おどのバン先生の思ひ出    dancing master, Joe O'Donovan 


joeodonovanvideo  先生のビデオがNTSCとなったのは実に喜ばしい限りです。

先生のことは、日本でもアイルランド関係書籍2冊に紹介されています。
私が最初に先生にお会いしたのは、93年のクレアはミルタウンモルベイの、ウイリークランシー サマースクール 初参加時でした。
当時CCEジャパンのダンスクラスに在籍していた山下理恵子さんに「ジョーのクラス、とても楽しいわよ」 と勧められたのがきっかけです。
何しろセットダンスも始めて大して経ってない頃で、緊張の連続でしたが、そんな心配は全く必要ありません でした。

 当時すでに70代でしたが、年の割に長身で堂々たる体躯、整った顔立ち、悪戯っぽい水色の目。
都会育ちらしい、しゃきしゃきした話っぷりはまるで江戸っ子を思わせました(コークっ子ですが)。
結構大声で出したり、ぽんぽんと物を言いますが、皆それを嬉しそうに聞いています。
気風がいい、とでも言うのでしょうか。
 ジョーには素敵な相方がいます。奥様のシボーンです。
小柄でふっくらした、チャキチャキ娘がそのまま年をとったような可愛らしい老婦人です。
(昔の写真を見せてもらったら、アイドルのような可愛さ。ジョーはハリウッドの俳優のようにハンサムでした)

 セットダンスというと、どうしてもリールの人気が高くなってしまいがちのようですが、
コークは アイリッシュ ポルカ の本場。
彼のポルカはどっしりと落ち着いているのにすうっと軽やか。(あの体重で?と思いました)
足元からは小気味良い音が程よく生まれています。大変粋なものを感じ、こんなにポルカってカッコよいの?と
思いました。それで私は今でもポルカ好きなのです。
ポルカ、というと若さや体力にまかせた、ぼんぼん飛び跳ねて踊るようなものが頭に浮かびますが、先生のは
一味違いました。
でもぜんぜん年寄臭くはなかったです。燻し銀と言うには、ちょっと精力的な躍動感を感じたくらいです。

 毎日のクラスは楽しく過ぎていきましたが、ダンスリサイタルの夜、ついに先生のステップダンスを拝見する
ことができました。
トラディショナルミュージック、ダンス界の重鎮である先生は、司会も引き受ける忙しさでしたが、クラスの時と
同様のきびきびした話っぷりが楽しい。
先生方がステージに登場です。一人ではなく、奥様のシボーンと、小柄な15、6歳の、感じの良い少年
(パトリック・オデイ)とのトリオ形式でのホーンパイプでした。
これを見たことが、その後私が活動を続ける柱となったのです。

 気風の良く、優しい先生は、日本からの2人目の参加者である私をとても可愛がってくださいました。
たぶん実年齢よりずっと若いと思っていたフシがありますが。。
帰国してからの12月、Xマスにカードを送ると、お返事をいただき、とても嬉しかったのをよく覚えています。
 昨年お会いできたセイリーン・タブラディ先生の、このうえなく上品で軽やかなクレアスタイルのダンスとは
対照的な、小粋かつ躍動感あるダンス、という印象が強いです。
それは現在では、若きダンスマスターで、オドノヴァン先生の後継者のパトリック・オデイによって、引き継がれて
います。
オドノヴァン先生が素晴らしいダンサーであることは言うまでもありませんが、その魅力的な人間性が先生の人気や
敬意を世界中から集めたのは間違いないでしょう。
(2001年6月20日/KOKO)


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