洋菓子ちょっといい話
エクレア カトル-カール ガムシロップ ザッハトルテ シフォンケーキ 
シュークリーム ショートケーキ ティラミス パイ パリ-ブレスト 
フィナンシェ
 プチフール プリン マスカルポーネ ワッフル

エクレア(仏語・英語 eclair)

フランス語でエクレアは、「稲妻、閃光」を意味する言葉です。ドイツでもブリッツ(稲妻)クーヘンと呼ばれるくらいなので、やはり稲妻と深い関わりがあるのがよく分かります。この由来には、一説に<稲妻のようにサッと食べなさい>という意味があるからだといいます。そうしないと、クリームがシューの端からこぼれてしまうからです。また、焼きあがったシュー生地に亀裂が入ったところが、稲妻にそっくりなことから、この名前がついたという説もあります。

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カトル-カール(仏語 quatre-quarts)

英語ではパウンドケーキ(pound cake)と呼ばれるポピュラーなバターケーキ。カトルは「4」、カールは「4分の1」。これは製法をあらわした名前で、小麦粉、バター、卵、砂糖の4種類の材料をを4分の1ずつ使って作ることからつけられたのです。同様に、パウンドケーキというのも、4種の材料を1ポンド(1pound=454g)ずつ使って作るという意味。レシピをそのまま名前にしてしまうなんて、ちょっと大胆ですよね。

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ガムシロップ(英語 gum syrup)

よく「ガムシロ」といったりしますが、もちろん「ガムシロップ」の略語です。砂糖液を煮詰めたもので、冷たい飲み物に甘さを加えるための調味料です。英語で「gum」といえば、チューインガムのことを指しますが、もうひとつの意味として「ゴム」というのがあります。ガムシロップの語源としての「gum」は、ゴムにあるようです。というのも、昔は、シロップにアラビアゴムを加えて作っていたというのだから、ちょっと驚きです。ただ、ゴムというのは、本来、ゴムの木の樹液から作っていたものですから、植物性のものと考えれば、食品に入れても不思議はないですね。アメリカにはガムドロップなるものもあるらしく、これもアラビアゴムやゼラチンで作られたキャンディーです。

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ザッハトルテ(独語 Sacher torte)

オーストリアの首都ウィーンには、ホテル・ザッハというホテルがあるそうです。1876年にエドヴァルト・ザッハが開業した、この由緒あるホテルで売られているのが元祖ザッハトルテ。これは、エドヴァルトの父・フランツ・ザッハがオーストリアの宰相メッテルニヒ公の命により作られたもので、そのあまりのおいしさにレシピを門外不出としたそうです。しかし、その後、ホテル・ザッハと、ウィーンの名門菓子店デメルとの間での婚姻縁組みがあり、製法が伝わって、デメルでもザッハトルテを売り出すようになりました。ホテル・ザッハはこれに対して、後に「甘い7年戦争」といわれて有名になった訴訟を起こしましたが、今では両者なかよく売っているそうです。

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シフォンケーキ(英語 chiffon cake)

今やどこの喫茶店でも見られるほどポピュラーになったシフォンケーキ。手軽に作れてしかもふんわりした生地のおいしさが、万人に受け入れられたからなのでしょう。シフォンというのは、このきめこまかく柔らかい生地が、まるでシルクのようななめらかさをもっていることから付けられた名前です。でも、このシフォンの語源をたどっていくと、それは仏語にあるようで、その意味は「ぼろきれ」というまったく逆の意味になってしまうのですが・・・。

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シュークリーム(造語)

シュークリームという言葉・・・一見、英語のようでもありますが、実は造語です。シュー(chou)がフランス語で、クリーム(cream)が英語。フランス語では「シュー ア ラ クレーム」、英語では「クリーム パフ」とうのが正式な名称です。16世紀にフランスで広まったこのお菓子は、実はイタリア生まれのもの。大富豪メディチ家の令嬢カトリーヌがフランスに嫁いだ際、引き連れていった侍従たちの中に、ポプランという菓子職人がいました。彼が作ったお菓子の中に、キャベツ(仏語でchou)に似た形のおいしいお菓子があったのです。それが「シュー ア ラ クレーム(クリームのようなキャベツ)」と呼ばれるようになり、今に伝えられたということです。

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ショートケーキ(英語 short cake)

日本人にもっともなじみのあるケーキといえばショートケーキ。生クリームといちごのケーキが“ショート”とは、これいかに。実は、“ショート”という語には「もろい」という意味があるのです。これはイギリスのパウンドケーキのようにどっしりとしたものとくらべると、ふわふわして崩れやすいスポンジケーキを使っていることからついた名前だということです。生クリームもいちごもいたみやすくもちが悪いですしね。イギリスのスコットランド地方では、花嫁が初めて家に入るとき、バタークッキーを頭に当てて割るという伝統があるそうです。このクッキーの名前がショートブレッド。割れやすいようにもろく焼いていたお菓子です。また、これとは別に、ショートニングを使ってスポンジを焼いたことからつけられたとする説もあります。

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ティラミス(伊語 tiramisu)

フレッシュクリームチーズ「マスカルポーネ」に生クリームを混ぜ、ココアパウダーをふりかけたイタリア発のお菓子。女性誌が火付け役となって、1990年頃大ブームとなったケーキです。ティラミスをイタリア語として解釈すると、「tira(引っ張る)」「mi(私を)」「su(上に)」という文章になります。英語でいえば“Pull me up!”。日本語では「ハイな気分にさせて!」といったところでしょうか。スポンジにコーヒーリキュールをひたしてあることから、アルコールがほんのりといい気分にさせてくれるということを表しているのでしょう。

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パイ(英語 pie)

pieというのは英語で鳥のカササギのことをいいます。カササギは、いろんなものを集めてくるのが好きな鳥なんだそうです。パイ生地にフルーツでも肉でもなんでも詰め込んでしまうのが、そんなカササギの習性に通じるところがあったから、パイという名前がついたのだといわれています。パイ自体は、古代エジプトの頃より似たようなものがあったようですが、これほどまで一般的になったあるエピソードがあります。フランスの菓子職人クロード・ジュレがケーキを作るときに小麦粉にバターを入れ忘れ、あわててバターを挟み込もうとしてできたのがパイでした。これが思いのほかおいしく、それからパイのおいしさが認められるようになったのです。お菓子作りに失敗はつきもの。でも、失敗したお菓子が意外やおいしかったら、それはまた新しいお菓子として生まれ変わるかもしれませんよ。

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パリ-ブレスト(仏語 paris-brest)

お菓子の名前に地名を冠しているものは少なくありません。このケーキもフランスの街の名前からとったのは、一目瞭然。パリとブレスト----フランスのふたつの都市名を「-」(ハイフン)でつないだ、まるで定期券のような名前----は、1891年、パリとブレストの間で行われた自転車競争を記念して作られた、というのがもっとも有力な説です。シューの形が大きなリング状になっているのは、自転車の車輪を模したもの。それを最初に作ったのは、パリのお菓子やさんでしたが、後にプレストのお菓子やさんも作るようになったとか。長野オリンピックを記念して長野五輪まんじゅうを作った・・・というのに近いですね。今も昔も商魂たくましい人はいるものです。また一説には、パリ発ブレスト行きの列車の中で出されたのが始まりだともいわれています。パリ-ブレストには、普通、リングシューの上にアーモンドスライスをふりかけ、中にはクリームプラリネが詰められていますが、アーモンドが無く、クリームにシブーストを使ったものは、パリ-ニースと呼ばれます。

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フィナンシェ(仏語 financier)

アーモンドパウダーの生地を長方形の型にいれて焼いた焼き菓子。結婚式の引き出物などでよく添えられています。“financier”という語には元々、「財界人」とか「お金持ち」という意味があります。英語のファイナンスなんて言葉を思い浮かべてもらうとわかりやすいですね。これは、フィナンシェの形が金の延棒に似ていることからついた名前なのです。結婚を祝っていただいたお礼に持ち返っていただくお菓子としては、まさにうってつけ(?)ですね。

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プチフール(仏語 petit four)

小さな小さなお菓子ーープチフール。一口で食べられるほどのサイズは、ちょっとだけ甘いものを食べたいというときにはうってつけ。プチは、小さい。フールは、窯。つまり、プチフールとは小さいオーブンという意味です。中世のヨーロッパで、小さなお菓子用のオーブンが開発され、それを使って作られたお菓子をプチフールと呼ぶようになったという説があります。

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プリン(日本語)

プリンというのは、プディング(pudding 英語)の日本語なまりだということは、皆さんご存知だと思います。正確に言えばカスタードプディング(custard pudding 英語)。別名キャラメルカスタードともいいます。日本に入ってきて「プリン」と言い換えた人は素晴らしいですね。形からして“プリン!”ですから。・・・と思ったら、一説には、食品会社がプリンの素を発売するときに、その形状からつけた商品名ではないかとする説もあるのだそうです。ちなみに“pudding”の本来の意味は、でん粉ベースのものを袋か型にいれ、ゆでる、蒸す、焼く、冷やすなどして固められた食べ物を指す言葉です。だからお菓子だけでなく、いろいろなプディングがあるのです。古くは腸詰めの一種などもプディングとされました。プリンの歴史をたどると、ヨーロッパが船団を組んで世界中をまわった時代に、船に残った余りものに卵などを加え、布巾で包んで煮たのがプディングの始まりだといわれています。

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マスカルポーネ(伊語 mascarpone)

ティラミスの材料で一躍有名になったイタリア産のチーズ。その起源は12世紀までもさかのぼります。1168年に著されたイタリアの書物には、コモに伝わる逸話として次のようなお話が載せられているということです。あるチーズを食べたスペインの提督、そのおいしさに思わず「Mas que bueno!」(何と素晴らしい!)と叫んだ・・・。ということは、語源はスペイン語ということになってしまいますね。ただ、これ以外にも、マスカルポーネにリキュールやラム酒を混ぜて食べたことから、チーズの味を「マスクする(覆いかくす 伊語 maschere)」という語から派生した言葉だという説もあるなど、諸説あって、どれとは決まっていないようです。


ワッフル(英語 waffle)

ベルギーワッフルのヒットで、いまどきのお菓子になったワッフル。英米では身近なおやつとして親しまれています。このワッフルという言葉の語源には「無駄話」という意味があるそうです。少女たちが集まってわいわい騒ぎながら食べるのにちょうどいいお菓子ということですね。なお、ワッフルの親戚にゴーフルというフランス菓子がありますうが、どちらも模様のついた焼き型で挟んで焼き上げるという点で、共通しています。

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