
ビルの谷風引き寄せて三尺寝 けいじ
クレーン二基入道雲を刺す真昼 けいじ
夏真昼形見の振り子止まりおり けいじ
大会の後のプールを蜻蛉飛ぶ なべ
ペンキ塗りの屋根を仰げば夏の空 なべ
単線の線路の続く夏蓬 なべ
銀漢に覆い尽くされ峪の村 なべ
朝露のそれぞれ小さき日を宿す なべ
団らんの笑顔溢れる桃の顔 隆博
<団らんの笑顔溢れて桃熟れる>
カミナリよとどろけ子らが奇声あげ 絵夫
網膜に焼き付く白きイナズマよ 絵夫
荒れ狂う嵐が夏の皮をはぎ 絵夫
網膜と空を切り裂く稲光 絵夫
嵐去りこれでほんとの夏がくる 絵夫
夏の夜や隣家を訪いし人の声 なべ
茶褐色水かさ増える夕立かな 隆博
霧雨の熊笹映える毛無山 隆博
扇風機の風弱にする山の夜 晃
夏菊やソフトボールの子らの声 晃
じわじわと山の夜風の夏惜しむ 晃
つめ草の白の乱れて夏の逝く 晃
トウキビの畑に薄く風巻きぬ 晃
もろこしの葉のカサカサと色づけり 晃
もろこしに風の音あり山の里 晃
妻と子の家を守りて鴨足草 晃
ジジッと鳴いてどこぞへ蝉の夜の秋 晃
大般若仕度傍ら蟻地獄 隆博
とんぼ飛ぶ決まったようにここへ来て 泰子
草けずる草の剛柔人に似る 泰子
道ばたに遊べる子らへ夏つばめ 泰子
帰省子を待つ半日を廚にて 泰子
黄昏のサルビア紅し道祖神 なべ
ししとうの辛さ引き当て息はずむ 隆博
雨の間の陽射しは強し向日葵や 緑丘
<雨の間の陽射しの強し向日葵に>
<雨止んで陽射しの強く向日葵に>
<向日葵へことさら陽射し強く射し>
<向日葵の陽射しを強く弾き返す>
<向日葵の陽射しを強く空へ返す>
大木の切られし跡に夏日射す なべ
夏草や原爆語る人老いて 晃
終楽章は祈りの和音原爆忌 けいじ
鎮魂の鐘終楽章原爆忌 けいじ
母子像が歪んで見ゆる原爆展 けいじ
灯台の火影キラリと夏の波 晃
トラックを吐き出しフェリー夏の潮 晃
浜風のタラップ登るシャツに吹く 晃
夏の潮船岸壁を分かれけり 晃
河童忌や浜風船出を促しぬ 晃
枝豆の緑が冷酒の中に澄む 晃
夏を行き夏来る船のすれ違う 晃
大和路を吹く風フリルの夏日傘 晃
夏草や水平の地を糺の指す 晃
かけっこの眼真剣蝉時雨 晃
夏潮や船押し出して夜の更ける 晃
尺玉や昼間のうさの晴れにけり なべ
黒猫と二人ぽっち夏の夕暮れ 眞弓
西瓜の甘美な甘味に安らいで 眞弓
蝉なきて静寂のドームつくりおり 緑丘
帰燕らが今日一日を話す夕 なべ
<燕帰る今日一日を話す夕>
湯の香してあさがおの影の遠ざかる 晃
すれ違う影に湯の香よ夏の夕 晃
朝顔や棟割長屋を一つにし 晃
髪濡らしプール帰りの子等通る なべ
汗拭きのタオルの白し旗を振る なべ
<汗拭きのタオルの白し振れば旗>
開け放つ窓に大暑の木の緑 泰子
玄関を掃いて涼しい風の朝 泰子
風が違っていて青田が鳴り始む 弘子
ラケットの振り緩慢と今日大暑 なべ
我が足が涼風求め境内に 隆博
岩窟はどっと聳えて人を待たず 隆博
雷に起こされて朝現なる なべ
簑笠の動く青田の雨激し なべ
花火消えし後を人工衛星 なべ
少女らの掬うは浮き草ばかりなり なべ
油蝉鳴くだけ鳴いて飛び立てり なべ
足長の蜘蛛天を這う躊躇せず なべ
蚊を打って両手に紅き己が血を なべ
蜩の山より風が吹いてくる なべ
新しき道の出来たり出水跡 なべ
昼花火上がれば何やら始まりぬ なべ
芋の葉の朝露転げラジオ体操 なべ
灯台守父二十回忌浜万年青 けいじ
プリンターが打ち出してくる夏の色 けいじ
<金魚泳がせている床の軸の絵に 信之>
高層ビル積乱雲を吐いている けいじ
家路へと蝉時雨降る森潜る けいじ
茜にも負けぬ色あり百日紅 けいじ
葉の裏に空蝉揺れて雨あがる けいじ
岩陰へ蜥蜴滑り落ち庭静か けいじ
蒼空に梅雨と病の鬱も消え 絵夫
カサブランカ狂い咲きにて百合幽玄 絵夫
赤椿お散るは凄愴血の魂 絵夫
天の川越えて私は銀河人 絵夫
六弦をつま弾く指も南国音階 絵夫
百姓が待ってましたと宵の稲妻 絵夫
垂乳根のまなこ赤し夏の婚式 絵夫
夕立の雨土の香い肺に充つ 絵夫
遠雷と思えば遠くの花火かな 絵夫
夏の句が落ちてくる様流星雨 絵夫
筆無精明日は書けよと蝉がいい 絵夫
遠泳はやめよやめよと心の臓 絵夫
社を辞して晴れて自由ぞ夏の空 絵夫
懇談の帰りスニーカー白を買う 泰子
子と歩く銀天街に鬼灯売られ 泰子
雲のない青嶺いよいよ揺るぎなし 泰子
遠花火瞼を閉じて音を聞く 緑丘
遠花火かすかに山の輝けり なべ
見上げれば早姿なし遠花火 なべ
心早はやりて遠き花火かな なべ
山峡の町ふるわせて大花火 なべ
故郷の花火を見たし夏なれば なべ
タラップに出て大陸の秋匂う なべ
悠久の地に悠久の秋の風 なべ
耳抜ける異国の言葉秋ふかし なべ
秋の街見下ろせば太極拳の人 なべ
花売りの少女に寒し秋の風 なべ
炎昼や一寸の石越えられず なべ
夏の夜網戸にのぼる虫の群 祥太
せみの声汗をかきつつ授業する 裕子
夏の風たまに吹いたらうれしくなる 麻理奈
朝顔がきれいに生まれる朝の庭 耕太
夏は海大漁ねらって釣りに行くぞ 直樹
暗い空花火がいるとあたたかい 裕未佳
たなばたは天のむこうで光ってる 舞
目がさめて鳴くひぐらしに朝早く 香
梅雨明けて空と心が澄んでいる 恵美
梅雨も去りますますがんばるアブラゼミ 真一
窓の外夜空満天天の川 秀記
梅雨明けて自転車で行こうと支度する 康富
水槽にすくった金魚が仲間入り 俊助
笹の葉に願いを込めて星見上げ 祐妃子
まだ少し青いトマトをひとかじり しのぶ
カナカナカナ静かな寺にただ響き 麻未
清掃時花壇の水やり我先に 和章
夏休み期待を込めて通信簿 和章
騒音と暑さを忘れ終業式 和章
黒板にラーフルの跡夏休み 晃
朝光の涼し消えゆく体育館に 晃
一学期の声の残香夏廊下 晃
一学期終える声する夏の窓 晃
苗床に痛みをはじく通り雨 悦弘
旅客機の曲だけ奏でた雲の峰 悦弘
<カスターニエの青き実曇天よりもげば ベルリン/高橋正子>
<川風に夏逝く中にいて吹かれ ライン川/脇坂公司>
<氷菓食べ歩く異国と思わずに フランクフルト/高橋信之>
<冬の虹と夕焼けあとはあなただけ カリフォルニア・サンタクルーズ/みどり>
<乾杯のビールあわあわ北京大学 北京/高橋信之>
<城打ちて空へ吹き上ぐ風青し 万里の長城/高橋信之>
<煙突いく本も五月の風の中に 大連・ロシア人街/高橋信之>
<大肌脱ぎ故国は冬と言う人も バンコク/田中建治>
<枝豆や皿の白さを深うする チェンマイ/田中建治>
雷を好める人を愛しけり 緑丘
ベランダで一人うとうと夜の秋 緑丘
<楽しみに絵付けの絵には熱帯魚 信之>
天仰ぐ竹の勢い眩しすぎる 隆博
生ビール飲んで花咲く旅の話に 陽子
今朝よりの涼しさ野草を採ってくる 正子
青赤の魚も見たり宇和の夏 なべ
学校の鐘に蝉音のふと途切れ 泰子
おとなりの子のたて笛の音のすずし 泰子
刃を入れて潔いかな冷やし瓜 なべ
旅中にあれど憂鬱戻り梅雨 なべ
夕立を遣り過ごしてや竜安寺 なべ
蜩や帰る家あり旅楽し なべ
合唱の声吸い込まれ夏木立 晃
イノコヅチ父が教えてくれた花 晃
花壇づくり水道水も取り合って 和章
騒音と声はりあって夏の歌 和章
露草が教卓にある一年生 和章
熱風やこの丘掘りしシュリーマン 緑丘
夢追いし人を思いつオリーブかな 緑丘
朝涼や山羊の鈴にて目を覚ます 緑丘
季節なき町の公園ハイビスカス 緑丘
昼寝するエーゲの海の風うけて 緑丘
碇いれエーゲの風に耳すます 緑丘
甲板の影を求めて昼寝する 緑丘
ヨットとめエーゲの海の青さすう 緑丘
この青さ赤いトマトを美味くする 緑丘
ま緑に山滴るやホルン響く 登美子
イヤリング大夕焼の中へ置かむ 登美子
少年の瞳愁ひぬ雲の峯 登美子
梅雨明けの静かな朝に眼を覚ます 孝史
夏つばめ昇りゆく雲のない空へ 孝史
メロン食う男の田舎話聞く 孝史
灯が照らすががんぼの迷いし姿に 孝史
瓜刻む音や記憶の彼方から なべ
風涼し机上の紙を持ってゆく 和章
夏木陰クラリネットもリズムよく 和章
工事音蝉鳴く声も競いおり 和章
蝉の声どこまでも遠く透き通る 正人
如露つかう生徒の背中の柔らかき 晃
如露の水細かな虹の霧となる 晃
<如露の水細かな霧となり虹を>
黒林の国にきたりてウナギ食う 緑丘
黒林の国のうなぎは固きかな 緑丘
ソクラテス歩みし道なり新茶かな 緑丘
走馬灯映してみたし二千年 緑丘
この丘に夏の光が四千年 緑丘
神殿を見上げる店でぶどう買う 緑丘
コンクリートの街にもいたか油蝉 けいじ
コンコースに雪駄が響き名古屋場所 けいじ
網棚はまわしの包み名古屋場所 けいじ
山鳩の声をうつヽに籐寝椅子 真佐子
笹百合の花のさゆれや山雨来し 真佐子
学期末仕事急げと蝉時雨 孝昌
走り終えグランドながめる風涼し 孝昌
グランドの足跡ながめ風涼し 孝昌
グランドに足跡残し風涼し 孝昌
洋シダの床にとどかぬ朝涼し 晃
信号を友と待つ朝蝉静か 晃
サルビアの色あざやかに人目ひく 和章
早朝に球追う子らの白きシャツ 和章
校庭にラケットの音リズムよく 和章
日差し受け緑あざやかアジャンタム 和章
裏庭の青イチジクの匂いくる 泰子
夕風に招く手のあり夏暖簾 晃
虎尾の咲く道のあり砂利の音 晃
<虎尾草の咲く道のあり砂利の音>
落雁の口に懐かし祖母の味 晃
農夫農婦夏帽ふたつ田の畦に なべ
かつぎ手のためらう御用木四百年 和章
無人店トマト求めて親子づれ 和章
朝靄に時刻をつげる宮太鼓 和章
夏祭り森の社の灯り洩れ なべ
蝉音にもドプラー効果のあるらしい なべ
<蝉音にもドップラー効果のあるらしい>
戻り梅雨土曜夜市の店濡らす なべ
炎天より入れば土間の土匂ふ なべ
蝉時雨降れる投票所への道 なべ
夏の家ときおり風のどっと吹く 公司
水打てば影もやさしき庭となり 洋子
雲の嶺てっぺんが夕日に光る なべ
涼しさの音を響かせ麦茶つぐ なべ
朝取りの胡瓜スライスマヨネーズ なべ
夕焼けが街の暑さをつれてゆく 晃
父の影大きく海の夕焼ける 晃
アルバムの黄ばみに澄ました夏がある 晃
「今年の夏は家族旅行なしね」と妻の言う 晃
「お父さんお盆には帰るのでしょ」「うん、帰りたいね」 晃
夏茜浮きつ沈みつ夕暮れる 晃
蟷螂の小さきやつよ斧振るう 晃
空蝉の数ほど声の時雨ける 晃
ガラス二枚打ち抜き夏の燕道 晃
夏空の色そのままに布染まる 泰子
藍染めの布乾きゆく夏空へ 泰子
透明な涼やかな時刻バッハ聴く 登美子
木下闇言霊聞こゆ神の霊 登美子
青春の汗飛び交う甲子園 登美子
汗臭う陽の下に居ると自覚する 智則
新じゃがの上に真白な塩をふる 智則
布団干す夏の太陽とじこめる 智則
麦茶酌む安らぐ気持ち溶け込めり 智則
コーヒーのギフトの上に弟の夏 智則
夏という文字見て空に雲の無し 智則
枝豆のみどりみどりが目にまぶし 智則
茄子の紺買って買ってと我誘う 智則
<風の樹が涼しいここは何処ですか 信之>
梅雨明けの海の汽笛に目覚めける 正子
たかが一人淋しさつのる夏の夜 雅子
ビール持ってきましたよお飲み下さい 芳子
初蝉に清しき朝の始まりぬ 洋子
向日葵の塀より覗くふたつみつ なべ
覚めてより寝るまで蝉音耳に有り なべ
炎昼や越える峠に高さ有り なべ
始まりは塀の向こうの蟻の列 なべ
夏蝶の雨の隙間を渡り行く なべ
田の蝌蚪のまだ人知らず右左 なべ
大賀蓮三千年の桃色に なべ
蛍火の戯れに手に近づきぬ なべ
朝顔の花の色見る冷気かな 和章
冷気さは一番どりの花の色 和章
夏休み近く窓越しに見る笑顔あり 和章
(窓越しに笑顔のありて夏休み近し)
つる伸びて今朝咲く色をすだれごし 和章
プールの日歓声高く元気よく 和章
部屋がえにひとすじの汗若々し 和章
原色の衣装が飛ばす玉の汗 けいじ
熱唱のステージ外は熱帯夜 けいじ
幕間はビール待つ列芝居小屋 けいじ
客席も舞台も汗のオペレッタ けいじ
ステージもハッピーエンド星祭り けいじ
老優は踊りつかれて星祭り けいじ
玄関を出でしたちまち蝉時雨 なべ
<玄関を出てたちまち蝉時雨>
のうぜんの花ひとつ落つ門を入る なべ
真後ろに夏の太陽背負い行く なべ
雲の上にまた雲のあり夕焼ける なべ
気忙しく夜市を告げる声を聞き 和章
打ち水に喜ぶ子らの声高く 和章
すだれ越し便りの届く昼下がり 和章
夏の蝶昭和の廊下を浮いている 晃
昔日の日だまりのあり夏廊下 晃
夏一日(ひとひ)終えて廊下の長々と 晃
<夏一日終えて廊下の長々と>
生徒の声を残して夏の廊下眠る 晃
<ビール飲み気楽な小屋のオペレッタ 信之>
タンクトップと短パンで夢に落ちる 眞弓
朝の庭に光りみなぎりきゅうり食む けいじ
<きゅうり食む庭に光りのみなぎる朝>
インターネットに故郷の蛍の飛ぶを見る けいじ
梅雨明けの挨拶こがね玄関へ けいじ
天も地も睨む塩辛とんぼの眼 なべ
受けた日のあふれて赤くトマト熟る なべ
<太陽のあふれる赤でトマト熟る>
音が出て甘い思い出ラムネかな 梅
<音が出てラムネの甘い思い出に>
七夕の笹の葉ずれや平和あり 泰子
<七夕の笹の葉ずれの平和なる>
七夕の短冊上へつけたがり 泰子
<七夕の短冊上へ上へとつけ>
すいか食むみんな身をのりだしている 泰子
すいか切るいい音がして真っ二つ 泰子
雲の峰に立つ緑も蒼も手の中に 正人
太陽がついてくるんよ夏じゃけん 泰子
夏グミの酸っぱさ脳裏に届きけり 晃
青蔦の土壁這うて主待てり 晃
一人居て静かさを聴く青薄 晃
初蜩校舎静かに暮れている 晃
力込め揺れる自転車暑し坂 梅
<炎天の坂を自転車揺れて行く>
暑き午後やっとの雨に濡れ歩く てつじ
言うことは言うて夏空仰ぎ見る てつじ
夕顔のまだ咲いており日足伸ぶ てつじ
たなばたののぼりに埋まる保育園 てつじ
花火待つ孫待つ古る家化粧(いろ)直し てつじ
五月雨に帆船かすむ波止場かな てつじ
手作りのあじさい部屋を照らしけり てつじ
さくらんぼ白滋の皿にみずみずし てつじ
桜桃忌あの顔好きと娘等の言う てつじ
降って晴れ晴れては降って明日は夏至 てつじ
少年に抜け道のあり蛇苺 尚一
葉桜の染井も八重もなべて青 尚一
遠足の車内を制す子等の声 尚一
薔薇アーチくぐればタンゴ聞こえ来る 尚一
葉桜の奥の冥さの古さつかな 尚一
高き木の木の高さより蝉時雨 なべ
<高き樹のその高さより蝉音降る>
牛の眼の深みに夏の草映す なべ
<海からの涼風抜ける高階を 信之>
夏霧の素早く消えて朝動く 晃
明け方の夢の季節やつゆ明ける アキ
<明け方の夢の季節よ梅雨明ける>
風にのり夢輝くシャボン玉 梅
<風にのり夢の輝きシャボン玉>
風光る海に輝くその青さ 梅
<風光る海の輝くその青に>
ローラースキー夏風に向かいすべってく 浩美
入道雲山のむこうで動きだす 浩美
夏の風自然をゆらし香を運ぶ 浩美
半そでの肌に感じる心地よさ 由宜
散歩する夏風が僕を呼びとめる 由宜
竹林のすきまに光る白い雲 泰昌
雲の峰世界地図を思わせる 麻未
おたまじゃくしいつ足出すのいつジャンプ? 真季
夏の青空白い雲と仲良しだ 真季
夏の風木々がささやいている空へ空へと さち
<夏風の木々がささやく空へ空へ>
あじさいとても小さくきれいだよ さち
水草のダンスを見てるうきうきと 千佳
大好きだ夏がくる時のこのにおい 千佳
風の道稲がおしえてくれている 千佳
もあもあと雲の形が変わってく 千幸
コプコプと川のささやき聞こえるよ 千幸
青空とありの行進夏薫る なぎさ
夏のちょうピンクの花のみつを吸う 陽子
夏の風耳をなでて逃げてゆく 美緒
静けさや軒のつばめの巣立ちたる なべ
雄鳥の声もするかや熱帯夜 なべ
山ほどの胡瓜届きし河童になる なべ
のうぜんの夕映え雨の上がりし後に なべ
空を行く強き雲あり梅雨明ける なべ
悠然と青嶺に雲の影の行く 晃
新刊本におい抱えて炎昼へ けいじ
梅雨明けの挨拶こがね玄関へ けいじ
夏袈裟の僧が書を読む縁の角 けいじ
女々しさを雨に流して出雷 なべ
日傘パッとさす門ののうぜん花さかり 真佐子
崖高く蛍火一つ息つける 真佐子
大地打つ大夕立や我も打て なべ
<砥部焼の揃いの皿の涼しい藍 信之>
瓶に沈む梅に声をかけてみる 泰子
赤紫蘇に指先染まりいい匂い 泰子
狭き庭の茗荷の香り朝の卓 けいじ
露草へ光りみなぎり出勤す けいじ
曲がり角酸漿ちょっとだけ赤 けいじ
<曲がり角酸漿ちょっとだけの赤>
献灯の影のゆらぎて合歓の村 晃
蚊遣火のゆらりと煙伸びゆけり 晃
紫陽花や瓶に命の水を吸う 晃
風鈴の鉄音の澄む妻の里 晃
松山や城を主に積乱雲(くも)の湧く 晃
つばくらめ潮騒の歌を口ずさむ 晃
潮騒の夏の廊下をそっと歩む 晃
夜光虫の波寄せる窓に一人居る 晃
長々と帯光らせて夏の潮 晃
夏の夜の湾を巡りて声響く 晃
早風呂の湯の音清し半夏生 晃
島影黒く夏の火影の長々と 晃
夏の潮満ちるともなく動きおり 晃
水無月の月三日月の海にあり 晃
夕凪や潮の匂いの薄く在り 晃
炎天や真昼の月を焼き尽くす 晃
蝉の声を海に向かってほうり投げる 晃
海からの風の薄さよ夏の夕 晃
滴りや完璧に水の磨かれて 晃
夕凪やピタリと動かぬ海がある 晃
父の手にぶら下がる子や夕涼み 晃
青岬巡りてフェリー島に寄る 晃
長笛一つ船の青岬(みさき)を離れけり 晃
瀬戸内の島を流るる天の川 晃
朝の風梅雨明け間近の訪問者 正人
整然と曲がりし山の青田伸ぶ なべ
ログハウス木目涼しき夏の月 登美子
大西日潮騒映す松林 登美子
花菖蒲むらさき色の風まとふ 登美子
夏座敷吾子たちの声弾け飛ぶ 登美子
太陽へ大向日葵やゴッホの黄 登美子
パラソルの惑ひの午後の夢二の絵 登美子