MarronCoast[城ヶ島の陽 Issue] Vol.4 No.1 2003
「
雨は降る降る城ヶ島の磯に・・・」、かつて北原白秋は詠んだ。雨は涙のメタファーか?結婚〜離婚を経験した白秋の三崎時代を映しているような叙情詩。やまない雨はない。雨はすべてを洗い流してくれる。失いたいものも、失いたくないものも。大切なものも、あまり大切でないものも。詩情にふれたくなったら城ヶ島に渡ってみるといい。やがて雨は上がり、「船はゆくゆく帆がかすむ」。
城
ヶ島大橋のたもとに建つ白秋碑。傍らには白秋記念館も建っている。碑には、大正初期、対岸の三崎に住んでいたときに書いた「城ヶ島の雨」の一節が刻まれている。きっと経験がものをいう職業なのだろう。人生のターニングポイントに書かれた作品だから、詩人であり歌人であり童謡作家であり、また数多くの校歌(同志社大学他)や社歌(NEC他)を創ったキャリアのなかでも最高傑作に数えられるのも当然である。
1
870年に日本で5番目に建てられた洋式灯台。設計は、日本初の洋式灯台である観音埼灯台と同じくヴェルニーだった。ヴェルニーが造った4つの灯台のうち3つは関東大震災で倒壊してしまった。そのときに倒壊したうちの1つが城ヶ島灯台で、現在の灯台は1926年に建てられたもの。辺りの高台はうみう展望台と並ぶヴュー・ポイント。北緯35°07' 54"、東経139°36' 51"。
観
光ガイドなどで城ヶ島を紹介するときに必ず登場してくるのが、この馬の背洞門。波と風雨の侵食によって、長い年月をかけて造られた奇岩。近年では、日本興亜損保のTVCMで、なぜだか石原軍団の面々が馬の背洞門をバックに登場していた。
三
浦半島は断層を実際に目にするのには最適な場所だ。とくに城ヶ島にはいたるところに、見事なまでの断層がみられる。城ヶ島京急ホテル下、城ヶ島西岸の磯の光景は圧巻。この辺りでみられるものは、約1000万年前の砂礫や富士山などの火山灰からなる地層だという。1000年前だって想像できないのに、1000万年なんて時間になにが起こったのか考えはじめたらめまいがしてきた。だけど1000年前は確実に目の前にある。約1000万年後、もし人類が、もしくは人類に代わる知的生物が、生きていたとしたら、産業廃棄物層やアスファルト層をみてなにを思うのだろうか?
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MarronCoast[城ヶ島の陽 Issue] Vol.4 No.1 2003
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