Museum 道案内


The Museum of Yaesu 401

本 館

ENGLISH PAGE

Stuck in someone elses frames?: Break Free!

2000年4月15日掲載 アクセス回数: counter

連絡先 

For the ENGLISH reader : This would be helpful for you!!

懐かしの名機 たち

model shipである FTdx400(発売時のカタログ) と、最終型 FT-401B です。

  

八重洲無線の400のシリーズは、1967年の発売以来、八重洲無線の代表機種、 「デラックスタイプ SSBトランシーバー」として一世を風靡した機種です。
101のような時代をリードする革新的な機械ではないものの、当時の最も安定な電子デバイスである真空管を主に用いて、広範囲なユーザーの要求に応じられるように設計された機械です。 関連機種には、F−400ラインと呼ばれる、送信機のFLdx400、受信機のFRdx400、リニアアンプ FLdx2000、さらに、FL2000B、FL2500、トランスバータFTV650 などがあります; これをご覧のみなさまは、すでによくご存じの通りです。


歴 史

このシリーズの発売時期をひもといてみました。

機種発売時期カタログ国内定価US価格
FTdx4001967年10月118,000円 
FLdx20001967年10月46,500円
FLdx4001967年11月79,000円
FRdx4001967年11月62,800円
SPdx4001967年11月 2,950円
FTV6501968年6月29,500円1975カタログ定価 USD$194
FVdx4001969年4月 18,500円 
FT400S 1969年5月89,000円
FL2000B1969年9月79,800円1975カタログ定価 USD$359
FV400S1970年1月 19,500円 
SP4001970年1月 4.300円
FTdx5601970年1月 1971.Q3売価 USD$450
FL25001971年2月 63,000円 
FTdx4011971年5月128,500円
FV4011971年6月 19,500円1975カタログ定価 USD$99
SP401P1971年8月  1975カタログ定価 USD$59
FT401S1971年9月95,8500円  
FT401D1971年9月 99,800円
FTdx570  不詳   1972.Q3売価 USD$550
FT401B   不詳    1975カタログ定価 USD$599

このほか、関連機種としては、FTdx500(dx400の姉妹機種)、FTdx747(dx560の姉妹機種)、 さらには、FTdx505(FTdx401/570の姉妹機種)というものもあったようです。

400のシリーズは、全体に、前半はFT200とかFL200とかと重なり、 後半にいくと徐々にFT101と重なってきます。


古いFシリーズカタログ(FL200 とかFL1000とか、、、)
401のシリーズは、大きく分けて3つのタイプに分けられます。

  (1)初期のFTdx400、
  (3)後期のFTdx401/dx570/401、と、
  (2)それ以外です。

FTdx400はすべてのはじまり。FTdx401/dx570/401は完成版といったような意味で、その中間をつなぐ過渡期の製品が、FT400S、FTdx560になります。
よく誤解されますが、FT400Sは、FTdx400のジュニア版ではありません。全く別物です。つながりとしては、FTdx560がFT400Sの兄貴分になります。
一方後期のFT401は、FTdx401、FTdx570の完全なジュニア版になっています。
FTdx560とか570とかって何〜んだ? っていう方はこちらにどうぞ。

もっとも初期型のFTdx400と我々がよく知っている(?)一般的なFT401とは、ずいぶん大きな違いが あります。FTdx400は、

・50Kダイヤル
・4個のスライドスイッチ無し。
 101みたいに、2重軸の外側のつまみがスライドスイッチの代わりのスイッチに割り当てられていた。
・AM付き
・CWフィルタはつけられない
・銀足
・ファンなし(付かない)
・送信用の周波数微調がついている。RITの送信版
といった感じです。



下の写真は、発売当時、1968年1月頃のFTdx400です。

後期のFT401と比べると、外観の印象がずいぶん違います。
この写真ではわかりにくいですが、各つまみに付いているレバーや、バンドスイッチの表記の違い、それにモードスイッチのファンクションの多さも違います。シーソー型の電源スイッチもなく、 FLRdx400のようなロータリースイッチ型の電源スイッチが採用されていました。下のもう少し大きな写真を参照下さい。

つまみの配置は大幅に違います。ボリュームは、下段左から2つ目に、2重軸でAF/IFゲインがまとめられ、PULL ANL ON がつけられています。このPULL付きのボリュームは、401最終版まで使用されていました。クラリファイヤーは右下に。。。。たすきがけなどの、VFO切り替えスイッチは左上、その下は、電源スイッチが一緒になったファンクションスイッチ;いわゆるスタンバイスイッチです。さらに下段左端にモードスイッチがあります。

FTdx400は、この後種々の変遷を経て、最終期には見慣れた100Kダイヤルへと発展します。1970年末のことです。

 

写真をクリックすれば拡大写真がご覧になれます。 固定チャンネルユニットや、XF3Aフィルタなどが見て取れます。




ここにいたるまで、FTdx400がどう発展したか。

外観的に最も大きな変化を来したのはダイヤルです。





次に、1968年末に、2重軸のダイヤルが採用されました。この種のものは生産時期が比較的短く、珍しいもの; 概ね1968年末から1969年春にかけて生産されたと思われます。

下の写真のように、1回転100Kのメモリが付いたスカートがつけられていました。丁度、TS-700のようなイメージで、外側のつまみ(スカートに連動した銀色のギザギザの部分。これはアルミの押し出し成形)が早送り、内側のつまみ(黒いつまみ)が微調になっていました。なおスカート部分は、銀色のギザギザの部分に固定されているわけではなく、スライドさせてキャリブレーションが可能な構造になっています。 減速機構は、英国製の例のボールベアリングが使われています。

クリックすれば拡大写真を表示します。

このころFVdx400が発売されました。もちろん本体と同じ形式のダイヤルが搭載されていました。

その次に来るのは25Kダイヤルです。25Kダイヤルには2つのタイプがあります。


左の写真は前期版、右の写真が後期版です。前期版と後期版は、スカートの形状は共通ですが、つまみの形状が異なります。
後期版では、1KHzがスカート上で約8mmの長さになり、前期版に比べると、周波数が読みとりやすくなった とされました。また、前期版ではただのつまみだったノブが、後期版ではFT401やFT101で見慣れたレバー付きになりました。早送りが丁寧に扱えるようになったと思われます。また、指のあたる窪みの形状も異なります。ファインチューニングの操作がいっそうやりやすくなったものと予想されます。

下記は、後期版25Kダイヤルを搭載し、プレートつまみの減速機能まで付いた、最終版一歩手前のFTdx400です。




FTdx400は、大体以上の経過を経て、最終型の100Kダイヤルへと進みます。
ちょっと変わった100Kスカートも 上の、同軸ダイヤルのスカートを用いたものと思われます。

写真をクリックすれば拡大写真がご覧になれます。

その他、回路的に大きな変化があったのはフィルタです。

発売当時使われていたのはXF−3という横型のもの。横型の101と同じような形状のフィルタ(寸法的には、後期のXF31Aを横に寝かしたのと同じくらい。101用に比べると長さは倍くらいある。下のFT400Sの写真参照。)です。もちろんCWフィルタはありません。オプションで出されたのはずいぶん後になってからです。そのころにはSSBフィルタも縦型に変わり、CWフィルタも簡単に取り付けられるようになっていました。401のよく知られた縦長のフィルタに変更され、基板上にスペースを作ってもう一つフィルタがつけられるようになったわけです。このころのフィルタは下の写真にも示したXF3Aと3C。FTdx400ではこれが最終です。
なお、横型のXF-3を装備した古いdx400にCWフィルタをつけよう というオプションも出されていました。これは、小基板を使って、シャーシ裏にCWフィルタを寝かせてつける といった荒技でした! 切り替えはリレー。
ご参考までに、XF3とXF31Aの内部比較写真。下がXF3です。どちらも、HC6Uを6個用いた、6エレメントのタイプです。回路構成は若干違うようです。

貴重なフィルタをなんてことするんだと叱られそうですが、古いFTdx400を復帰させようと、フィルタ交換を画策したときに撮影したものです(XF3の箱の中にXF31Aの中味を入れる。101用の8エレメントのものも使えそうです)。

あまり知られてはいませんが、最終版FT401BにはAMフィルタや、500Hz帯域のCWフィルタも準備されていました。AMフィルタはこちらを参照ください。

八雲製のCWフィルタ



またファイナルも、何種類かありました。しかしこれは、時代とともに変化したというものではなく、 市場の要求に応えて用意されたものです。6KD6 1本の100Wタイプや、電圧を下げた10Wタイプの dx400も市販されていました。

その他、マイクジャックは3Pのステレオプラグのものと、4Pのものとがありました。




その後これらをベースに、過渡期モデルとでも言うべき、FT400Sが登場します。
当初のFTdx400のイメージを一新: FT400SではAMが廃され、外観も一新。2重軸の複雑なスイッチ機構が全面的にも廃されてスライドスイッチが4個並び、見慣れたデザインになります。いよいよ「デラックスタイプ SSBトランシーバー」となりました。

写真をクリックすれば拡大写真がご覧になれます。
フィルタは横型のXF−3が使われています。

FT400Sでは25Kダイヤルが一般的ですが、ごく最後の一時期には、100KダイヤルのFT400Sもありました。1971年春4月頃ですが、実際にはほとんど知られていないと思います。フィルタは縦型のXF−3Aに発展しています。

  写真提供:澤田智様

写真をクリックすれば拡大写真がご覧になれます。


FT400SはFV400Sと組み合わせて特徴が出ます。USB/LSBでダイヤル指針を合わせるために、本体のモードスイッチに応じて3KHz分ダイヤルをシフトする回路がFV400Sには付加されています。モードスイッチに連動して本体から出力される直流電圧を、VFO内のRIT用バリキャップに加えるだけの簡単なものですが、ダイヤル目盛りがモードに応じて変化しないのは当時新鮮でした。初期のFT400Sにはこの電圧出力回路はついておらず、VFOとの連動端子も5Pのものでしたが、途中から(シリアルの下4桁0990以降)この機能がサポートされるようになりました。それにあわせて、VFO連動端子も7PMTのコネクタに変更されています。外付けVFO関係の詳細はこちらをどうぞ。

一方海外では、FTdx560が発売されました。これはFT400Sをベースに100Kダイヤルを積み 200W化したもので、最終のFTdx401等の先駆けとなる機械です。
当時アメリカで、450ドル程度(当時のレートで16万円くらい)であったと聞いています。ポアーマンズコリンズと悪口もたたかれたようですが、紛れもないベストセラー機です。
FT400Sはどうであったかというと、価格的にはFTdx560の半額ですから、10W機としてかなりコストパフォーマンスの高い製品であったと思えます。



さて、発展はどんどん続きます; ここからは後期版です。

FTdx560をベースにノイズブランカをつけ、ファン取り付けが可能になった国内版:FTdx401と、アメリカ版:FTdx570、またその入門版としてFT401S/Dが出され、、、と、新モデルの嵐です。
FT400SやFTdx560用のノイズブランカがオプションとして出されたりしたものこの時期です。


オプションのノイズブランカを装着したFTdx400

401後半からは、XF3A/Cのシリーズから、XF31A/Cのシリーズへフィルタが改善されました。


写真をクリックすれば拡大写真がご覧になれます。


最終的に、冒頭の右の写真のFT401Bに落ち着きますが、この最終モデルに至っても細かな変更、改善が続けられていました。

それから、実はFT401Sにも途中時期で変更があったのをご存じでしょうか? 下の回路の項にも書きますがノイズブランカが代わったほか、ファイナルのスクリーングリッドの結線が変更されているのです。おろらく、10W機なのに30Wも出る というのが問題になって変更されたものと思いますが、
【前】スクリーン電源から100Ωを介して直結
【後】スクリーン電源を5.1kΩと8.2kΩで分圧して接続。
要するにスクリーングリッドの電圧を落として、定格のパワー低下をはかったと言うことです。。。。




、、、と、簡単に流してしまいましたが、実は細かな変更はいっぱいあります。
特に、FTdx400とFT400S以降は周波数構成が異なっていたりして、一概に機能追加しただけとは言い切れないのも事実です。

八重洲の製品は、同一名称でも、発売時期によって細かい変更が繰り返されています。
ユーザーの実使用体験をできるだけ早くフィードバックして、よりよい製品を早く市場へ送り出そうという会社の方針だったのだろうと思えます。ふつうは発売後しばらく、こういった市場の意見をためて、まとめてマイナーチェンジをして、FなりFDなり(おっと、SQ38ですな。。。)、サフィックスをつけて出すものでしょうが。。。

たとえば、こういった細かな変更を受け続けた回路として、7360周辺の回路があげられます。
7360自体、受信時にカソードを切りにいったり、そのままにして置いたり、いろいろです。殺していないものでは、Gmの高い7360を挿すと、発振することがあります。
その他、CWモードの時に7360をスルー(バイパス)する回路がつけられたり、もしています。

もっとすごい変更は、FT400やFTdx560の時代にありました。 同じモデル名でありながら、心臓部のひとつであるVFOが、2SC372から3SK22に変更されているのです。これに伴い、8400〜8900を発振していたVFOの周波数も、8700〜9200へ変更されています。ずいぶんの性能の変化があっただろうと予測されますが、型名はそのまま。。エエッと驚かされてしまいます。
こういった意味合いでも、FT400とFTdx560は 最も過渡期の、中間的な存在といえます。
具体的には、FTdx400 のシリアル番号 313001以降、および、FTdx560 のシリアル番号 308001以降が新しいVFOになっています。

まだ開発途上のFTdx400では、時期ごとにいろいろ変更があります。
初期のものはVFOと連動してIFが調整されるようになっていましたが、後に、VFOボックス内への配線 引き込みを嫌ってか、バンドパストランスに変更されています。 そのほかVFOまわりでは、VFO切り替え回路や、固定チャンネル回路にもいろいろなバージョンがあります。 ダイヤルエスカッションの中の目盛板の形状にも何種類かあります。
また、電源トランスは初期の非常に大きなものから次第に小型化され、シャーシの形状まで影響を与えています。 開発途上とはいえ、何とも強烈です。



基本仕様

 
  FTdx400 FT400S FTdx560 FTdx401/570 FT401S FT401D FT401B
周波数3.5〜4.0
7〜7.5
14〜14.5
21〜21.5
28〜28.5
28.5〜29
29〜29.5OPOPOP
29.5〜30OPOPOP
10〜10.5AUX3に設定可能OPOPRXのみRXのみOPRXのみRXのみ
AUX1CBバンド
AUX2
モードSSB
CW
AM  ○(国内最後期版)  
PEP入力 400W50W560W560W50W240W560W
終段管 (2)6KD66JS6(2)6KD6(2)6KD66JS6(2)6JS6(2)6KD6
ドライバ管 5763
6GK6
12BY76GK66GK612BY712BY76GK6
フィルタSSBXF3/XF3AXF3/XF3AXF3AXF3A/XF31AXF31AXF31AXF31A
CW後期OP(XF3C)後期OP(XF3C)XF3CXF3C/31COP(XF31C)OP(XF31C)XF31C
AM      OP(XF31B)
キャリブレータOPOP
ANL/NBANLANLANL/NBNBNBNBNB
電源WW100V/117V系WWWW100V/117V系(*)
WW
100V/117V系(*)
WW
WW

WW: World Wide対応トランス、(*)初期のFT401はFT400Sのトランスが流用されたため、100V/117V系のみ。 OP: Option
寸法: 400(W) 160(H) 350(D)  重量: 約18〜20Kg



構 造

大きくてでっかい怪物ですが、非常によい造りをしています。
しっかりした鉄板シャーシをベースに、要所に補強やシールドを入れて強度を保ち、さらに分厚いアルミパネルに剛性の高いアルミサッシ枠を組み合わせて強度を作り込んだ構造です。重たいトランスも何のその。強度的には、ヤエスの数々の無線機でもピカイチと思います。この時代の、たとえばドレークのR-4Cなどと比較しても、401の圧勝でしょう。
また、VFOやFTV650、リニヤアンプに採用されている筆記体「Yaesu Musen」の飾りは金属製のしっかりしたもので、いかにも高そう。今の時代なら樹脂の成型品であること間違えなしでしょう。


回 路

FT401というと、巨大な真空管のお化けというイメージが強いですが(事実そうなんですが)、意外や意外、半導体(2SC372, 2SC735, 2SK19, 3SK22)も多用されています。真空管が使われているのは、概ね送信、受信の基本機能。それ以外のおまけの機能や、VFOなどバチッと性能を決めなければならない場所は、大体が半導体で構成されています。
FT401Dをベースに概要を説明します。

◆基本的な特徴

  1. どんな構成で、何本真空管を使っているか?
    <受信>
    アンテナからスピーカーに向かって信号の流れを順に拾っていくと、RF増幅(6BZ6)→第1周波数変換(6CB6)→第2周波数変換(6BE6)→中間周波増幅(6BZ6)→中間周波増幅(6BA6)→検波(12AU7)→低周波増幅(6BM8) になります。これらの部分はすべて、真空管が使われています。何のことはない、高1中2そのものです。9R59の世界です。
    しかし9R59とは明確な違いがあるわけで。。。大切な違いは、クリスタルフィルタが入っていることと、VFOの性能が違うことでしょうか。選択度、安定度がまったく違います。回路的には、周波数変換が2つあることが違うだけ。

    <送信>
    同じく、マイクからアンテナに向かって順にみると、マイクアンプ(12AX7)→変調(7360)→中間周波増幅(6BZ6)→第1周波数変換(6CB6)→第2周波数変換(6AH6)→増幅(12BY7A)→終段(6JS6 x2) となります。周波数変換と増幅を適当に繰り返している流れそのもので、これらもすべて真空管で構成されています。7360などという、贅沢な真空管を使っています。
    <その他の真空管回路>
    送信、受信別々に真空管で構成された、基本的な信号の流れ以外に、BFO(12AU7)、第1局部発振(6BA6)、VFOのバッファ(6BA6)など、送受共通に用いられる回路(全体の構成上主要回路といえる)も真空管で構成されています。また、送信の中間周波増幅と受信の第1中間周波増幅も共通化されています。忘れがちなものとして、CWのサイドトーン発振器(6U8)とVOX用リレー制御(12AT7)もあります。

    結局、主たる信号の流れの部分と局部発振等に、19本、または20本程度の真空管を使っています。それだけで大体想像できるとおり、大きくて重い、そして、熱いリグです。

  2. 半導体はどこに使われているか?
    半導体は結構色々な箇所に使われています。いずれもユニットになっているもので、下記に詳述するVFO、ノイズブランカ、マーカー発信器を筆頭に、AGCアンプ、CWモード時の7360スルー用のバッファ(写真左)、同じくキャリヤ周波数シフト回路(写真右)、AM変調回路、電源等です。整流器は、当然ですが、初代FTdx400当時からシリコンダイオードが用いられています。

  3. クリスタルフィルタ
    上述しましたように、SSBフィルタ(写真左)、CWフィルタ(写真右)とも6エレメントのフィルタです。スカートは甘いですが、普通に使う分にはあまり気になりません。
    両フィルタの切り替えはモードスイッチに連動して行われます。FRdx400のようなローターリースイッチによるものではなく、ダイオードスイッチが用いられています(FT400ではリレーが用いられていました)。右上の写真は初期のPB-1072。最終的には両面基板を利用してアースをはったPB-1072Bが用いられています。


  4. VFO
    自作で一生懸命物作りをした人が多かったこの時代、1Kが読める、この測定器のようなダイヤルに憧れを抱いた人が多かったと思います。何となく、イカツイFaceで、いかにも 無線機〜ィ という外観をしたこの401の、トリオの機械全般に比較した大きな特徴になったものと思います。
    VFO発振は8700Khz〜9200KHz。3SK22を用いたごく平易なクラップ回路ですが、ばっちり働きます。マーカーと併用して、500KHzのカバー範囲内、ほぼ全域で、問題なく1KHzが読めます。発振出力は、VFOケース内で2SK19、2SC372でバッファされ、さらに、上記6BA6のバッファを経て真空管のミクサー回路に供給されていきます。

    回路は初期から公表されていました。実際に実験してみると、電源電圧をわずかに変えるだけで温度ドリフトの具合が鋭敏に変化します。回路そのものはもちろんですが、あるレベル以上になると、電源を含めた全体のバランスのもとに動作させるノウハウが重要なものだったと考えられます。基本回路に支えられて、電源vsドリフトが表に出てきている ともいえます。401は周波数安定度が良くなかったとよくいわれますが、VFOユニット自体は、逆に安定度が高いとさえ言われる101のものと、実はまったく同一です。。。真空管だから熱い? 温度補償は、夏と冬でもダイヤルがほとんどずれないほど効いていたように記憶しています。。。

    構造物は鉄。トリオのVFOがアルミで作られているのと好対照です。全体に上下二段に分かれていて、上にメインバリコン、下に回路基板とコイル、それに周波数微調用のバリコン、温度保証調整用の差動バリコン が納められています。前面にギヤダイヤルが取り付けられていて、分厚い鉄板で全体を支える構造になっています。どれをとっても大変良い部品が使われていてます。これらの部品だけでも一財産であるといえるでしょう

    主たるバリコンは、アルプス製のFM用2連バリコンで、ひとつのユニットのみが使われています。周波数直線性を調整するため、若干羽根が曲げられています。

    コイルはステアタイトのボビンに巻かれたもので、ダストコアは入っていません(写真中央)。コイルのインダクタンスはほとんど固定ですから、周波数範囲を合わせる初期調整は結構面倒だったのではないかと想像できます。5球スーパーの単一調整のように、上端を容量で、下端をインダクタンスであわせるのが一番簡単ですから。401のVFOでは容量調整のみが簡単にできるようになっていて、この目的で、写真右上のトリマバリコンを持っています。ぐるっと回してもぴったり元に戻る優秀な部品ですから、遠慮なく再調整してOK。
    一方コイルにはコアが入っていないので、コイル自体の温度特性は優秀だと思われます。さらに温度特性を出すため、チタコンを組み合わせた温度補償が用いられています。20PのC特性のもの(温度特性零)とU特性のもの(温度係数 -750e-6/Deg、)を写真右下の差動バリコンに接続し、容量一定で温度特性のみ変化する仕組みを作り込んであります。出荷時には、温度エージングしながらこれを一台一台調整したのでしょうか。気が遠くなります。。。 
    コイルにダストコアが入っていませんので、もともと温度特性は悪くなく、必要なものは根気のみで、比較的容易に再調整できます。しかし、VFOに手を入れるのはどうもという人が多いと思います。そういう場合は、電源電圧を微妙に調整して追い込むことができます。スイッチ投入後のドリフトが大きいと感じたら、9V安定化電源の電源電圧を疑ってみてください。7Vになっていた、、、というような経験もあります。


以上の4つが、回路的に見たFT401を支える基本です。/号系に真空管を使っていること、■孱藤呂良くできていること、フィルタがそれなりに使えるレベルにあること、いまけ回路がそこそこ充実していること、この4つが「デラックスタイプ SSBトランシーバー」を支える基本; 構成がたとえば9R59などと比べて大差ないにもかかわらず性能が大幅に異なる(特に周波数の安定度と選択度)理由といえます。

◆周波数構成
FT101と全く同じです。ということは、101と401はいわば兄弟? 新しい解釈でしょうか? どちらが兄でどちらが弟か?? いずれにしても、FT401の上記基本構成の真空管を、すっかり全部半導体に置き換えたものが FT101だ と言うこともできるのです。受信を基本に、周波数構成を説明します。
まず、5.52MHzから6.02MHzの500KHz帯域に、各ハムバンドを直接マッピングします。このために、第1周波数変換が用いられます。局部発振は、たとえば10M帯を例にとると、10+6.02で、16.02MHzになります。このような調子で各バンドにひとつづつの水晶発振子が用意され、この水晶を切り替えることでバンドチェンジが行われます。
次に5.52〜6.02Mの中間周波数を、8.7Mから9.2Mを発振するVFOを用いて、3180KHzに変換します。このために第2周波数変換が用いられます。3180KHzはすべての基本の周波数となります。この周波数でフィルタリングや検波増幅、さらにSSB発生も行われます。SSBフィルタは、3180センターの2.4K帯域のもので、キャリヤー/BFOは3191.5KHz、3178.5KHzにおかれています。
すでにお気づきのように、ハムバンド以外でも、バンドチェンジ用の水晶さえ準備できれば、短波帯なら概ねどの周波数でも、500KHz単位で送受することができます。ただし、VFOの直接高調波が入る周波数や、3180の整数倍となる周波数、さらに、5.52〜6.02の整数倍になる周波数は具合悪いかもしれません。1.9を含む従来のハムバンドは全くOK。WARCバンドのうち18Mは、VFOの2倍高調波が明らかにバンド内に入り、具合悪いです。

◆付属回路
以下の1〜4はダイヤルエスカッション下の4つのスライドスイッチで操作します。

◆ 電 源
大きな電源トランスをベースに、5系統もの電源が用意されています。電圧の高い3つの系統は真空管用、最も低いものは半導体用です。また、マイナス電源は真空管に用いられています。電源の一次側は、FT400の一部を除いて、すべて、117V系、200V/220V系を用いることもできるようになっています。写真は整流基板。


◆AM回路
401シリーズの最晩年、FTdx401/FT401BでAMが復活しています。
送信時にフィルタを通らない真のA3とするために、別途3180KHzのキャリヤ発振用水晶を基板上に持った、新たなAM変調ユニットが作られています。右の基板です。この変調は、2SC372一発の低電力変調とされています。
受信は、検波は、メイン基板のダイオード検波が復活。
フィルタは、SSBフィルタをそのまま使うことが前提でしたが、401Bには、AMフィルタもオプション設定されていました。
このフィルタ、しかし、よくよく考えてみると実に贅沢。SSBフィルタが高価であるが為に、それを送受に兼用して使うことをそもそもの動機として成立しているSSBトランシーバにあって、おまけのAMモードで、受信専用のフィルタを準備する。。。もちろんCWフィルタもそうですけれど。

さて、国内でAMを何に使ったか、当時すでに開局していた私でもよく分からないのですが、アメリカ輸出モデルでは、101よりパワーが出る機械として、27MのCBバンドで有効に使うことができたのだろうと思われます。わざわざフィルタをオプションで準備する価値がある機械、市場だったのでしょう。

AMの運用について追記しました; 左の(10)からお進みください。



回路について総じて言えることは、基本的な機能をきっちり作り込んであるということです。冒頭にも述べましたが、‥時信頼性が高く安定に動作した真空管を主たる信号経路に用い、勘所のVFOやノイズブランカには先端デバイスであった半導体をふんだんに用いることで、安定な基本機能を再現性良く実現、これらを、鉄板シャーシと分厚いアルミパネルの強靱な筐体で装甲した機械がFT401であると言えます。この点だけ見ても、「高級SSBトランシーバー」で十分通用する機械であったと思います。





JR3XUHのホームページへ戻る

ジオシティーズの入り口へ このコミュニティの入り口へ ご近所を訪問する