
THX−11381971年アメリカ映画
監督/ジョージ・ルーカス
出演/ロバート・デュヴァル ドナルド・プレゼンス マギー・マッコミー薬物で精神を制御し、ロボットがパトロールをする超高度管理社会でTHX−1138という番号で呼ばれる主人公(ロバート・デュヴァル)は、同居するLUH(マギー・マッコミー)が薬物を抜きとっていたことで次第に人間的な感情が芽生えてくる。そしてこの管理社会では禁じられている肉体関係を交わしてしまい、THXは薬物拒否罪で投獄される。しかし行動を不審に思っていて密告をしていたSEN(ドナルド・プレゼンス)も、一緒に投獄されていた。SENはその後も終始あっけらかんとしていたが、THXのフラストレーションはたまる一方。そんな彼がこの社会から地上に脱出しようと決意し、永遠に続くかと思われる白い牢獄から脱け出そうとする・・・
というわけでSF映画にありがちな、近未来の管理社会という舞台を設定し、そこから脱け出す主人公の姿を描くことによって、高度経済時代の管理社会を痛烈に批判した内容の作品。まあその批判のレベルがどの程度なのかは置いておいて、人間的感情に目覚めた主人公が地上を目指す姿が単純にさわやかな感動を与えてくれる佳作です。この主演のロバート・デュヴァルの無表情さが世界観ととてもマッチしていました。で、彼が最後に脱出を果たしたときにかかる音楽が「マタイ受難曲」の第一曲目「来れ、娘たちよ、我とともに嘆け」なんです。マタイ受難曲というと、暗い、重い、という意見もあれば、重層、荘厳という意見もある、まあ双方まとめればとてつもない音楽(なんだそりゃ)。これがなんというか、達成感と爽快感に満ちたラストを彩っているようで感動的でした。
ストーリーだけでなく、作品の美術にも驚かされます。白を基調とした舞台構成。この白さが管理社会の冷たさを連想させ、またコンピューターによるマニュアル的対応は、人間の温かみというものを全く感じさせません。そんでもって薬物投与による精神安定=マインド・コントロール。うわぁ、こりゃ○○○だ・・・(自主規制)まさに異形の世界。特にびっくりしたのが、教会の懺悔室みたいなもので、「この時代にも宗教あるんだなー」と最初は思ったのですが、実はそれがコンピューターによるマニュアル対応で、この世界の宗教は、コンピューターが作ったマインドコントロールの1つだったりする。で、それが「購買」を進めてるんですよ。物を買え、物を買えと。社会に命じられて作ったものを、社会のすすめで買わされるという、なんともおかしな話。そう言えば、カール・マルクスは、理想的な共産主義は高度に資本主義が発達した社会においてこそ達成されるとかなんとか言っていたような(違ってたら恥ずかしいなw)。もしかしてこれが理想的な共産主義だったりして・・・という憶測と健忘症による信頼性に欠ける情報が入り混じった暴論は置いておいて、とにかく変な社会なんです。こんな社会でホントに生産意欲、購買意欲は起きるんでしょうかねぇ・・・
あ、あと僕が個人的にお気に入りなのは、ロボットの警官。これがまた動きがたどたどしくて大丈夫なのか?と。ギャグかと思いましたw あと、カッコいい車!うん、これはカッコいいですよ。最近ヴィッツとかフィットとか丸々した車が流行ってますけど、やっぱ車はカクカクしてるやつか、ああいう趣味的なスポーツタイプがイイ!以上、個人的な趣味の話で締め括らせて頂きます。