
タフでなければ南米で商売はできないようです。
南米から日本は遠い国でありまた金になる黄金の国とみな思っており、バイヤー達はどうかして日本へ売り込む何かを探し、売り手も一生懸命に自分達の商品を売り込んできます。私の友人は南米の地酒を日本の大手デパートから注文を受けかなりの量を買い付け、大喜びで「さすがYさん目のつけどころが違うねえ」などとおだてられ本人は御満悦で毎日ソロバン勘定をしながら「マイアミでフリオイグレシアスのような別荘住まいでもやるかな」などと皆に吹きまくり得意の絶頂でした。そういう夢のような毎日が過ぎコンテナが無事日本に着いて緊急連絡が入ったとき、Yさんは顔面蒼白で「なんちゅう事をしてくれたんだ」と絶句しそれから彼には悪夢のような日が続くはめになったのです。内容はその酒は750MLでラベルにも輸出書類でも明記されているにもかかわらず何と780MLあったそうです。税金上がる罰金くらう儲けどころの話でなく大損間違いなしと奈落の底に落とされ、毎晩いっしょに飲んで騒いだ地酒メーカーのオーナーに抗議の電話をしたところ彼は「日本人はアミーゴだからオマケしたのよ。気にするな次も多めに入れてやるから又買ってね」と全く日本の事情を知ろうとせず 「変な国だな日本って。多く入れて怒られたの初めてだよ」と逆に文句を言われたそうです。
そういう私もご多聞にもれずボリビアのインディアンが編んだアルパカセーターを日本の衣料メーカーにすすめたところ気に入られ「まずは二千枚から始めたい納期はどのくらいかかるのか?」と聞かれボリビア人に尋ねたところ「インディアンたくさん連れてくれば二ヶ月でできる簡単よ」と答えるので私も内心{Yさんの件もあるし信用してはいけない}と思いながら欲にくらみ「しかし安いから100枚位サンプルでやってくれ」と前金を渡しました。一週間もしないうちに100枚が出来上がりびっくりし出来栄えも素人眼からすれば良いものだと考えすぐに日本へ送りました。「これはひょっとするとヒットするかもなあ、あの模様もバラつきがあって手編みそのものだったし」などと一人でほくそえんでいました。やがて日本のメーカーからFAXで返事がきました。内容は「とても素朴なデザインだし柄もボリビアぽくって良い。しかし残念ながらあのセーターは日本では売れない。何故ならあのセーターの首周りは10歳くらいの子供しか着れないくらい小さい。インディアンってそんなに頭が小さいんでしょうか?今回見送らせて下さい。」とあり私もそういえば試してないと 慌てて頭を入れてみると確かに小さく頭部の先っちょしか入らないのです。眼の前にある山のようなセーターを気温40度近い真夏に汗をかきながら{これを誰に売ればよいんだろう}と考えるうちにまずはクレームをと思いだしボリビア人に「あんたねえ、誰があんな小さい首のセーターなんか買うんだ!首周り大きく編みなおせ」と言えば「編んでしまったら修正きかない、日本人頭大きいんだねえ」などと言われ「馬鹿やろう、編んでるインディアンに着せてみろ。あんなに小さい頭の大人がいるもんか」と怒れば彼は平気で「インディアンはセーター着ない」と答え成る程と感心していいやら自分のマヌケさに腹が立ちその仕事を続けることは断念しました。
日本でも昔はそうだったのではと私は予測するのですが最初は誰でも自分で何かを生産する時まさか自分の商品が海外に売られるとは考えたりせずまず自国の人を対象に物を作るのではないでしょうか?ラテンの彼らからしたら、「はあヨソの国ではあんなこと問題にするんだ」と考える程度で{買う人の立場にたって}とか{なるほどあの国に売る為には改良の必要があるな}というふうに思わず物事を人は人、自分は自分という考え方でそのスタイルは変更しない人が南米には多いですね。南米に来て「ここは宝の山だ」と考える人もいれば「絶対に南米の人と直接契約してはならない」と信用しない方いずれにしても商人はうたれ強いタフな人しか残れないようです。と言いながら人事では無いですよねえ、 私は大丈夫かなあ。
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