
★男性生殖器の働き★
成熟した男性の睾丸では、精子と男性ホルモンが作られています。男性ホルモンは生殖器の発育そのものと、第2次性徴の促進あるいは性欲の促進をするといった機能を持ち、性活動に欠かせないものです。睾丸で作られた精子は、精管に流入するまでに数週間の間、副睾丸で蓄えられ、副睾丸の作用で生殖のための力を熟成されます。このようにして蓄えられ成熟した精子は、やがて精管を通って精嚢に運ばれます。精嚢では精子をさらに活性化させる精嚢液が分泌されています。また、前立腺からは精液が分泌され、射精によって精嚢線から出てきた精子を包んで活動的にします。一般に言われる精液は、精嚢と前立腺の分泌液が混じったものです。
★勃起と射精★
陰茎には多くの血管があり、沢山の細い血管が海綿体の中にあります。性的に刺激を受けて興奮すると、多量の血液が海綿体の中に注ぎ込まれ、陰茎は勃起します。陰茎の海綿体に血液を送る動脈には弁があり、普段はこの弁が閉じているので陰茎に血液は送られませんが、性的興奮によって自律神経が作用し弁が開きます。陰茎が勃起して、敏感な亀頭が物理的に刺激され続けると、それが脳に伝わり、ある時点で脳が指令を出して精嚢や前立腺に蓄えられている精子や精液が同時に射出されます。これが、射精です。尿道は精液と尿の両方の通路となっているので、精液と尿が同時に通る事のないように射精のときは膀胱の出口が閉じるようになっています。
★男性生殖器の病気★
男性生殖器の病気には性病などの感染症もありますが、生殖器官そのものの病気としてもさまざまなものがあります。陰茎の病気としては、勃起しても亀頭が露出しない真性包茎や性欲があって刺激を受けても勃起しないインポテンツなどが代表的です。陰嚢や睾丸の病気では、ホルモンの分泌不全による睾丸機能不全などがあります。精管、精嚢、前立腺などの病気として最も多いのは前立腺関係のものです。前立腺肥大症、前立腺炎、前立腺癌などがよくおきます。また、生殖器官だけでなく性欲、性交、射精、オーガズムなどといった性機能のどれかに障害がある場合もあります。
★急性前立腺炎★
受診科/泌尿器科
{原因}
主に尿道からの細菌の感染でおこる前立腺の炎症です。細菌としては淋菌や大腸菌、ブドウ球菌などです。過度の飲酒や座ったままの姿勢が前立腺を充血させておこる事が多いようです。悪化すると膿がたまることもあります。
{症状}
前立腺が充血して腫れ、排尿の終わる頃に会陰部(えいんぶ)や下腹部にジーンとする痛みがあります。進行すると頻尿や尿の濁りあるいは血尿が現れます。悪寒、発熱、頭痛などの全身症状を伴う事もあります。
{治療}
全身症状が現れれば入院して抗生物質や抗炎症剤あるいは鎮痛剤などを使用します。
★慢性前立腺炎★
受診科/泌尿器科
{原因}
前立腺の炎症が慢性化している状態です。急性前立腺炎が慢性化したものと、最初から慢性前立腺炎として発症するものがあります。ストレスでもおこる事があります。
{症状}
軽いものは自覚症状がないこともありあす。症状があるものは急性のものと同じように、排尿のときに会陰部や下腹部に痛みがあります。
{治療}
抗炎症剤や抗生物質あるいは精神安定剤を使用しますが、治るまでには数ヶ月以上を要します。
★前立腺肥大症★
受診科/泌尿器科
{原因}
前立腺の中にしこりが沢山出来てきて、長い間にだんだん前立腺の中を通っている尿道を圧迫して排尿障害をおこすものです。前立腺の肥大そのものは中年を過ぎた男性のほとんどに見られるもので、老化によって男性ホルモンの分泌のバランスが変化する事と関係があるのではないかと言われています。その一部に治療が必要となります。また、放置すると水腎症や腎不全を合併する場合もあります。
{症状}
最初は尿が出るまでの時間がかかったり、尿に勢いがなくなったりします。残尿が増えて、夜間に尿意を感じてしばしば目覚めるようになります。急に尿閉になる事もあります。
{治療}
初期は排尿促進作用のある薬物療法を行いますが、症状が進行すれば内視的に、あるいは下腹部を切開して切除するなどのいろいろな治療方法があります。
★睾丸炎★
受診科/泌尿器科
{原因}
ウイルスや細菌の感染によって睾丸に炎症がおこるもので、急性と慢性があります。いわゆるおたふく風邪になると感染する率が高くなります。
{症状}
睾丸の一部分が赤く腫れて痛むほか、激しい悪寒とともに発熱します。じっとしていてもひどく痛みます。慢性になると痛みはないものの、睾丸が徐々に腫れて大きくなります。
{治療}
急性の場合は抗生物質や消炎鎮痛剤を使用します。膿がたまった場合は切開手術をして取り除きますが、ひどい場合は睾丸を摘出します。慢性の場合は手術で睾丸を摘出することが多くなります。
★陰嚢水瘤(いんのうすいりゅう)★
受診科/泌尿器科
{原因}
先天的あるいは睾丸や副睾丸の炎症や腫瘍などで、睾丸周囲の膜の中に液体がたまるものです。
{症状}
この病気は痛みはありませんが、陰嚢が腫れて大きくなるので不快感があります。
{治療}
たまった液体が大きなものは針を刺して液体を抜くか、切開手術をします。
★精管炎★
受診科/泌尿器科
{原因}
精管に細菌が感染するものですが、たいていは前立腺炎や副睾丸炎などを合併しています。
{症状}
悪寒と高熱を伴い、陰嚢が腫れて痛みます。
{治療}
急性の場合は抗生物質や消炎鎮痛剤を使用します。慢性になると手術も必要です。
★包茎★
受診科/泌尿器科
{原因}
幼児の頃は性器先端の亀頭は包皮で覆われているのが普通ですが、成長すると包皮が根元の方へ反転していって亀頭が露出していきます。成長してからも亀頭が包皮で覆われているものが包茎です。
{症状}
どうやっても亀頭が露出しないものが真性包茎で、勃起したときや、手で動かせば包皮が反転するものを仮性包茎といいます。真性包茎は排尿障害をおこすこともあり、仮性包茎でも包皮と亀頭の間に恥垢(ちこう)といって、白いあかの一種をためたままにしておくと、亀頭包皮炎や陰茎癌などの原因になる事があります。
{治療}
排尿障害があったり、思春期以降の真性包茎の場合は、切開手術を行います。
★亀頭包皮炎★
受診科/泌尿器科
{原因}
亀頭や包皮の内側を不潔にしていたり、恥垢がたまっていたり、淋菌が感染したりする事が原因でおこる炎症です。小児や包茎の人のように、亀頭が露出していない場合にかかりやすくなる病気です。
{症状}
亀頭や包皮内側が赤く腫れたりただれたりします。膿がたまったり排尿痛があることもあります。
{治療}
小児の場合は抗生物質を含む軟膏を塗ったり、抗生物質を内服すれば数日で治ります。
★尖圭コンジローム★
受診科/泌尿器科・皮膚科
{原因}
性器の包皮や亀頭、あるいは陰嚢や会陰にコンジロームと呼ばれる小さないぼが出来るものです。多くは性交によるウイルス感染が原因です。
{症状}
米粒大のブツブツのようないぼが1個から複数個現れます。放置しておくといぼが大きくなるだけでなく、炎症をおこして痛むようになります。
{治療}
軟膏を塗ったり、メスで切除したり電気で焼きます。
★インポテンツ★
受診科/泌尿器科・精神科・心療内科
{原因}
かつては広く性機能障害を示すものでしたが、今は勃起不全で性交に困難をきたすものを言います。原因としては精神的なものと、神経系障害や血管系障害、糖尿病などの器質的なものに分かれますが、さまざまな精神的要素が原因となるケースが多い病気です。
{症状}
勃起しないか、勃起しても膣に挿入して性交するほどの力がなくなります。
{治療}
器質的なものであればその原因を取り除く治療をします。精神的なものならその原因となる精神状態を解消するようにします。また、注射をして海綿体への血液流入を活発にする方法や、手術をしてシリコン製の支持具を陰茎に埋め込む方法などもあるようです。
★最後に心因性のインポテンツについて★
男性って、強そうに見えても、ハートはとっても繊細(//∇//)
悩みすぎや、思い込みには気をつけようね。
何でも話し合えるお友達や恋人を持って、ストレスのない毎日を 過ごして下さいo(≧∇≦)o
インポテンツは精神的なものが大きく影響しています。心因性のものには性器が小さいなどの劣等感や、新婚初夜や初体験において緊張しすぎる事などがあります。比較的性交経験の少ない人によく見られますが、その失敗が、次もまた失敗するのではないかという不安に変わってなかなかインポテンツが治らない場合もあります。糖尿病になるとインポテンツになるといわれていますが、最近では糖尿病そのものより、「糖尿病になってしまった」という精神的ダメージが影響していると考えられています。また、このところ多くなっているのが、前立腺肥大の手術をするとインポテンツになるのではないかというものです。実際には手術でインポテンツになる事はありませんが、性器の手術をしたという事を重く考えて、そのために本当にインポテンツになってしまうのです。あまり余計な心配はしないほうがいいようです。
男性生殖器に関することはこれでお終いです。