
ベンゾシアゼピン系睡眠薬 →Back
今、一部で睡眠薬がたいへんな人気を集めているようである。昭和30年代に巻き起こったメタカロン
(商品名「ハイミナール」)&ブロムワレリル尿素のブームと比べれば規模は小さいものの、記憶がない
まま殺人を犯したり、女性の飲み物にそっと一服盛って意識が朦朧としているうちにぶち込んだりとか、
ここ数年、睡眠薬に関連する事件が多発しており、テレビ雑誌でも興味本位の特集が組まれたりしている。
今回の睡眠剤ブームの主役は、ご存知、日本アップジョンから発売されている青い楕円形の錠剤ハル
シオン(薬剤名・トリアゾラム)だ。と、これについてはまた後ほど詳しくお話するとして、その前に、睡眠薬
(ダウナーズ)一般に関する常識をおさらいしておくとしよう。
睡眠薬の歴史は、1864年、バルビツール酸という睡眠物質が発見されたことにはじまる。それから40
年ほどだつた1903年、バルビタールなる商品名で世界初のバルビツール酸系睡眠薬が発売される。以
来、90年以上の長きにわたって数百種類ものバルビツール酸系睡眠薬が世に現れ、70年代の初めまで、
睡眠薬の主流を占めてきた。この薬剤には、耐性の形成が早く、深刻な禁断症状を招くという重大な欠点
があった。さらに、致死量のレベルが低いため、用量を間違えて死亡する者や、自殺の手段として使う者
が続出、世界中で物議を醸すこととなる。
そんな状況にあって、1960年、米ニュージャージー州のロシュ製薬に勤務する化学者レオ・ステンバッハ
は、不安を軽減し、精神を安定させるベンゾジアゼピン化合物の合成に成功。まず最初にクロルジアゼポキ
シドを「リプリウム」「バランス・コントロール」という名で売り出し、次ぎに同じベンゾジアゼピン化合物であるジ
アゼパムを「ヴァリウム」という商品名で販売する。それからしばらくして、この化合物の仲間に催眠作用のあ
ることが確認され、ここに、バルビツール酸系とは全く別のベンゾジアゼピン系睡眠薬の登場と相成る。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は耐性の形成が非常に緩やかで、大量に長期間用いない限り禁断症状の心配
もない。また、致死量のレベルも極めて低く、100錠飲んでも死ぬことはまずない。この薬剤を自殺に役立て
ようとた場合、数百錠を服用しなければならないが、一度にそんな量を飲めば、吐き出してしまうのがオチだ。
また、万が一胃袋に取り込めたとしても、死ねるのはごくわずかの確率である。
さて、こうした人類が手にした夢の睡眠薬ベンゾジアゼピン化合物。確かに不眠に悩まされている人にとって
は救いの神だが、それにも思わぬ落とし穴があった。それは、ハルシオンに代表されるベンゾジアゼピン系睡
眠薬のレクリエーショナル効果である。
ベンゾシアゼピン系睡眠薬にもたくさんの種類があって、日本でよく処方されるのは「ユーロジン」「ベンザリン」
「ロヒプノール」「レンドルミン」「リスミー」そして「ハルシオン」といった銘柄だ。これらに共通する作用はもちろん
催眠なのだが、気晴らしとして用いる際には、もっぱらその独特の酩酊感が好まれるようだ。
心身に及ぼす影響は、同じダウン系ドラッグに分類されるアルコールに非常に似ている。しかしながら、この種
の睡眠薬は、吐き気や頭痛といった身体的不快症状を全く引き起こさず、酒のように内蔵にダメージを与えるこ
ともなく、あまつさえノーカロリーなので太る心配もない。つまり、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、肉体的悪影響の
みを取り去った理想的なダウン系ドラッグなのである。現に知り合いで、「酒は体に悪いから」と、アルコールから
睡眠薬に切り替えた者がいる。彼曰く、「セット(精神状態)やセッティング(環境)によって、アップ系に働いたり、
ダウン系に働いたりと、作用が特定できない点も酒とそっくりだ。でも、睡眠薬なら二日酔いに苦しむこともないし、
医者に処方してもらえば、酒よりもずっと安くすむ。だから、僕は酒はやめて、睡眠薬にしたのさ。」
もうひとつ忘れてはならないのが、ベンゾジアゼピン系睡眠薬には、健忘をもちらす働きがあるということ。要す
るに、傍目にはシラフに見えても、本人はそのときの言動を全く覚えていないのである。
右の向精神作用は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬全てに当てはまる。では、なぜハルシオンばかりが、もてはや
されるのか?それは、数あるベンゾジアゼピン系睡眠薬の中、最も効き目が早く、また体外への排泄も早いので、
翌日に残らないというとても優れた特徴を有しているからである。
専門医の間でウルトラ・ショートと称されるハルシオンは、服用後5〜10分で作用が表れる。さらに、ハルシオン
愛好家に言わせると、この薬剤はほかのベンゾジアゼピン系睡眠薬より、健忘の表れる頻度が高いという(確認
はされていないが)。このすこぶるつきの即効性と健忘の度合いが、多くの若者をしてハルシオンに向かわせる主
原因と思われる。
その外形から通称「青玉」と呼ばれる0.25rの錠剤をひとつ飲むと、30分もしないうちに強烈な眠気が襲って
きて、意識が遠のいていく。と、普通はここで寝てしまうのだが、レクリエーションに供するときは、グッと堪えて、ク
ラブで騒ぐとか、女の子とドライブするとか、何かアクティブな行動に打って出る。要するに、酔っ払いがおぼつかな
い足取りではしゃぎ回るのと全く同じである。朦朧とした意識のまま遊ぶというのは、日常ではちょっと味わえないイ
ベントだ。それに、酒と違って、睡眠薬なら足元がふらつくとか、吐き気がするとかいった身体的症状がないので、動
き回るには都合がいい。セット(精神状態)とセッティング(環境)によってはまるで興奮剤(アップ系ドラッグ)をやっ
たかのようなハイな気分を満喫することもできる。
むろん、渋谷などにたむろする青少年たちのハルシオン遊びは自己投与だけにとどまらない。代表的な例が、交尾
目的である。2〜3錠を粉末にして女性の飲み物に混入しておけば、たちまち意識はボヨヨーンとなって、よからぬこと
をされても抵抗せず、翌日には何も覚えていない。男にとっては、願ったりかなったりだ。が、ハルシオンは催淫剤では
ないので、全ての女性が思い通りになるわけではない。たかが睡眠薬でコロッと男に身を委ねてしまうのは、女のほう
に「セックスしたい」という強い欲望があるからだ。
かく言う僕は、ここ3年ほど、ハルシオンを愛用している。僕の目的は純粋に催眠なのだが、服用した翌日、予期せぬ
アクシデントにびっくり仰天することもままある。それは、先程お話した健忘だ。
意識がないまま動き回るというのは、面白くもあり、また怖いことである。書斎をせっせと整理したとか、友達とポーカー
をやって大勝ちしたとか、タクシーに乗って自宅に帰ったとか、後から指摘されても「ああ、そうなの」と言ってすまされる
ことならかまわない。しかし、女房の目の前でいきなりコカインを吸入したり、クラブで出会った見ず知らずの女とホテル
に行ったり、カラオケで差別替え歌をメドレーで歌ったりとなると、「いやー、意識がなかったもんで」ではすまされない。
フッと気づくとどこにあるのかわからないホテルの一室にいて、隣では顔も見たことのない女がグーグー寝てる。去年の
夏のことだが、このときは本当に驚いた。本人は、女との出会いさえ覚えていないのである。まあ、けっこう可愛い女子
高生だったからよかったが、これがお袋のよう年増のオバサンだったら生涯に残る遺恨である。
では、お終いに、睡眠薬大好きのお兄ちゃんお姉ちゃんと無知なマスコミに向け、ハルシオンに関する基礎データ及び
注意事項を列挙しておこう。
@翌日に全く残らないウルトラ・ショートのハルシオンは、現在手に入るベンゾジアゼピン系睡眠薬の中で最も優れた薬
剤である。したがって、悪用するものがいるからという理由でこれを非難するのは、間違いだ。それを言うなら、アルコー
ルも包丁も自動車も、この世にあるものほとんどが取締り対象になってしまう。要は、用い方なのだ。
A決められた用量を服用する分には、何10年連用しても心身に煙草やアルコールほどの害を及ぼすことはない。
Bハルシオンを含むベンゾジアゼピン系睡眠薬は、同じダウン系ドラッグである酒と一緒に服用すると作用が強化される。
呼吸停止の末に死亡といった不慮の事故を招きかねないので、細心の注意が必要だ。
(データハウス刊 青山正明・著 危ない薬より抜粋)

上記の表をご覧頂きたい。これが現在病院で処方される「睡眠薬」の主流、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬一覧である。
超有名なハルシオン(トリアゾラム)は超短半減期群に属し、入眠障害に効果がある。ワタシも現在はこのハルシオン0.25
mg錠と短半減期群のレンドルミン(ブロチゾラム)を別々の病院より処方されて服用している。どちらか一錠、もしくは各1錠
ずつをそのまま/アルコール併用/GHB併用で使用。1T/日しか処方してくれないので、1日に1Tと決めている。無くなっ
たら困るもの。
効きという点では、ワタシはユーロジン(中半減期)、アモパン(超短半減期)も処方された事があるので少し書き作る。
まず、最初に処方された睡眠薬がユーロジンで、あまりガツンと効かなかったし、2週間分14錠を4日間で使い切ってしま
い(衝動的薬剤摂取事件の為)、そのちゃんとした効果はわからない。またどこかで処方してもらおうかしらん。
次に処方されたのがアモバン。こいつは兎に角副作用がキツい。翌朝、口内が苦くて苦くて堪らなくなるのである。麦茶を
飲めないくらいに味覚が壊れてしまい、午前中は嫌な目に合う。1週間分7錠処方されたがこれも3日で使い切った。効きは
じめがユーロジンよりもはっきりと自覚できる、「睡魔」とは呼べない程度であるが。
そしてレンドルミン。あまり効きません。気休め程度に摂取します。
ハルシオン。とうとう処方して頂きました。「ハルシオン、出しとくから」と医者が言った時に小躍りしてしまいました。2週間
分14錠処方され、診察代込みで400円かからなかったのは凄く安い気がする。なんせ「リスロンS」なんて12錠で500円ぐらい
するし。一回5錠とかで。
ハルシオンの効きは前記3種と比べようもない素晴らしさ…とはいえなかった。プラシーボ効果出まくりというのがあって効
いてると思う。まあ、前記3種とハルシオンのどれを選択するかと言われれば迷わずハルシオンでしょう。錠剤のサイズも極
小で飲みやすい(と言うか、各種ビタミン類も含めると一回の摂取量が20錠を超える時もあるので苦にならない)し、前述の
プラシーボ効果もワタシ自身には期待大なので。また貰いに行かないと。