大河ドラマの宝箱



ここでは、大河ドラマに関する小ネタ話を集めたり書いたりする予定。
「大河ドラマ」っていつから?

現在、NHKでは1964.1.5「読売新聞」朝刊のテレビ欄に掲載された 「大河ドラマ『赤穂浪士』」の見出し記事を公式の大河ドラマ使用の最初としています。
この言葉は読売だけに掲載されていて、同じ日の「朝日新聞」は“大型番組”、「毎日新聞」は“連続ドラマ”とあって、呼び方が統一されておらず「大河ドラマ」の呼称がNHK側から出たものかどうかは判然としていません。
「読売新聞」では、翌年には“文芸大河ドラマ”、以下“大型時代劇、大河ドラマ”(1966)、“歴史ドラマ”(1967)の表記に変化しそれ以後『樅ノ木は残った』の番組紹介までテレビ欄から「大河ドラマ」の表記は消えます。以下参考まで新聞のテレビ欄での変遷の一覧をご覧ください。

三大新聞番組欄での番組名の冠表記一覧
タイトル    日付    読売新聞       朝日新聞    毎日新聞
花の生涯    1963.4.7  連続時代劇      連続時代劇   連続時代劇
赤穂浪士    1964.1.5  大河ドラマ      大型番組    連続ドラマ
太閤記     1965.1.3  文芸大河ドラマ    大型歴史ドラマ NHKTV大型時代劇
源義経     1966.1.1  大型時代劇大河ドラマ 大型ドラマ   NHKテレビ大型ドラマ
三姉妹     1967.1.1  歴史ドラマ      大型ドラマ   連続大型歴史ドラマ
竜馬がゆく   1968.1.7  (表記なし)     大型時代劇   NHKテレビ大型時代劇
天と地と    1969.1.5  長編ドラマ      大型時代劇   (表記なし)
樅ノ木は残った 1970.1.4  大河ドラマ      連続時代劇   歴史ドラマ
春の坂道    1971.1.3  大河ドラマ      (表記なし)  大河ドラマ
新・平家物語  1972.1.1  大河ドラマ      大河ドラマ   大河ドラマ

さて、「大河ドラマ」の語句の説明がはっきりと登場するのは、NHKからではなく『赤穂浪士』放送中の1964年春に行われたNETの時代劇『徳川家康』の制作記者会見会場からだったことが記録に残っています。
この席で制作責任者の阿木翁助氏(NHKのドラマ脚本も多く手がけている)が、NHKの大型連続時代劇『赤穂浪士』の追従企画ではないというアピールをこめてアンドレ・モーロワが作ったフランス語の「大河小説:roman-fleuve」から、「大河ドラマ」という言葉を自身が思いついたと明言しています。
その席での解説では、大河のようにとうとうと流れるドラマにしたいという意味がこめられてこの言葉を創作されたとか。つまり、時代劇に限定はしていないわけで、事実この「大河ドラマ」という言葉はNETの他の番組でも使われることになります(後述)。
ところが実際のところ前記のように『赤穂浪士』ですでに「大河ドラマ」という言葉は使われており、阿木氏が亡くなった今この真相は謎です。

NHKのほうでははっきりと、枠としての名称は考えてなかったようで歴代作品の台本の表紙にもその表示はありません。
『源義経』で「連続テレビドラマ」と台本に銘打たれてますが、これききり。「大河ドラマ」の表記にいたってはずーっと後年の『独眼竜政宗』まで台本に印刷されることはなく、それまでは台本では『源義経』を除いてただタイトルのみが表記されています。
一般には『花の生涯』以来「大型時代劇」と呼ばれていて、これで定着していた模様ですね。

ところがやがて、「大河ドラマ」の言葉は独り歩きしていきます。
すでに『赤穂浪士』放送中から、『徳川家康』(NET)だけでなく、『樅ノ木は残った』(TX)などの豪華な配役を集めた長編時代劇を「大河ドラマ」として俎上に載せた評論や記事が散見されます。(「テレビドラマ」1965年など)。『赤穂浪士』終了のころにはNHK大型連続時代劇も「大河ドラマ」のひとつされている記事もあります。(まだ多くの評論では「大河ドラマ」は民放のもの、としていますが。)
これら「大河ドラマ」と呼ばれた番組はNHKの他局では『幕末』(1964:TBS)、『風雲児半次郎』(1964:TX)、『宮本武蔵』(1965:NTV)、『いのちある日を』(1965:NET)、『真田幸村』(1966:TBS)、などがあったようです。
結局「大河ドラマ」の名称合戦は周知のとおりNHKの一人がちになり現在まで続いています。NHK自身が放送で「大河ドラマ」と呼んだのは『樅ノ木は残った』からだそうで(大河ドラマを記録しているMEさんの証言)、正式に採用されたのは『元禄太平記』からだったようですね。(2003年の朝日新聞の記事から)
そして、2004年の『新選組!』から、やっと放送された本編の頭に別カットのインサートで「大河ドラマ」と登場したのでした。
(この稿2004.01.30に改稿)
2005年の『義経』では、大河ドラマの呼称がタイトルとついに一体になってしまう。 オープニングで『大河ドラマ 義経』と一枚で表示されるのだった。 (この稿2005.01.10に追加)
Webcatplusの公開で「大河ドラマ」の用例がさらに遡って使われていることが判明。 小説新潮 1961-02 で荻昌弘が「伊の大河ドラマ(映画紹介) 」を寄稿。映画評論の世界ではすでに使われていたことが分かった。荻昌弘は読売新聞編集部とも密接なかかわりがあり、読売新聞で最初に「大河ドラマ」が使われた経緯にも関連している可能性がある。このあたりさらい詳しい研究が必要かと思われる。(この稿2016.06.01に追加)

今後の予定

大河ドラマ前史
大河の最多出演者は?
脚本家人脈で見る出演者
大河ドラマのスキャンダル史
大河ドラマのライバルたち
大河ドラマに出ない人たち
大河ドラマの未来は?
etc...

制作発表があるたびに、いの一番に配役予想を数年前からやっています。
結果はどうでしょう?
配役予想

ページ作成 2003.2.11
資料の引用にあたってはのよりんまで御一報ください。

・・・noyorin@yahoo.co.jp



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