ごちゃまぜ漢字(未完成)

はじめに

未完成。おそらく永遠に未完成。

ここでは、いわゆる「旧字」が多く出てくる。でも、「新字が駄目だ」とか、「旧字を使え」とか、そんなことは思わない。「旧字は難しいから使わない」というのもわからないでもない。国の国語政策を批判するつもりもない。

でも、漢字を本来の意味とは違うところで使ったり、混同したりするのは、どうにもやりきれない。どうせ使うにしても、せめて代用字であることを知った上で使いたい。

以下、勉強がてら、近ごろ混同されがちな(私がそう思い込んでいる)漢字を挙げてみる。山ほどあるので、気が向いたときに追加していくつもり。勉強中なので間違いもあると思う。ご指摘はいつでも大歓迎。

全部「旧字」で書きたかったが、JIS に無い字もあるのでやめた。原則新字を使い、必要に応じて旧字(拡張新字体?)を使う。旧字と新字が並んでいて気持ち悪いが、まあいいや。

ごちゃまぜ漢字

近頃は先頭に挙げた字で代用する場合が多い。

暗・闇・諳
「暗」は日が暮れてくらい。暗雲。
「闇」は門を閉じてくらい。闇室。
「諳」はそらんじる。諳記。
回・廻・蛔
「回」は周りを囲む、もどす。数を表す。回避、回想、第一回。
「廻」はめぐる。廻転、廻廊
「蛔」は寄生虫。蛔虫。
害・碍
「害」は損なう、傷つける。害虫、災害。
「碍」は妨げる、妨碍、障碍。
画(畫)・劃
「画(畫)」は筆で描く。図画、画像。
「劃」は区切る、分ける。区劃、企劃、劃期的。
格・挌・骼
「格」はきまり、位。規格、品格。
「挌」は打つ、殴る。挌闘。
「骼」は骨。骨骼
奇・綺・畸
「奇」はふしぎ。奇妙、奇異。
「綺」は美しい。綺麗、綺談。
「畸」は整然としてない。畸人、畸形。
御・禦・馭
「御」は治める、あやつる。御意。
「禦」は防ぐ、とどめる。防禦・制禦。
「馭」は馬をあやつる。馭者
芸・藝
「芸」は香草の名前。読みは「うん」。
「藝」は植え育てる。技。園藝、藝術。
欠・缺・闕
「欠」はあくび。読みは「けん」。欠伸。
「缺」は欠ける、壊れる。缺陥、缺損。
「闕」はあるべきものがない。闕如、闕席。
広・宏・弘・曠
「広」はひろい。広義、広範囲。
「宏」はひろい、大きい。宏大。
「弘」はひろめる、行き渡らせる。弘報。
「曠」はひろい、何もない。曠野。
座・坐
「座」はすわる場所。座敷、一座、星座。
「坐」はすわる動作。すわっていること。坐禅、坐視、坐礁。
集・輯・聚
「集」はあつまる。
「輯」は材料をあつめる。編輯、特輯。
「聚」は人があつまる、あつまった品物。聚落、類聚。
順・遵
「順」は思うとおりになること。逆らわないこと。順調、順応。
「遵」は規則に従うこと。遵守。
嘆・歎
「嘆」は悲しむ。嘆息、悲嘆。
「歎」は感心する、ほめる、情に訴える。詠歎、歎願。
張・脹
「張」は平面的。拡張、伸張。
「脹」は立体的。膨脹。
抵・牴
字義はほぼ同じ。
「抵」は手で押しのける。抵抗。
「牴」はさわる、ふれる。牴触。
編・篇
「編」はまとめる、編む。編集、編曲。
「篇」はひとまとまりの書き物、その単位。前篇、第一篇。
弁・辨・辯・瓣
「弁」はかんむり。武弁。
「辨」はより分ける、用立てする。辨証法、辨償、辨当。
「辯」は話す。辯護士、辯明。
「瓣」はべん。花瓣、安全瓣。
模・摸
「模」は手本をまねる。模型、模範。
「摸」は手さぐりでまねる。摸索、摸造。
余・餘
「余」は一人称代名詞。
「餘」はあまる、残る。餘剰、餘韻。
欲・慾
「欲」はほしがる。欲求、意欲。
「慾」もほしがるだけど、多欲、私欲について用いる。強慾、慾情。
両・輌
「両」は二つ対になったもの、金銭の単位。両方、千両箱。
「輌」はくるま、車の単位。車輌、八輌編成。
連・聯
「連」は続く。
「聯」は組み合わさる、対になる。関聯、聯盟、聯絡。

ごちゃまぜ語

こちらのは、代用される向きもあるが、まだまだ生き残っているように思う。

いう・言う・謂う・云う
「言」はしゃべる。彼女は〜と言う。
「謂」は称する。ここでは〜と謂うことにする。
「云」は同類。それは〜と云う意味だ。
格好・恰好
「格」は「ごちゃまぜ漢字」のとおり。
「恰」はちょうど。「恰好」はちょうどよい。
決める・極める
「決める」はきっぱりと切り分ける。決定、決裂。
「極める」は約束、とりきめる。月極め、取り極め。
仕合・試合
「仕合」は双方で同じことする。
「試合」は技量をためす。
支度・仕度
「仕度」は借字らしい。
例えば・喩える・譬え
「例」はならわし、決まり、同じような仲間、手本。慣例、条例、例外、例題。
「喩」はさとす。隠喩。
「譬」は似たものを引き合いに出す。譬喩(→比喩)。
嘆く・歎く・慨く
「嘆」、「歎」は「ごちゃまぜ漢字」のとおり。
「慨く」はたかぶる、いきどおる。感慨、憤慨。
残る・遺る
「残る」は余ってのこる、しいたげる。残留、残酷。
「遺る」は後にのこす。遺産、遺児。
比喩・譬喩
「比」は並べる。比較。
「譬」は似たものを引き合いに出す。譬喩。
ひらく・開く・拓く・披く
「拓く」はきりひらく、押しひろげる。土地を拓く。
「披く」は手でさくようにひらく、人前に出す。本を披く、お披露目。
世論・輿論
「世」はよのなか。世代をまたぐという語感。
「輿」は大衆(もと車の意味)。
「与論」は地名。「余論」は別の意味。
理屈・理窟
「屈」はかがむ、くじける、詰まる、強い。屈伸、屈辱、窮屈、屈強。
「窟」は穴倉、すみか。洞窟、巣窟。

おまけ(過去になかった使い分け)

著・着
「著」「着」は、古くは同じ意味だった。「着」は「著」の略字。

よくわかってないけど、覚え書き

蒐集・収集。蒐荷・集荷。奇跡・奇蹟(遺蹟・遺跡)。総・綜。比べる・較べる・競べる。幸・倖。知る・識る。装丁・装訂・装釘・装幀。状況(証拠)・情況(証拠)。余(餘)る・剰る。丁寧・叮嚀。

参考文献など

屁理屈太郎 日常の屁理屈に行く