Niall O'Leary Dance Troupe 東京公演リポート


2001年5月26日(土) 東京・文京シビックホール公演

 米国はシアトルのアイリッシュバンド、 The Suffering Gaels は日本での知名度はそれほどでもないが、すでに何回か来日経験があるそうだ。昨年夏にシアトル在住の女性フィドラーに会った折に「シアトルにはアイルランド人がたくさん住んでいて、バンドをやっている人たちはお金を稼ぎによく日本へ演奏しに行ってるのよ。アイリッシュ・ミュージックはとても盛んなの。日本人も住んでる。」とうれしそうに何度も口にしていたのを思い出す。
また、ダブリン出身の男性プリンシパルダンサー Niall O'Leary も、昨年日本のTV番組で紹介されたことがあるようだが、それでも 彼を知る人はほとんどいなかったと思う。
この5月26日の公演には会場が区の施設ということもあってか、多くの50代ぐらいの人たちが観にきていた。イギリスの踊りが出るんでしょう? と口にしている人もいることから、このあたりの音楽やダンス愛好者としての知識はおそらく持たない人たちのようだ。

 バンドの演奏が始まり、やがてダンサーが踊りながら出てくる。本来なら始めNiallが登場した時点で拍手が欲しいところだが、上のような状況もあって客席全体としての反応はオープニングでは薄い。
ダンスの演出は、場面から場面、動きから動き、への途切れのない流れとスピード感が印象的で、また基本的なステップを音楽とともにとても大事に使っているように思えた。
ダンサーは総勢12人だったが、観客の眼はおのずとNiallに集中していく。そして客席全体の反応が早くなっていく。拍手の反応も次第に早くなってくる。

 モダンスタイルの踊りは、オールドスタイルやセットダンスなどと比べると、動きのはなやかさ重視で、そのためにはどうしてもリズムをある程度犠牲にしなければならない。
しかしNiallの踊りは音楽的であり、体の動きの上下がとても自然で美しい。
 Niallと女性プリンシパルのJoanna(?)を中心に、アイルランド人とアメリカ人以外にもアジア系のダンサーを含めた人たちが踊る。身長もプロポーションもひとそれぞれに異なるダンサーたち。残念ながら、バックダンサーのダンスの実力にはばらつきが見られたものの、もし人種・身長・プロポーションの違いを踊りでうめることができたなら、最高だと思う。(興行によっては、バレエ団のようにあらかじめある程度基準を設けているのではないだろうか。)

 12人全体の群舞では、Niallを中心に考えると、頭の上下がどうもそろわないダンサーが気になる。特定の2・3人組みユニットができていて、12人が並んだ中で ABCが踊って次にCDEFが踊る、というような時にCはDEFとは何となくは合っている。しかしABとはまったく合っていない。ABはそろっている。そして12人の群舞となると一部がモグラたたき状態に。
こういった「?」と思わざるを得ない部分も確かにあった。しかし、Niallと女性プリンシパルダンサーのペアの実力はすばらしいものだったし、シンクロナイズト・スイミングのデュエット種目の演技のごとく息もぴったりな女の子ペアの踊りもなかなかだった。女性プリンシパルのダンサーは、踊りの中に場面場面でモダンバレエやタップダンス的要素の動きをかなり取り入れていた。これには見る人の好みやポリシーにより、いろいろ意見があると思うが、男女ペアでのシーンでは彼女の動作がNiallのダンスとのコントラストを生み、かえってタップダンサーなどが演じる「アイリッシュ風ダンス」とは異なる、本来の踊りの部分を浮かび上がらせていたように思える。

 終演後、中高年のお客さんたちの楽しそうな顔やNiallの教則ビデオを手にした日本の アイリッシュダンサーらしき人たちの希望にあふれるような眼が印象的な公演だった。
(2001年5月28日) ※評判どおり、チャーリー・シーンに似てた。チャーリー・シーンっていま、なにやってるのか? (アイリッシュダンス?) 


2001年6月10日(日) 多摩パルテノン公演

   一度見たからいいと思っていたが、やはり吸い込まれるように二回目へ。
回数をこなしたからか、先の公演では日本語のアンチョコを時々見ながら話していた Suffering Gaels のヴォーカリストの Finn も、口がのってきたようでお客さんも彼の日本語に大いに受けている。

ダンスのオープニング部分は女性ダンサーたちがスピードにのって交互に現れて踊る。構成と踊りを変えてあるようだ。この女性の踊りの連続で客席が充分に盛り上がってから、Niallが登場。やはりかっこいい。ここでまた客席がわく。
彼も演奏ができるのだから、途中でその腕前を見せればさらにうけるのだろうが、それではバンドの影が薄くなってしまう。
 ダンスは、どこをどう変えてあるのか、具体的には判別/記憶できなかった。特に中盤がよくわからなかったが、フィナーレでは、横一列のラインでのダンサーの並び順を変えていた。前回の合わなかった組み合わせのダンサーたちを眼で追うと、やはりそのひとたちの配置が違うので、動きのムラの改善をはかったと思われる。そして、その横一列での フィナーレの踊りの構成も、前回とは違っていた気がするのだが。(いいかげんですみません。)

 ただ、連日の日本一周ツアーでお疲れのせいか、目立ったムラを少なくしたりなどの改善は見られたものの、全回見たときのほうが気合が入っていたような印象を受けた。また、良くはなったとはいえ、踊っている最中や踊り終わったあとのダンサーとダンサーとの間隔がばらけているところが少々気になる。Niallも、日本の観客、特に日本人ダンサーとの交流によって、いかに日本人がアイリッシュミュージックとアイリッシュダンスへの関心が高いかわかったはずだ。

 来年も来日の予定があるそうなので、どれだけチームとして成長しているかが見ものだ。 次はどのくらい私たちを満足させてくれるのか、楽しみにしている。
( 2001年6月11日)  ※評判第2段!のとおり、横向いたらミスター・ビーンにも似てる。。。 年とったらローワン・アトキンソンになるのか?
 若いうちに公演ビデオが欲しいですね。中高年のおばちゃんたちが、彼の教則ビデオ買ってました。売り場には何のビデオとも表示がなかったけど。
ねんざしたおばちゃんが増えてたらやだな。

文 : 上海帰りのR


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