人生すごろく
市河:へー、ここが碓氷の家か。思ってたよりも狭いな。
碓氷:しょうがないよ。4畳に6LDKだもの。
市河:それ、一部屋が狭すぎない?
碓氷:慣れればどうって事無いよ。
市河:そんなもんか?
それにしても・・・・・・・・・・なんか暇だな。
碓氷:暇だな。
市河:何か無いの?
碓氷:『ジップロック』やる?
市河:・・・・・やるも何もあれチャック付ビニール袋じゃん。
碓氷:そっちじゃないよ。
市河:他にあるか?ジップロックって。
碓氷:実況パワフルプロ野球6、略して『ジップロック』だよ。
市河:なんちゅう略仕方だ!無理があるだろ。
碓氷:やる?
市河:ゲームしたい気分じゃないなあ・・・・・他は?
碓氷:『人生すごろく』ならある。
市河:何そのバッタモン。
碓氷:いや、まだやった事無いから面白さは保証できないけど・・・やる?
市河:やる。昼寝するよりマシだし。タダじゃつまらないから、負けた方はジュースおごりな。
碓氷:わかった。じゃあ、じゃんけん。
市河:最初はグー じゃんけんぽん。
碓氷:勝ったー。
市河:じゃ、お前からな。
碓氷:6、6、6、コロ・・・・・「1」か。
市河:そんなもんだよ、すごろくなんて。
碓氷:えーと、
「ゴールまで進む」
勝ったー!
市河:おい!ちょっと待て。何だそのマスは?
碓氷:ほら、早くジュース買って来い。
市河:・・・・・よく見たらこれ、1から6まで全部マスの内容一緒じゃん。
って事は、順番が先の奴が絶対勝つ。何だよコレ、つまんね。
碓氷:負け惜しみは良くないぞ。
市河:今のは製造会社への怒り。なあ、ここ一帯のマスの内容は全部無視しよう。
じゃないと、すぐ暇人になるから。
碓氷:その代わりもう一回振っていい?
市河:別にいいよ、1だし。
碓氷:コロ・・・・・「3」
「ゴールまで進む」
やったー!
市河:待て。話聞いてた?
碓氷:え?なんの?
市河:言っただろ、スタートからの6マスまでの内容は無視だって。
碓氷:いや、耳詰まってたから、あんまり聞こえなくて。
市河:耳かきある?それでお前の耳をかっぽじりたいんだけど。
碓氷:無い。
市河:綿棒は?
碓氷:無い。
市河:じゃ、小指でやれ。
碓氷:小指も無い。
市河:嘘つけ。
碓氷:本当。タンスの角にやられたんだよ。
市河:そんな破壊力ないぞ。しかもそれ足の小指専用じゃんか。
手の小指はあるだろ?それでかっぽじれ。鼓膜が破けない程度に。
碓氷:うずまき管は?
市河:それもだ。
はあ、ようやく回ってきたよ。それ。コロ・・・・・「5」
無視無視。
碓氷:やべ、抜かれた。コロ・・・・・「3」
「無事に生まれる。初めて喋った言葉は「女房は黙って酒持って来い! 」
市河:その赤ちゃん言語能力発達し過ぎ。きっとその家庭、亭主関白どころじゃないな。
コロ・・・・・「5」また5だ。
「身長50cm、体重3000gで生まれる。」
標準的でよかった。
碓氷:まだ続いてるぞ。
市河:えー・・・と
「その内、頭が40cm、2500g」
頭でか。
碓氷:赤ん坊の頃はみんな頭がでかいんだよ。
市河:明らかにでか過ぎるだろ。体は大丈夫か?
碓氷:頭の大きさ、ギネスもんじゃん。
市河:嬉しくない。
碓氷:市河結構進んでるな。コロ・・・・・「2」
「地元の県立高校に入学。柔道部に入り、全国大会で優勝する」
市河:すげーな。よーし、こっちも。コロ・・・・・「6」
「有名進学校に入学。学年で成績一番で、野球部のキャプテンになる 、が 続く」
続いたよ!どうなるの?この先どうなるの?最後の「が」が気になる。
碓氷:お前もいいなー。負けないぞー。コロ・・・・・「5」
「急いで走っていたら曲がり角で人とぶつかって、お互いに一目惚れした。 右隣の人と結婚する」
右隣だって。
市河:右隣?
碓氷:右隣。
市河:・・・・・・・・・・オレお前の左に行くわ。
碓氷:何でだよ!
市河:だって男同士じゃん!
碓氷:恋に性別は関係ないだろ!
市河:大有りだ!むしろ一番のポイントだ!容姿端麗だろうが才色兼備だろうが男だったら御免だ!
碓氷:市河、ルールには従え。
市河:やだ。是が非でも無理!
碓氷:背負い投げの出来る嫁なんてそうそういないぞ。
市河:確かにな。谷亮子ぐらいだし。・・・・・でもやだ!それにお前は「嫁」じゃないし!
碓氷:市河、落ち着け!これはあくまでも「ゲーム」の中の話だから。な?
市河:・・・・・・・・・・そうだよな。別に現実のお前と結婚するわけじゃないし。
碓氷:それもあったり。
市河:やめろ。リアルで怖いわ。
まあ、それはさておき。オレの番。コロ・・・・・「2」
「浮気が妻にバレて離婚する」
よかったー。助かったー。
碓氷:じゃ、次―。コロ・・・・・「3」
「仕事でミスをする 3マス戻る」
1、2、3・・・で、また
「急いで走っていたら曲がり角で人とぶつかって、お互いに一目惚れした。 右隣の人と結婚する」
市河:やだ!いくらゲームとはいえ、ここまでしつこい女、いや、男はもっといやだ!
碓氷:仕事も手につかないくらいだったんだよ。
市河:やめろ、そんな事言うの。それに一度会ってるのにまた一目惚れは無いだろ。
碓氷:ま、その辺は妥協して。
市河:あー、こっちもまた離婚してー。コロ・・・・・「5」
「家を建てる」
碓氷:これで一緒に生活できるな。
市河:いや、結婚しても別居のつもりだけど。
碓氷:なんで?夫婦でしょ?
市河:この場合「夫婦」じゃなくて「夫夫」だと思う。
碓氷:あれ?何かそこめくれるぞ。
市河:はがしてみるか。ペリ・・・・・
「ダイワハウスで家を建てる」
碓氷:なんでダイワハウスなんだ?
市河:・・・・・これどっかで見たぞ。
碓氷:ま、いいや。コロ・・・・・「4」
「家が火事になる 家全焼」
市河:人の建てた家を燃やすな。コロ・・・・・「4」
「、が頭の大きさが理由でいじめにあい、不登校となる」
今更続きを出すな!話がややこしくなる。
ちょっと待て・・・・・オレ今高校生だろ。結婚していいのか?
碓氷:大丈夫。28浪してるから。
市河:どんだけ落ちてんだよ、オレ。諦めろ。
碓氷:う〜ん、結構差つかれてるな。コロ・・・・・「5」
「子供が生まれる」
市河:おいおいおいおい、ちょっと待てよ!何で男と男の間に命が芽生えるわけ?
碓氷:奇跡が起きたんだよ・・・市河、奇跡が起きたんだ!
市河:いらん奇跡だ。
碓氷:これからは男手二つで育てていこうな。
市河:「男手二つ」って初めて聞いたわ。コロ・・・・・「6」
1、2、3、4、5、6!
「ゴール」
あーがりっと。
碓氷:うわ、やられた。
・・・・・あれ?何かそこめくれるぞ。
市河:まさか。ペリ・・・
「ゴール
裏面『人生すごろく 〜男と男の新婚ライフ編〜』に続く」
市河:もうやだー!
