第三十四話 

 海外で頑張るパラグアイ人


 先月、仕事でニューヨークへ行ってきました。妻の従姉妹や友人が出稼ぎでたくさん行っているので今回は夫婦で行ってみました。ラテン国から働きに米国へ行く場合メキシコ人はロサンジェルスが多くブラジル、パラグアイ人はニューヨークへキューバはマイアミとほとんど国別で分かれてくるのですね。

 あちらで頑張っている彼女らにお土産は何がよいかと訊ねれば、ジェルバ(マテ茶のお茶っぱ)5kg、コキート(棒状スナック菓子)3kg、ケソパラグアジャ(パラグアイ料理にかかせないチーズ)4kg、マンジョカ(ユカ芋)持てるだけというオニのような内容でしかも全て米国へ入国する際、禁止されているものばかりで泣きました。 でも何年も不法長期滞在してなかなか故郷に帰ってこれない彼女らが不憫で結局持って行ったのです、スーツケース一杯に積めて・・結局ケネディー空港ではノーチェックで通れましたが、やはり怖いものですね運びやさんの気持がよく分かりました。(空港検疫官のかた無申告でウソついてごめんなさい。商売ではありません、現在すでに彼らの胃袋へ入ったものばかりですぅ)でも生憎ニューヨークは記録的な猛暑が続き着いた日は摂氏38℃ホテルでスーツケースを開けた途端、プーンとチーズの生臭い匂いと袋が破れたようでコキートが茶まみれになりマンジョカ芋とぐしゃぐしゃに絡まりナニかのオブジェのように私の服の上に鎮座していました。おかげで私は8日間腐ったようなチーズとお茶のこうばしい香りいっぱいの服を着てニューヨーカー達からウゲっという顔をされる中歩いていたのです。(これって悲しすぎる・・)

 しかし頑張っていますねパラグアイ人は。もう8年近く滞在し残した家族に仕送りしてあげている女性がいました。主にベビーシッターとかお部屋掃除が多かったようですね。パラグアイ女性は家主がいなくてもサボらない又子供好きな娘が多いので需要は高いらしく要望に応じて親戚、姉妹なんかを呼び寄せているようです。英語を覚える必要がないし先の8年滞在している彼女はほとんど英語はしゃべりませんベビーシッターを任されている幼児にもスペイン語やガラニー語(当地のインディアン語)を教えて喜んでいます。またその両親も「これでこの子はバイリンガルだね!」と喜んでいる位で全く拘らず、夫婦で共働きし子供は任せぱっなし食事は夫婦だけで仲良く外食する。これが富めるアメリカの若き夫婦の理想像なのだそうです。でもいいですよ〜このパラグアイ女性は車も自宅もローンで買い週休二日とり週末は愛犬コリーを連れピクニック・・・日本でもそうですが仕事はたくさんあるのにえり好みしてキツイとか格好悪い仕事はしたがらないため結局外人さんがそういう仕事に従事し給料も悪くないわけです。

 昔、日本へ商品買い付けの為一時帰国する時よこにブラジル男性が座っており長い機中ですから雑談をしていました。私「どこに行くの?」男「ロスさ!嬉しくって眠れないよ。もう永住しちゃうもんね」私「仕事は決まってるの?誰か親戚でもいるのか?」男「ううん、まだ。いっぱいあるだろう親戚はいないけどウチの隣人がロスにいる友人の住所くれた大丈夫よ、ウン」と答え心配になった私は「あんた手に職はあるの?ブラジルでなにやってたの?」と訊ねれると彼は「オレはFORDという車の工場でネジしめてたの。給料一月80ドルだぜ。やってられないよ米国は給料高いんだってね〜そういえばFORDがアメリカにもあるっていったけど本当かな?ブラジルの支店なんだろうか?オレを雇ってくんねえかな?」とびっくりするようなことを言い片道航空券と全財産120ドルを見せてくれました。エライです!彼はフロンティアスピリッツがあります。きっと彼はアメリカで成功したでしょう、恐れや迷いが全くないのですね南米の方達は。前に知人のアメリカ人が私に「セツオ、向こうからやってくる人種はなんだか分かるか?」と訊ねるので見た目では欧米人かと思うけど・・と言えば彼は「NO!あれはブラジル人だ。今このNYで一番ヴィヴィットで元気がよく無茶やりながら成功しているのは彼らなんだ。昔はああいうヤツラがたくさんいたものさ今じゃUSピープルは皆こじんまりしやがってよ。やっぱ俺達はでけえ車ころがしてなきゃあハデに生きなきゃダメよ」とこの米国バブル景気が始まる前に話していましたが、その後ニュースでブラジル人がアトランティックシティでカジノ場をオープンし大繁盛しているとニュースでみていて、あのころ5番街をポルトガル語で大声で楽しそうに話しながら闊歩していたブラジル人を思い出しました。体格のよいアメリカ人が小さく見えたものなぁ〜

 私達はパラグアイにもどってからすぐ現在の給料、月250ドルで生活している妻の妹夫婦に海外で頑張るパラグアイ人で彼らの10倍は稼いでいる事実を伝え「北米に行かないか?夢があるぞ」と誘いました。すると彼らは二つ返事で「行く」と答えられ私らはあっけにとられました。「だって地続きじゃない。車でだって行けるんでしょ?イヤになったらバス乗り継いで帰ってくるわよ」ううん・・格好良いです。シビレましたね。こういうタイプが海外で成功するのです、多分。  


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