第四十九話 

 南米での日本食屋


 南米に住んでいますと肉がメインの料理ばかりで若いときでしたら「肉ばかり食べれるし幸せだなあ」と喜んでもいられたのですが、毎日毎日噛み応えのあるスルメのような硬い肉ばかり食べていますと段々日本で食べていたあの薄い柔らかい肉が懐かしくなり、できれば魚が食べたいもう肉はたくさんだ日本料理が食べたいとなってくるようです。また日本から旅行で来られる皆さんはほとんどと言って良いほど滞在中の数回は日本食レストランを望む方が多いようです。そして実際その日本食を食べてみて、その味にがっかりし呆然としあるいは腹をたてる人も多いのが現実なのです。

 私が今まで食べた内でこれだけは絶対に日本では食べられないなと確信したのはイグアスの滝がある町のレストランで出た「うどん」でした。ウェイトレスがお盆にのせて運んで来る時からすでに異常は感じていたのですが、そのうどんは丼の高さと同じくらいに中身がはみ出ていました。テーブルに置かれたとき私はそれがなんであるか果たして自分が頼んだものなのか判断するのも困難なほどでした。うどんの汁がみえないほどにあふれ出たうどん。その上にハム。そのピンク色の上にブロッコリの緑とカリフラワーの白も鮮やかに仲良く並んでいたのです。震える手で割り箸を取りうどんをすくう段階でちぎれてしなうほどの歯茎にやさしい硬さ?また汁は生ぬるくその味はなぜかトンコツ。もうどうやったらこんな味がだせるんだ!と叫びたい気持ちを押え何とか半分食べ(残すともったいないという性分のため)代金払いました。いくらだと思います?10ドルです。絶句・・・。

  次の大関クラスはマナウスで食べた「てんぷら」でした。とにかくデカイ。両手を広げて円を作ったくらいの皿に盛られた、ころころした芋。レタス。トマト。肉類。ピラニア。ピラルク。これらを包んだコロモが身の厚みの倍くらいあるのです。また粉っぽい。そのテンプラの付け汁はマギーのコンソメスープ味に醤油と大根おろしが入れてありました。この味はもう表現できません。またしたくもありません。それでも四分の一食べて腹いっぱいになり、支払いしました。12ドル。声なし・・・。

 支払いしました。12ドル。声なし・・・  関脇クラスでいえば「すきやき」ですね。ベーコンが入っています。またシラタキの代わりなのか即席ラーメンの麺が入っていました。野菜は白菜の代わりのキャベツやブロッコリがテンコ盛り。肉は高級なヒレ肉が一回で噛み切れないほどの厚さと量で口の中でもごもごするためナイフを頼む。鍋にラードを塗らずバターを使うのですべてバターくさい。極めつけはワリシタが何故かしょっぱい。。。。代金は18ドル払ったです。このワースト3の料理は今でも忘れたくても忘れられない口の中にあの味と香りが広がりその奇妙で想像を絶する味とあの高い料金設定に眼から悔し涙がにじみ出てこめかみが痛くなってくるほどです。

 あと人から聞いた話だと握り寿司のシャリの中にタラコでもいれるようにワサビを入れた手のかかるものや炊きたてのシャリだったのか口に入れた瞬間口の中をやけどしそうになるほどのホカホカの握り寿司食った人もいます。またもっと悲しいのは海外ではそういう店は 外人に流行っているという事実です。結構そういう店って日本人はいなくても外人で賑わってますね「日本人なんか相手にしてないんだもんねえ〜いいんだよ来なくって。」というオーナーの態度みえみえです。でも海外でああいうのが日本食と誤解されることを思うと悲しくって情けなく また店を選ぶことにハズれた自分が哀れで。でもそういって文句いう人に限ってぶーぶー言いながらまた性懲りもなく新しい日本食屋ができたら行くんですね。それは私です。 注意)これら内容にそっくりの料理。また似たような味の体験をされた方がもしおられましたらそれは単なる偶然ではないことをお断りしておきます。

 


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