Cレンの説明


『Cレン』というのは俗語かもしれません。セキスイハイム内部での正式な名称は, むしろ『ハイビーム工法』が正しいのだと思います。
にもかかわらずこのページでは,Cレンという言葉を使っています。それは,私の経験上, 営業さんや監督さんとのやりとりがずべて「Cレン」で行われたからに他なりません。 しかし,『ハイビーム工法』という言葉も,忘れずに頭の中に入れていただいておく 必要がありそうですね。
ともあれここでは,セキスイハイムの新しい特徴である,「Cレン」について詳しく 説明します。

私の思い描いた「昔の和室の再現」のうち,最も基本的な間取りを実現できたのは, このCレンがすべてであるといっても過言ではないでしょう。それぐらい,Cレンは 今回の建築の中心を占めていました。
以下,Cレンとはどんなもので,それでいかに和室が実現できたか,説明します。

なお,以下は全て,私が営業さん(担当の方とは限らない)からお聞きしたことや, 実際に写真撮影したものなどをベースにしています。必ずしも,全てを言い切って いるとは限りませんし,思い違いや間違いもあるかも知れません。
何分素人ですので,この点はあらかじめお含みおき下さい。

Cレン関連の新聞発表記事です。ご参考に。




< 目次 >

 1)従来の課題
   1)−1 以前のセキスイハイムの制約
   1)−2 間取りの限界(セラーノ)
 2)新しい飛躍−Cレン工法による希望間取りの実現
 3)Cレンの施工と強度
 4)ユニット配置の制約


1) 従来の課題
セキスイハイムが,工場生産80%をうたっていることはご存じの通りです。 これによる利点も多くありますが,工場生産に向けた企画性が高いため,「規格に沿った 画一的な家になりやすい」欠点もあります。その欠点が,「昔ながらの和室」を実現するには 大きな問題となっていました。セキスイハイムの"規格"が,私の思い描いた昔ながらの和室を 実現するだけのことをサポートしていないのです。


 1)−1 以前のセキスイハイムの制約

セキスイハイムにはユニット配置上,いくつかの制約があります。
和室に関連して私が調べたことを列挙します。

◆ユニットと屋根の関係◆
屋根の尾根方向と,ユニット並び方向は決まっています。従って,まったく 自由な外観を作ることはできません。
 アバンテ:屋根の尾根とユニット長辺が直交する方向になる
 それ以外:屋根の尾根とユニットの長辺が並行になる

◆ユニットの並び幅◆
短辺方向は,最大4ユニット半(ハーフユニット一つ)までしか並べられません。 これは,標準でもっている屋根ユニットの形状に起因します。幅が広くなると, 屋根が高くなってしまうからです。

ただし,陸屋根のシリーズや,バルコニーを併用して屋根の制約から逃げれば, 1階だけはもう少し広くできるかもしれません。


◆ユニットの幅(短辺)◆
ユニットの幅は約2.4メートルです。1間半以下です。
これは,運送用のトラックの制約から生じている寸法であり,同様の建築方法を とるトヨタホームなどのユニットでもそう大きくかわりません。
なお長辺は各種寸法があります。

 *ユニットサイズ完全自由設計できるものとして,セキスイハイムでは
  US1という3階建てマンション対応の商品があります。ALCです。
  住宅用として「完全自由設計」という点を活かせば,おもしろいものも
  実現できると思います。ただし高価。

◆窓◆
掃き出しの全面開口窓は,ユニットの長辺にしかつけられません。 ユニット短辺は端から端までの全面開口にはできません。
 1)−2 間取りの限界(セラーノ) セキスイハイムのは以上の制約がありますので,外観的に陸屋根がいやで,しかも屋根の尾根 を東西にすると決めると,ユニット長辺を東西に向けて配置せざるを得ません。 その場合,ユニット長辺は各種寸法がありますから,1ユニットで床付きの8畳(長さ2間半) は楽々カバーできます。

しかし,ユニット短辺を通って次の6畳の部屋に行くような間取りにしようとすると, ユニット短辺の開口が2.4メートルしかないために,8畳と6畳の間を全面開口にすることが できません。最大2.4メートル幅までの襖しか立てられず,あとは壁にすることになります。

図1




ユニット長辺を通って次の部屋に行くことはできますが,上記したユニット配置の制約上, その場合続き間は南北に並ぶことになります。これを無理に東西にむけようとすると, 屋根の尾根を南北に通すようにせざるを得ません。また,ユニット短辺が南側を向くため, 全面開口の掃き出し窓を取り付けることはできなくなります。

 
図2




つまり,ユニット長辺方向への大きな空間は実現できるので,これを用いた和室続き間は 南北方向なら可能であるものの,東西方向には問題を残し,さらに,ユニット短辺方向への 空間の広がりは,和室続き間には実用にならないと云うものでした。
このため,私が持っている「昔ながらの和室」のイメージのうち,最も大事な
・東西横並びの2間つづき。少なくとも8畳6畳で8畳には床あり
・続き間の南側は全面開口で広縁
が実現できる目処は,従来まったくありませんでした。



2) 新しい飛躍−Cレン工法による希望間取りの実現
Cレン工法というのは(工法か構造かはちょっとまぎらわしい),ユニットを4つ 「田の字型」につなぎ合わせたとき,真ん中にある4本の柱を一気にとってしまう というものです。

これで,ユニット短辺方向への大きな空間の実現可能性が出てきました。
4つのユニットを「田の字型」に組み合わせると,上図1のように中央の鉄骨4本が 邪魔であることは明らかです。そこで,その真ん中の柱をとってしまおうという 発想です。
これにより,図2のユニットを縦に並べた場合のような屋根の尾根の向きや窓の問題も無く, あっさりと8畳6畳の東西続き間が可能になります。さらに,ユニット配置によっては, 下図のように奥に仏間を配置するような間取りも実現できそうです。

図3



セキスイハイムでこんな家を建てようなどと言う人はいないかも知れません。 みんな地元の工務店か,住林でしょうか
うまく宣伝すれば良いんでしょうけれど,ハイムさんごめんなさい。 商売としては需要がなく成り立たないでしょうね。



いずれにしても,これで一気に,私が持っている「昔ながらの和室」のイメージを, セキスイハイムで実現できるめどが立ちました。
しかも,ハイムのユニットは柱構造ですから,耐力壁がまったく必要なく,8畳6畳 通しの広縁の南側は,完全な全面開口にすることができます(もっとも雨戸の戸袋 スペース(半間)は必要です)。言うまでもなく,地震にも強いでしょう。

まとめると,こちらの様なことになります。

こんな,南側広縁が全面にわたって開口できるような住宅は,強度上,軸組では絶対 実現できないでしょう。 
こういうことができるのは,現状ではハイムだけと言い切って良いと思います。





3) Cレンの施工と強度

具体的にどんな施工がされるのか,強度的にはどうなのか,写真で説明しましょう。

この写真は施工中のもの。

中央の垂直の柱がCレンで抜く柱ですが,この柱は梁と溶接接合されておらず,単にボルトで 固定されているだけです。柱と梁の接合部をよく見ていただくと,柱に切り欠きがあるのが お分かりいただけると思います;この部分に固定用のボルトが入っていて,梁と接合されて います。
全ての施工が終わった後,ボルトを除去して柱を取り去るわけです。


 

 

これらの2枚の写真は,左:補強用の梁と,右:その取り付け作業。

Cレンで単に柱を抜いてしまっては,ユニット毎に梁がバラバラになりますから, 強度に問題が出るのはあたり前です。。。そこで,2つのユニットの梁を接合 できるだけの長さ(ユニット短辺方向を貫く,約5メートルの長さ)の鉄板を用意 してこれを用いて梁を一体化させます。そうすれば,「抜いた柱」を4つの ユニットで支えることになり,強度の問題は解決できます。
これが,ユニットを構成する「C型綱」を「レン結」する という,Cレンの 基本的な考え方です。

この鉄板は厚さが5ミリくらいしかなく,建造物としては少々ペコペコな感じも しないでもありませんが,力はせん断方向にかかりますので,充分な補強になって いるのでしょう。
右の写真で,工事のおじさんの腕の長さと比較してみて下さい。大体の寸法の見当が つくと思います;結構大きなものです。

しかし,見た目にはただの板ではやはり不安です。鉄骨状のものの方が,補強材としては 立派に働くような気がします。。。  ここはもう,ハイムを信じるしかありません。





4) ユニット配置の制約

Cレンでは,ユニット配置に若干の制約があるようです。
たとえば1階のどこをCレンにしたら,2階でCレンできる場所は限られるとか, あるいは,2階はどういうユニット配置にしなければならないとか,です。
このあたりの制約事項については詳しいマニュアルができていて,「この配置だから OK」あるいは,「この配置はダメ」といったことが誰でも機械的に判断できるように 資料整備が進んでいました。このようなマニュアルがあればこそ,営業にはプロ であるとはいえ 建築には素人同然の担当でも,即座にクライアントとの話を 進められるのでしょう。建築士の資格を取るよう,営業さんに勧めた私であります。。。

私の家では2階のバルコニーを広くしたいと考えていたのですが,このような 制約のため,いびつな形のバルコニーになってしまいました。
具体的なことは2階図面をごらんいただくとお分かりいただけます。 右下に不自然なハーフユニット(15番のユニット)の出っ張りがあり,ここだけ部屋が 出っ張って,逆にバルコニーが狭くなっていますが,このユニットが『Cレンの構成上 必要不可欠なもの』として,あとから追加になったものです。バルコニーが変形なもの になり,屋根形状も若干いびつになりましたが,まあ,「部屋がそれだけ広くなった」 ということではあります。もちろんハイム負担でした。
なお,55ユニットのCレンはできないようですので,注意が必要です。





地震からの復活のページへ戻る

ジオシティーズの入り口へ このコミュニティの入り口へ ご近所を訪問する