第三十三話 

 ラテンの男と女の関係


 「ラテンの人は熱い」と皆さん言われますが、確かにみていますとよくこれだけ「燃えるような人」がたくさんいるものだといつも私は感心しています。

 米国や日本では現在セクハラ問題で「今日も素敵ですね」「きれいな髪ですねぇ」等の言葉でさえもセクハラにひっかかると聞きましたが南米でこんな事言ってたら挨拶できない人達ばかりですね。道で通りすがりの女性に「ひえぇ〜なんてこったい!こんなに綺麗な女がこの世にいるなんて・・ディオス(神様)」 と呼びかけたり、たとえ親と一緒に歩いている美人にでも「私の義母さん(もう結婚する気でいるのが怖い・・)、あなたの娘さんは非常に美しい。お会いできて光栄です」と真面目な顔で話しかけています。また女性側も誉められるとはにかみながらも喜色満面で「ありがとう」と答えたりして抵抗もなくその男性と話しはじめるケースも多く見うけられますねぇ。また今頃は少なくなったらしいですが、「15歳になった女性の家にオレ達男がギターを持っていき、その娘の部屋に向ってセレナーデを弾いて歌ったもんさ。」と今、家で井戸を掘ってるガッツ石松さんみたいな顔した男がニヤつきながら自慢していました。こういう場合は両親も「やっとうちの娘も他の男性を惹き付けるような女になってくれた」と喜んで迎えてくれる美しい習慣もあったようです。

 私は昔あるアラブ女性と一時期付き合っていたことがあったのですが、やはりとても熱い人で誰かに「好きだ」と告白されると断るのが悪いと思うくらい優しい天使のような方でしたが、しばらくすると私より15歳上の男性を選び結婚すると告げられました。私はまだ27歳くらいでしたし、当分結婚なんてするつもりは無かったので身を引いたわけですが、一年後、道で偶然あった彼女に呼びかけられ「うちにご飯食べに来なよ。ウチの人紹介するからぁ」と誘われ気の進まないまま家まで連れていかれました。紹介された旦那には「昔、私の友人だった日本人」ということで不信感もなく歓待してくれたわけですが、私がなにげなく「しかしぃアラブ女性と結婚するのって宗教やら環境も違うんで大変じゃない?」と質問すると「ええぇ!うちの奴アラブ人なの?」とびっくりし{ヤベェ、秘密にしてたのか?}と私は焦ったのですが後の祭で彼は奥さんに「お前ってアラブ人だったの?」と訊ねたのです。彼女はさも当然と言う顔して「ええそうよ何故?結婚式のときうちの両親とあってしゃべってたじゃないの」と答えられ「ああそうだったな。へえあれがアラビア語なんだ、ふうん」とナニも無かったように又談笑し始めました。最後に彼が言った言葉が印象的でしたが「いいんだよ、なに人でも。ここに住んでここの言葉を話せたら同じ国民さ。愛がすべてよ」といい横にいた彼女を抱きしめていました。カッコイイなぁ〜使えるセリフだな〜でも日本人だと照れてちょっと言えないセリフだよな。と彼らラテン人が羨ましかったことを今でも覚えています。

 でもそうかと思うとくっついたり離れたりもとっても早いのですね。先日も6ヶ月ぶりに友人と道であい話し始めたところ横にいた彼女がどうも雰囲気がちがうのです。{目が青かったような、髪もマロン色だったしぃ声もなんか違うなぁ}と感じて彼に「彼女は前にあったときとイメージが違うね」と訊ねると急に彼はそわそわしだし「いやお前に紹介したのはオレの妹さ。よく似てるからな。はっはっは」と笑いでごまかし慌てて彼女を連れ去るように消えていきました。ちなみに彼は末っ子だったがなあ・・と思い共通の知人に訊ねたところ「100年前の話をすんなよ。とっくに別れたさ昔の彼女とは、今のはよく似てるけど違う女よう、バカだなお前は」とからかわれました、しかし前の彼女に「別れないで、お前がいないと俺はダメになるんだぁ」と泣いて懇願し私なんか{ばっかじゃないのコイツ。情けない女々しい奴だな、きっと嫌われるよ}と端から見ていると、なんとその彼女は可哀相と言いながら熱い抱擁をしたりして慰めていたのです。私が「イカン!男がメソメソ泣いて哀れみで気を引こうなんて」と思いながらドンファンのような女たっらしの多い彼らラテンの男が赦せなかった頃が6ヶ月前だったのに、もう別れてそれで又そっくりの顔した女性と付き合う・・・ううん火がついて消えて、火がなかなかつかなくなるとポイと簡単に捨てる¥100ライターみたいな付き合い方だな南米は、と絶句したものです。

 最近ビデオで日本のドラマを見ていてつくづく思うのですがカップルがちょっとした言動にすぐ傷つくんですね。いつも相手の心配をして、またただ話をするだけなのに考え込み悩みそして「こんなにしつこくしたらあの人に嫌われちゃうわ」なんて言いながら諦める。私なんか画面にすぐ感情移入してしまう人間なので「今かけろよ、そしたら解決するじゃないか!ばっかだなグジグジしちゃって」と怒鳴りながら見て自分の血圧あげているため妻や子供から「なに怒ってんの?ストレスたまるビデオなら消しなさいよ」と苦情を言われ「ううん、とっても面白いの」と続編のビデオを入れている私は完璧に変人と思われています。こういう時思うのですが南米では相手が何考えているか?しつこくして相手に嫌われないか?なーんて絶対考えてないんでしょうね。いつもポシティブです、よく彼らに「もし君が相手だったらどう思うだろうか?」と訊ねると決まって「人の気持なんて誰もわからないさ、ディオイス(神様)以外はね。だから考える必要はないんだ。人は誰でも産まれたときから愛されることが気持のよいことだって知っている。だから惚れてることを素直に表現すればいいんだ、そしたら相手も喜ぶだろ、あたりまえさ」とある男は私に言いました。58歳の彼は29歳の長男を頭に6人子供を抱えながら家には月に3回くらいしか帰ってきません。昔からそうでした、恋におちる回数が多く妻以外の女性に上のセリフで口説いて周っているのを私は知っているのです。

 でも分かりやすいですよね、ラテンの恋愛は裏読みの必要はないんですから。だからドラマはつまんないです、もう惚れた、ケンカした、別れた、うんぬん日常とまったく変わらず意外性がないです。やはりドラマは心の琴線に触れる言葉にならないやりとりや、また人間関係で悩んだりする内容の日本のが一番面白いですね。外人とも一緒に説明しながら見せると引きつけられるようで日本とラテンの男と女の関係がどれだけ違うか気づかされます、勉強になるなぁ。(と言いながら毎日、3本のビデオを続けて食い入るように見る私っていったいナニモの・・)  


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