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過去の公演
cineman.6 「ばばあめし」
2012年4月4日(水)~4月8日(日)
八幡山 ワーサルシアター

cinemanと銘打って
作品作りを始めてから10年が経ちました。
気がつけば ひっそりと
思いがけず10年です。

10年での6回目という数に、
作品作りへのスタンスが如実に表れているのかもしれません。
そして、作品として表出したいものは
笑っちゃうほど10年前と変わってません。
変わったといえば、
作品に向き合うときにたくさんのものを欲しがっていた自分は、
いまは「いらない、いらない」と思うんです。

たとえば…こんな一片の詩があります。
これまでも演劇やら映画やら
多々引用されているのでご存知かもしれません。

~日々のいのちの営みがときにあなたを欺いたとて
 悲しみを、またいきどおりを抱いてはいけない。
 悲しい日にはこころをおだやかにたもちなさい。
 きっとふたたびよろこびの日がおとずれるから。

 こころはいつもゆくすえのなかに生きる。
 いまあるものはすずろにさびしい思いを呼ぶ。
 ひとの世のなべてのものはつかのまに流れ去る。
 流れ去るものはやがてなつかしいものとなる。

…そんな芝居が書けたらなと思って
10年が経ちました。

あ。
定食屋「ばばあめし」の二階を舞台とした
cineman.6です。

 

ご挨拶 (当日パンフレットより)

本日は、ご来場誠にありがとうございます。
はい、こうして
cinemanとして公演を打つのも、10年という歳月を数えてしまいました。
「自分こそが観たい芝居を」との一心で立ち上げたプロデュースですが、
もちろん自分一人だけで続けてこられたわけでなく、
この間に携わってくれました、cinemanist、スタッフの方々、
そして劇場に足を運んでいただいた観客の皆々様、
そう、まさにこれをお読みの皆様があっての表現活動でございました。
この場をお借りしてまずは御礼を。本当に本当にありがとうございます。
定期的に公演を打つことを目的としてきたわけでもなく、組織化がしたかったわけでもありませんので、
周年記念とか銘打つ気などさらさらありませんが、自分の中ではちょっとだけ襟を正す芝居でございます。

そんな今公演ですが、なんとも一筋縄ではいかない、難しい創作となりました。
たとえば、定食屋を営む女将、異母姉弟である娘と息子、そして住み込みの従業員の女と、ここで飼われてる犬。
誰がどれほど、あるいはどれくらい、この場所に、そしてこのコミュニティに思いを馳せ、ここでどう生きたのか、
そんな断片を切り取ったcineman.6です。
たったそれだけの、当たり前の営みを描くことの何が難しかったのか…
いつも通りの、いつもにも増してcinemanらしい、でも新たなcinemanです。

そして、やっぱり今回も願うのは、
皆様が登場人物たちを「観る」のではなく、彼らと「出会って」いただきたいのです。
どうぞごゆっくりお楽しみください。

cineman 鈴木 穣


cinemanist
コメントテーマ「私の忘れられない飯」
堀 ひろこ
近藤はるか 役

台湾育ちの私の忘れられない味と云えば、子供の頃に良く食べた朝食の温かい豆乳と油條(揚げパン)とか、近所の店の餃子や牛肉麺、路上で売っていた焼き小龍包など・・・他にも沢山!!
ただ、もう一度食べてみたいとふっと思い出すのは、現在、施設にいる祖母が「今、これに凝ってんのよ」と作ってくれた肉ロールのトマト煮。
人参といんげんの豚のスライス巻きを玉ねぎのみじん切りが入ったトマトソースで煮込んだおかずで、私が中学の夏休みだった。
もう祖母が作ることはないけれど、今度会いに行く時に作り方を聞いてみようと思う。
正に、私にとっての「ばばあめし」だ。
戸塚なをみ
藤田藍子 役

小さい頃は親が共働きだったから、おばあちゃん家にずっといました。小さい頃はそれが嫌で、嫌で。
だってお菓子も好きに食べられなかったし、例えばチョコは5つまで、ポテトチップスは8枚まで。
理由は夕飯が食べられなくなるから。でも子供だからたくさん食べたくて。こっそりたべたり。笑
夕飯は夕飯で煮付けだったり、煮魚だったり。小さい時は嫌いでした。やっぱりハンバーグ食べたいし。
でも小さい時あんなに嫌だったおばあちゃんの料理、今じゃものすごく食べたい。
一応成長できてるのかな。

秋山 静
野上子音 役

何年か前の12月。忘年会に参加していたのですが、だんだん気分が悪くなり途中で帰宅。
そこから朝までトイレで負け戦。次の日も1日中何も食べれず寝込む始末。。。
お酒が弱い方ではないので体調悪かったのかなと思いつつ、後日友達にその話をするとなんと!同じ日に同じ症状だったことが発覚!実は前日にその友達とテーマパークで一緒に遊んでいたのです。
記憶を辿ると同じものを食べたのは「エビまん」だけでした。寒いなかハフハフしながら美味しく食べたのになぁ。

赤坂美穂
勝又 葵 役

やっぱり母の作ったご飯かな。どれというわけじゃないんですけど。
高校時代のお弁当は魚や煮物が多く、空けたら茶色い感じで…健康のことを考えてくれたんだなぁとか、日々の食卓には野菜炒めの頻度高かったなぁとか。
仕事をしながら家族の食事を作るって大変だったと思うし、子供の時の食事は特に大事だと思うからそういうご飯を作ってくれたことに感謝してます。
特別な思い出もないけど、毎日食べさせてもらったという意味で忘れられないです。

石嶌弘忠
ハジメ 役

しょっぱい話なんですが、20歳の時、トムヤムクンを食しました。甘かった。あ、自分が。
あまりにも辛すぎてスプーン一杯をカルアミルクで中和しながら、という苦い思い出。
辛いもの苦手なんです(笑)…あの頃は子供でした。
でも、今ならカルアミルク無しでも完食できる気がします。なので、近々リベンジ大作戦を画策しています。苦手なものを克服した時、ちょっと大人になるんでしょうね、きっと。
ちなみにトムヤムクンの意味は、トム(煮る)ヤム(混ぜる)クン(エビ)だそうです。

石野理央
野上 守 役

中学に通い始めてから高校を卒業するまで、母親は毎日僕に弁当を作ってくれていた。
弁当にはいつも卵焼きが入っていた。母親が作る弁当といえばなぜか必ずおかずのひとつには卵焼きだった。他のおかず達がどんなに入れ代わっても、卵焼きだけはいつも同じ大きさで、同じ色で、同じ味で、弁当箱の定位置を確保していた。
作ってもらってて失礼だけど別にすごくうまかったからとかではないと思う。すごく好きなものでもないし、これがないといけないというわけでもない。
毎日食べていたからだろうか、何の気なしに食べ続けていたからだろか。どうにも忘れられない。

眞田惠津子
野上尚子 役

公演先の宿で漁に出た親父さんが獲ってきたイカやアワビ。
女将さんが楽屋に差し入れてくれたウニ飯やイクラご飯、夜食の梅うどん。
亡き父が作った煮魚や八つ頭の煮物。亡き姑が作った柚子雑煮や竹輪の煮物。
素材が新鮮、味がおいしいだけでなく、そこにはいつも芝居に明け暮れる私への応援、暖かな思いやりの心があった。
決して真似の出来ない味。どれが一番なんて決められない。
本日は「ばばあめし」へようこそ!定食ご馳走出来ず残念ですが、私達が丹精込めて作り上げた「ばばあめし」が、皆様の心に残る一作品に加わりますように…。

鈴木 穣
柴田千春 役

ガキの頃、お世辞にも裕福とは云えませんでしたが、月に一回くらい、仕事に追われていた親が外食に連れてってくれ、それは一にも二にもないイベントでした。
ある日連れてってもらったのはビル屋上の展望レストラン。
子供だけに食う気満々でしたが、その円形レストランは店自体が緩やかに回って360℃景色を楽しむ…のが売り。なんとその回転に酔ってしまった俺。
手すら付けられずじまいのハンバーグと、残念そうな親の顔が今でも忘れられません。
スタッフ
脚本・演出 鈴木 穣

照明 福田美香
音響プランナー 土屋由紀
音響オペレーター 根岸 裕
舞台監督 松井佐知子
舞台美術 中野 祐・ゆたか
宣伝美術 島 英紀・ゆたか
ギター曲 石野理央
映像 市野龍一
企画・制作 cineman
協力 芝居舎「然~zen~」 / オフィスチャープ / 大判社 /
株式会社オフィス・エミュ / 株式会社フレッシュハーツ / ツバメヤ合同会社 /
関山美穂子 / 月岡澄子
劇場
八幡山 ワーサルシアター
住所:東京都杉並区下高井戸1-8-4 Toyaビル.3 B1F
TEL:03-5371-0255