスに注ぐと、透明感あるうすい煉瓦色。もう熟成のきわみです。飲んでみると、これまた本当に酸っぱかった。もう飲み頃のピークなど十分過ぎ去って、下降をたどるだけでしょう。でも何故か複雑な後味が、渋味はあまりないけど、後に残るこの香ばしい甘みは何?何処かで味わった事がある、この焦げたような....そうだ、これは綿菓子の、あの膨らんだ繊維状の砂糖が口の中で小さくなった時、あの焦げた香りのする香ばしさ、甘さ!これだ!

 結論:MORGONは長期熟成に耐えるワインだが、熟成させすぎると綿菓子の味が出てくる!