WUC本拠地「レグルス」
戦争が休戦状態に入り一年が過ぎ人々は休息の時を満喫していた。
カードに選ばれし22人の戦士達に数名の被害は出たものの
その後すぐに「死神」のカードの持ち主だったナイトが「皇帝」のカードに選ばれ
ナイト王の元で国は落ちつきつつあった。
そんなある時「魔術師」のカード
正位置:独創力、空想力、発明、工夫、口先のうまさ、技術的なこと、
芸事、趣味、手慣れた様子、ベテランなど。
逆位置:ずるい、ペテン、口先だけ、未熟、能力や経験の不足、意志が弱い、
延期、頼りなさ、ミスなど。
に選ばれた者である「カリコリルリ」がナイトに呼び出された。
「ちぃ〜〜っす!待ってたぞ〜〜♪
まぁいきなりでなんだがお前には月に行ってきてもらいたい。」
「へ?月ですか?何故いきなり?そして何をしに??」
「うむ・・・それなんだがな。
実はこの前帝国の舞姫さんから相談があってな
『今後の両国の関係をより良いものとするために〜
交換留学制度なんてどうでしょうか〜?』
なんて言われたもんだからな、面白そうだからその話に乗ったのさ」
「はぁ・・・で、それに私が行けと?」
「うぃ、その通りだ♪折角向こうから言ってきた事だ
こちらはおおっぴらに帝国の内情や兵器の調査ができるからな、
ってのは裏であり、表の理由で・・・
舞姫や他の帝国の女の情報を事細かに調べてこーーーい!!
そして、できるなら写真も!入浴中の写しンババ!?」
「はい、そういった訳で頑張ってきてくださいね。
あ、そうそう。ルリさんには「レン」と言う名前で海軍の研修で向こうに行ってもらいますからね
本名でも良いけど、やはりカードに選ばれた者は有名ですから
向こうで色々問題があるだろうでしょうし。」
ナイトの言葉はルルの掌打で最後まで聞く事ができなかった
カリコリルリは心中で『何を頑張れば良いのだろう?』と思ったが
ルルの鮮血に染まった拳と笑顔の前では頷くしかできなかった。
そして数週間後カリコリルリは
「向こうで安藤さんのグッズがあったら買ってこーい!」(by 節制の人)やら
「ダイエット関係で良い物があったら買ってきてね♪」(by 運命の輪の人)とか
「良いチャイナ服があったら買ってきて欲しいっす!」(by 悪魔のカードの人)等の
熱い励ましの言葉に見送られ帝国に旅だった。
そして道中何事もなく無事に到着し、熱い出迎えと共に月に入ったレン(=カリコリルリ)は
宮殿へと通され舞姫以下重鎮との会見を行った。
流石に少し前まで戦争を行っていた国の者であるために敵意を持った視線も
多少あったが、舞はそんな事に関係なく暖かく迎え入れてくれた。
「レンさん遠路遥々ご苦労様でした〜
長旅でお疲れだったでしょう?今日の所はゆっくり休んでくださいね〜
明日からは私達帝国の事を色々と勉強していってくださいね。
そして時間があれば私に貴方の国の話も聞かせてくださいね〜
こうやってお互いの国を理解しあって今の平和がいつまでも続くようお互い頑張りましょう〜」
カリコルリはすぐさまに返事ができなかった。
舞のその無垢な笑顔に見取れてしまっていたのである。
だが周囲の視線に気づき己を取り戻し笑顔で返事をする。
「はい。お互いの国の繁栄のためにも色々と勉強させて頂きます」
「ええ、何かわからない事があったら秋葉さんや志貴さんに聞いてくださいね。
あ、先に注意しておきますけど志貴さんはTAKAさんと一緒に変な事を教えないでくださいね」
志貴とTAKAはバツの悪そうな顔をしたが、その言葉でその場の雰囲気も和み
無事会見も終了した。そして最後に舞がカリコリルリにだけ聞えるように耳元で囁いた。
「そうそう、レンさんの本名知ってるのは私だけですからね〜
これは二人っきりの秘密ですよ〜」
にっこりと笑う舞にカリコリルリはその言葉と舞の顔が近くにある事で
顔を赤くしてドキドキしながら頷くだけであった。
「・・・で、何でボクは女装させられてるんですか?」
部屋に案内され休息していたカリコリルリが志貴達に呼び出されて
別の部屋に連れていかれたと思うといきなり女装をさせられていた。
「ん?いや、ほらレンさんの歓迎会を開こうと思ってね」
「・・・歓迎会は嬉しいんですけど、それが何故女装と繋がるんですか?
ってちょっと!?そこはいやぁぁぁぁぁぁぁ!!(T∀T)」
かなり嫌そうな顔をしながらもアウルやルシフェルが手伝い、身体を抑えられて
志貴と琥珀により動けないカリコリルリは無理矢理女装をさせられた。
「・・・・シクシク、もうお婿に行けない・・・」
そう嘆くカリコリルリは・・・・
何故かスクール水着を着せられてきた。(胸パット付き)
そして自分達の仕事に恍惚とした表情を浮かべる志貴と琥珀は
「「(*´Д`) ハァハァ・・・ 良い!想像以上に良い!」」
とかなり危ない目つきになっていた。
そしてテンションが最高潮になり今にもカリコリルリに飛びかかろうとした時に
後ろから絶対零度の殺意がこもった声が聞えた。
「・・・何が良いんですか?兄さん、琥珀」
志貴と琥珀は背後から聞えた地の底から響くような声に動けなくなった。
そして二人は心の中で
『振り向くな、振り向けば死ぬ。しかし振り向かなくても死ぬ!
・・・・HAHAHA!どちらにしてももう終わりのようだね。・・・Amen』
と覚悟を決め、ギギギと油の切れた人形のように首を回し後ろを向くと
顔は笑顔ながらも髪を真っ赤に染めて怒髪天を突いちゃってる秋葉が聳え立っていた。
しかもその光景を目にし固まってる舞姫と一緒に。
「こんな子にこんな格好をさせて・・・覚悟は出来てますね。さようなら。」
そうにっこりと顔は笑いながら目は笑っていない状態で迫ってくる秋葉。
そのプレッシャーに押されジリジリと追いやられる二人
だが部屋の隅に追いやられながらガクガクと震えていた志貴が逆ギレする
「ちょ、ちょっと待て!せめて話を聞けー!」
「遺言ですか?ならば至極簡単明瞭に行い、つまらぬ時間をとらせないで下さいね。
まぁこの光景を見せられて尚言い訳をしようとするのですから
それはそれは素晴らしい言い訳を聞かせてくれるのでしょうね。
今更嘘など仰ったら言い訳なんかより豚のような悲鳴を聞かせてもらいますわよ。」
その言葉と笑顔の裏に隠された怒りを超えた殺意に
嫌な汗をダラダラと流しながらしどろもどろになる志貴に代わり琥珀が答える。
「うぅ〜、聞いてくださいよ秋葉様〜。私は嫌だって言うのに志貴さんが
『ただ歓迎会を開くのではツマラン、ならば仮装パーティーでもしようではないか!
・・・で、レンさんは中々女装が似合うと俺は見た!
さぁ騎士団の諸君よ!我に続け!レンさんを
慰めものに!俺を喜ばすために!』
って言って無理矢理私達を手伝わせるんです〜、こんな事したくないに〜。シクシク」
と嘘泣きをして秋葉にすがりつきながら。
「・・・・・本当ですか?兄さん」
「ちょ、琥珀さん!?違・・って待て、話を・・・・聞いてくれなさそうね、
そうよね。君ってそんな子よね・・・兄さん悲しい・・・・そんな訳で逃げるが勝ちだよもん!」
「逃がすかぁぁぁ!!!!
加速装置ぃ!」(カチ)
志貴が哀しみの顔をして秋葉の一瞬の隙をつくり、窓から逃亡しようとしたが
その背後に秋葉が謎の掛け声と共に一撃必殺の蹴りを喰らわし志貴は空に消えていった。
そして、それを見ていたカリコリルリは色々な意味で帝国に恐怖した。
「・・・っとそうでした。レンさん本当に申し訳ありません。
わざわざWUCより起し頂いてると言うのに私の兄が非礼な行いをしてしまい
どうお詫びしてよいものやら・・・
あ、そんなに恐がらないでくださいな、帝国でこのような行いをするのは
兄くらいでして他の人は皆良い人ばかりなんですよ」
「は、はぁ。そうなんですか。ええと・・・それはともかく着替えさせてもらえないでしょうか?
いい加減この格好恥ずかしいんですけど」
自分の置かれている状況から早く逃げたい思いのおかげで
秋葉への恐怖に打ち勝ち、その場にいる人、特に舞姫の視線から逃れるように
真っ赤になり隠れながら答え、立ち直ろうとしたカリコリルリ。
しかしそんなカリコリルリに舞姫が一言・・・
「あ、あはは〜、でもレンさんのその格好可愛いと思いますよ〜
なんかぎゅ〜ってしたくなっちゃいます。似合ってますよ〜」
との舞の何か間違ったフォローによって再びルリは撃沈した。
そしてその夜――
秋葉の働きにより志貴達の計画していた企画は廃止され、ちゃんとした歓迎会が開かれた。
いくら和平のための初めての交換留学生とは言え、結構盛大なパーティーが用意され
ルリは数多くの人々に囲まれ多少戸惑っていた。
更にはパーティーの途中でいつのものように志貴やTAKAが暴れ、それを止めようとして
秋葉やあっぽこが勢い余ってそこら中を破壊したりとしていたために
ルリの顔はかなり引きつっていた
『一体なんなんだこの馬鹿騒ぎは?これが帝国の主要メンバーだと言うのなら
現在の帝国は大した事はないな・・・』
喧騒から離れ一人それらの騒ぎを壁際でそんな事を考えながら見ていたルリに
舞がアルフォンスとアウルを連れて近づいてきた。
「ルリさんごめんなさい〜、折角の歓迎会が何か滅茶苦茶になっちゃって
後できつく言っておきますから〜」
と少し涙ぐみながら謝る舞に『あまり一国の主とは思えないなぁ・・』と内心苦笑しながらも
「いや、大丈夫ですよ。これはこれで中々楽しいですから」
とちょっと渇いた笑いをしながら答えるルリ。
そんなルリにアルフォンスやアウルも
「マスターもやる時はやるんですけど、いつもはなんか壊れてるというかなんというか・・・」
「いやぁ、和平の交換留学が始まって浮かれるというか、いつもどおりというか・・・」
と全くフォローになってないフォローをしていたりしていた。
そんな騒がしい歓迎会の会場に突如警報が鳴り響く。