
飛行機に乗るのは命がけ?
前にブラジリアへ行ったときでしたか空港へ約5分後に着陸するとアナウンスがあり20分以上たっても空港上空を旋回するのに着陸しないのです。最初は滑走路が塞がっているのかなくらいに考えていたら下に消防車やら人がわんさか集まっているのが見え出し不審に思った乗客がスチュワーデスに尋ねたところ「飛行機は着陸体勢に入ってますが車輪が出ないので今燃料が無くなるまで飛んで、このままタイヤが出ないようなら胴体着陸をします」と言っているのです。{おいおい本当かよ}とさすがに私も青くなり回りの皆も頭と胸に十字をきってイエス様を拝んでいるのを横目に{南米まで来て死ぬのか、何でこんな所に来ちゃったんだろう?」と後悔しながら何とか爆発だけはしないでほしいと神様、仏様、イエス様に産まれてはじめて心から祈りました。
やがて機長より「今から着陸するので皆席にかがんでいろ!安心していい。もう燃料はないから爆発はしない」とユーモアのあるアナウンスがありその時間は何時間にも感じましたが、大きな擦るような音とともに飛行機は滑走路に止まりその機体は傾いて失神したかのように無事着陸してしまったのです。それから皆は待合室に降ろされまるで夢だったかのように放心しながらも、他の飛行機に乗せられ各目的地に手際よく連れられ{もしかしたらこんな事しょっちゅうあるのかな?}と疑問に思い冷や汗が出てきたのを今でも恐くて思い出すことがあります。
後はペルーでしたかナスカの地上絵を見に大学の卒業旅行で来ていた恩師の息子さんと一緒にセスナに乗ったときですが、そのころのペルー国際空港は滑走路がデコボコでその穴を避けながら滑走するためスピードがのらず5回くらい何度も助走するかのようにトライし、ようやく崖ぷっちから飛び立ったセスナはまるで血を吸いすぎた蚊のように重い体が辛そうに上下に喘ぎながら飛行していました。日本から来たばかりの学生はあまりの気色悪さに嘔吐し涙を流しているので私も気を紛らわせてあげねばとパイロットにコックピットのメーターを指差し説明させながら彼に通訳していました。ある右端のメーターがゼロとなっているので尋ねると彼は慌てて後ろを振り向き「いっけねえ!」といいながら急旋回し空港へ帰っていこうとしだしたのです。私も何かあったなと考え尋ねれば彼は「オイルが流れている、もう空だよ危ないぞ」と真っ青になり学生も何かあったと察し「どうしたんですか?何か慌てているようですが」と恐々聞いてくるので私は心配させてはいけないと「飛行ルートを間違えたようだな」と言えば彼は「おかしいよ!先まで太陽が右側にあったのに今は左にある。帰ってるんじゃないんですか?」となかなかするどい事をきくので「気のせいだろう」とシラをきり通しやっと飛行場に着き何とか無事着陸しパイロットと握手し抱き合い喜んでセスナから降りて説明を求めると「整備士がオイルのキャップをし忘れオイルが流れたんだな、エンジン焼けちゃうとこだったよ全く」と怒っておりそれを学生に伝えたら「もう嫌!なんでラテンってこういう事ばかりあるんですか?」と泣き顔で訴えてました。また後日ペルーで遭遇した彼のめずらしい災難の数々をこのコーナーで書きますが、彼はもう南米には一生来ないでしょうね、多分。現在は大学を卒業して先進国イギリスに住んでいるようですが。
これは私も経験したいトラブルですが私の友人が一週間後にアトランタで待つアメリカ女性と結婚式をあげに行く際でしたが私も飛行場まで見送りに行きました。その翌朝彼から店に電話があり何と 「いやあアトランタかと思って降りたら、ここはローマなんだよね。チケット見せたのにどうしたらいいかなあ?」と友人は困っており乗務員に代わってくださいと相手に聞くと「いやあ悪い悪い、便を間違えたんだなあ。でも心配しないでフランスとスペインよって彼は間違いなくアトランタに連れて行くから3日くらい旅行しながら帰ると彼に説明してくれよ、ホテルも食事代全部払うからネ」と言うので呆れて友人に伝えると「いやあラッキーだなあ!新婚旅行で使えないかなあ」とラテン系の彼は図々しくも言ってました、しかしアメリカ人と結婚しようとするなら英語でもアナウンスあったはずなのによく分からなかったもんだなあと今でも不思議でたまりません。いつもそのサンパウロ空港へ行く度{俺も間違えてローマかスペインに乗ってやるか}と考えてはいますが勇気がなくまだ実行に移せません。
南米の牧場主たちは、ほとんど自家用飛行機を持っており私の家の近所のヨーグルト屋さんに言わせれば「車なんか危なくて乗ってられないよ。俺は車で10回以上事故をして死にかけたが飛行機に替えてまだ一度もぶつけてない。」と胸を張って答えてます。当地イグアスの滝の何百メートル上空を客が喜んでくれるからと何度も旅客機で旋回しみんなから喝采をあびる喜びがやめられないというパイロットもいますが、その勇気というか無謀な行為に感心してしまいます。私も以前「お前なら10時間練習すればライセンスをやるぞ700ドルだ。」と教官に言われ、ためしに練習させてもらい離陸できるまではなったのですが着陸がとても恐くて何度やってもできませんでした。「やっぱりまだ俺の子供も小さいし、まだ死ねないからあきらめるよ」と断れば彼は「根性だせよ、危なくないって!離陸できれば着陸もできるんだよ一人で飛んでみな、着陸しなきゃ土は踏めないんだぜ」と言われ成る程男らしい考え方をするんだなと思いはしましたが、やはり今日まではまだ取得していません。南米で飛行機に乗るのは命がけなのです。
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