
南米の女性は不死身なのです。
そう考えていたら10年前に起きた事件を思い出したのですが、日本人移住地でビリヤードBARをやっていたHさんのお店で働いていた女の子がいまして、とっても愛らしい娘で愛嬌もあり男の子たちからも人気があって結構店は夜遅くまで流行っていたのです。ある夜閉店後、彼女を迎えにきたボーイフレンドの二人がかち合い喧嘩になったようで二股をかけていた彼女に怒った男性二人はなんとピストルを発砲したのです。それを止めに入ったHさんは頭に弾を受け倒れ彼らは慌てて逃走したそうです。その後まだ意識のあったこの娘は奥で寝ていた息子に「お父さんが頭を撃たれて倒れているから、急いで救急車を呼んで!」と血だらけの身体で知らせやがて来た救急車でHさんは町の救急病院まで運ばれたのですが二日たっても意識は戻らず医者がいうには「昔、何かの本で読んだが弾は頭蓋骨の周りを通過し、頭の中に残っていないように思う。ショックで寝ているだけだろうから明日退院してもいいよ」とバカみたいなことをいうので「ダメだオマエは。もういいブラジルに連れて行く」というと[どうして信じてもらえないのかなぁ?」なんてブツブツ言っているこの赤チン塗って包帯巻いただけのヤブ医者からブラジルの私の整形外科主治医(私自身が事故が多いので主治医と呼ぶ)に急いでトラックに乗せ連れて行きました。今思うと危険だったかな・・
ブラジルではこういう事件が多いのかその時の状況や患者の具合を見てこの医者は「間違い無く弾は頭内にある。ただ頭蓋骨で止まってるね、運がいいよ彼は弾は22口径だろう。おそらく流れ弾か至近距離から撃たれたんだろう弾に勢いがなかったんだな多分、それか弾が古くて火薬がしけっちゃてたんじゃないかなぁ」といい即座に手術せねば危ないと家族に伝えました。家族より「すぐにでも手術してほしいけどお金を全く持ってきていないんで幾ら位かかるのか訊ねてもらえないでしょうか?」と頼まれ私が交渉を始めたのです。「ええっとね麻酔医呼んで、頭も多分両側開けてみないと脳みそが衝撃で動いて反対側もダメージがあると思うのね。それから集中治療室入れて入院も何日かかるかなぁ〜どうだろう全部コミでで4500ドル!」というので私は内心{安いな}と思いつつ「高い」と言えば彼は「えぇキツイなぁ〜まっいいよ。セツオの客なら2500ドル。ウルチモ プレッソ(最終割引値段)」と交渉はまとまり(なんかいい加減な料金設定ですよね〜)一時間後に手術は始まり約7時間後に集中治療室にHさんは入れられました。
二日後にはすでに個人部屋に移っておりHさんは意識が戻り、マテ茶が飲みたいと頼んだようで医師と一緒に飲んで話までしていました。奇跡的な回復力で皆も喜びこの医師も摘出した先の裂けた弾を我々に見せ「安い弾だなブラジル製だよ、殺し屋なら使わないね。鉛も柔らかいので先が裂けて頭蓋骨で止まったのさ。記念にネックレスにでもしろよ」とHさんにあげ「しかしその知らせてくれた娘はどうしたんだ?命の恩人じゃないか?連れて来てやるべきだと私は思うが」というので全く存在を忘れていた我々もその通りだと彼女の家まで急いで行ったのです。そしたらなーんと彼女は傷口にバンドエイドを貼って家で洗濯を手伝っていたのですね〜(この娘は映画タミネイターに出演できましたね、きっと!)その平然さに唖然としてしまった私が具合を訊ねれば「頭がちょっとボーっとするけどもうあまり痛くないわ」という彼女を急いで病院に連れていき早速レントゲンを撮ってもらいました。驚くべきことに頭に2発、背中に4発、でん部に1発で合計7発もの弾が彼女の身体に入っており即座にまずは頭の2発だけ摘出したのです。医師は「しっかし堅い頭蓋骨だよねヒビも入ってないよ。残りの5発なんだけど時間がたっているんで肉の中にめりこんじゃってるんだよ。これを取るのはメスで切らなきゃいけないんで女性に傷を残すのはイヤだな。ほっとけばこの娘は若いから1ヶ月位で肉が押し出して弾が出てくるよ、それを引きぬいたらどうだろうか?傷も残らないし手術代もかからないよ」とこの人の良い医師は言い娘も「痛くないんだったら、その方法がいい」と答え、彼は「それがいいよね。きれいな背中してんだから。でも雷がなってるときは外出しないほうがいいぜ、雷が落ちちゃうからな。今度は死んじゃうぞ〜」と脅せば彼女は「はっは、それって笑えるわね」と爆笑していました。(いったいナンなのでしょうか?この人達って。こんな恐ろしい事にまったくビビっていないのね・・・)
これには後日談があり数ヶ月くらいすると彼女は新しい彼氏と街を歩いており私を見つけると「見てみて!あの医者が言ったとおり弾が出てきたのよ。自分で取れる弾は自分で取って手が届かない所は彼にとってもらったのよ。傷口みたい?」というので「ありがとう。でもぼくはいいよ、人の傷口見るのは苦手なんだ」と応えれば彼女は「ウソよ、彼氏がいるのにあんたに背中見せれるわけないでしょ」と言いながら彼氏といちゃつきながら楽しそうに去っていきました。「魔性の女だな。しかしぃ・・彼女を撃った元彼氏(現在も逃亡中)が彼女を見たら幽霊かと思うだろうなぁ。」「女は強いよ全く」と南米で逞しい女性を思い出すたびやっぱり女性の方が生命力が絶対強いと確信し二人の女性の再起を願っています。まっ、この二人はまず簡単には死なないでしょう。間違いありません年々ひ弱くなる日本の男たちは、このような逆境に強く血や傷をみるのも平気な彼女らを見習ってもっと逞しくならねばなりませんね。(ヤだよぅ〜そんな体験したくない。という声が・・)
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