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過去の公演
cineman.7 「ビールのおじさん」
2013年11月6日(水)~11月10日(日)
八幡山 ワーサルシアター

劇的ではない人を描きたいと思ってきたのかもしれません。
いや、劇的でない人などいないとも考えます。
というか、
そもそも何をもって劇的というのでしょう。
人は一生懸命にその他大勢であることに抗い、
自分の人生を美化したり、あるいは時に否定したり
忙しく生きています。
でもそんな虚飾も卑下も作為でしかなくて、
ただありのままのそのジタバタしてる様こそが
その人自身を映すドラマなのかなと思ったりです。

今回も、お客様のためなんてうぬぼれたことは宣わず、
何より自分が観たいと思える作品こそを、
力まず騒がず、てらわず、構えず、うそぶかず、
もろもろいろいろに囚われずに
らしく、なりのcineman.7です。

鹿児島県のとある農村地、
主の死により売りにだされることになった旧家へ
いわくありの近縁類縁やら別にそうでもない人やら、
とぼれんちんな(冴えない・パッとしないの方言)人々が集います。
人生はなんてぶさいくで空回って、
でも、それほどにやっぱり愛おしい。

cineman 鈴木穣




鈴木穣さんと出会ったのは、燐光群『カウラの班長会議』オーディション。
失礼ながらその場で一番年長に見え、じっさいその通りであった。台詞を読むと誰よりも適確であった。
そして誰よりもシャイであった!
繊細さも落ち着きもあって、若々しい野性味も感じさせる魅力的な俳優として、
『カウラの班長会議』では大活躍していただいた。
俳優としての「幅」があり、年齢設定が難しい役をこなすことができるので、
次作『帰還』でも頼りにさせていただくことになった。
彼は劇作・演出も手掛ける。「日本の劇」戯曲賞の受賞作を読ませていただいた。
俳優として「芝居を知っている人」が書いたという「鬼に金棒」というべき手応えがある。
その中の一つの役を「これは君だね」というと、図星だった。
芝居を知り、自分を知り、それを活かす術を知っている。
それが鈴木穣である。

坂手洋二
(燐光群主宰・日本劇作家協会会長)




cinemanこと、鈴木穣さんの芝居は、なんというか味わい深い。
自分は芝居の何たるかを全 く分かっていない。
自分はドキュメンタリー映画のカントクである。
フィクションに全く興味がない。
ではなぜcinemanの舞台を見るのかというと、
それは普段ナレーターとしてお世話になっているからと、
知り合いの作品ならそれをドキュメンタリーとして見ても怒られないだろうと思うからだ。
ドキュメンタリー的にcinemanの舞台を見るとはどういうことか?
それはアラやほころびを探すという意地悪な見方だ。
演じているはずなのに、こぼれ出てしまう役者の素や人生を感じて悦に入るという恥ずべき観劇スタイルである。
鈴木さん、ごめんなさい。
ボクはいつもあなたの舞台を芝居というより貴方自身の生き様として見ています。
そんな見方をしてもcinemanの舞台は、とても味わい深い。
みなさんもぜひ觀てください。

里田 剛
(元サンジャポフリージャーナリスト・現ドキュメンタリー映画カントク)




劇作家の清水邦夫さんは、
「劇作家が書いた戯曲はまだ寝ている。それを起こすのが演出家や俳優である」と仰っていました。
やはり劇作家の生み出した言葉は、演出家の解釈や俳優の声と体を通してこそ、
本当に生きた劇言語になるのだと思います。
2012年春、私の演出で鈴木穣さんの『にわか雨、ときたま雨宿り』を上演しました。
その過程では、鈴木さんと私とドラマドクター(演出家とは別の視点からのアドヴァイザー)で
何度も議論し、書き直しを繰り返し、刺激的な現場になりました。
作家には、苦しみと喜びが入り混じった時間になったかもしれません。
しかし、公演終了後「忘れられない作品になった」と仰っていたので、
この経験を活かして、より質の高い作品を生み出すことが期待されます。

西川信廣
(文学座演出家・日本劇団協議会会長)




鈴木穣さんと出会ったのは、2012年の冬でした。
作家と、役者という出会い方でした。
苦労性、というのが、二人の共通の持ち味だったのか、
わりと早くに、いろんなことを、深酒しながら長々と語り合ってたような…。
それから半年くらいして、彼のチーム、cinemanを見ました。
苦労性全開の、いい芝居でした。
いつか、何かの拍子に、穣くんの苦労性が軽くなって、
穣くん、私生活で幸せを手に入れるかもしれません。
でも、そうなったら穣くんの芝居は、
穣くん自身が一番気に入らないモノになるんじゃないかと思います。
…ややこしい奴やな、君は。
でも、それが持ち味なんだよな…。
ユタカ、頑張れ!

有馬自由
(劇団扉座俳優・鈴木穣脚本「にわか雨、ときたま雨宿り」出演)




ご挨拶 (当日パンフレットより)

ここ何年かで、自分を取り巻くものがいろいろと変わりました。
環境が変わり、与えていただいたもの、発信することへの意識も変わりました。
出会いもありました。別れもありました。そしてきっとこれからも。
それでもcinemanは、果たして変わったのでしょうか。
相も変わらずのcinemanなのでしょうか。
そんなことが頭に過りながら、1年半ぶりのcinemanを迎えようとしています。
誠実な作品を観たいと思い、自分こそがそうして在りたいと思い、
いやいや、その前に誠実ってなんだ?なんて問いがブーメランのように返ってきたりもし。
たとえば、自分が誠実さを持って誰かと対しても、それがそう受け取られるとも限らないわけで。
そもそもその相手が、こちらの誠実さなんて望んでもいなかったりとか…。
大変です。
そして、まさに今回も、そんな生きるってことの交々に翻弄され、抗ってみて、負けたり逃げたり、
たまには打ち克ってみた気になったり…
な人々の泣き笑いのcineman.7です。
…やっぱり相変わらずのcinemanの気もします。

こういった形でのcinemanは、きっとこれでひと区切りです。
毎回全霊を尽くしてきましたし、その時その時の自分の心からのありったけでした。
でも、脚本を書くなら、演出を担うなら、そしてプロデュースをするなら、
もっともっと学び、鍛え、大きくならなくてはならない自分です。
もっともっと階段を上がるという、意欲というか衝動が生まれています。
そしていつか…。この大切な場所へ帰ってこられたらとも思います。

本日は、ご来場誠にありがとうございます。
cinemanに集っていただくcinemanistは、
いつも必ずしも舞台をメインに活動している役者さんばかりではなく、
ここでしか交わらない、もしかしたら今後も交わる機会はないかもしれない、
そんな多様な、まさにこの作品だったからこそのメンバーであるのが、
ひとつの大きな特徴なのかなと感じます。
決して楽しいことばかりでない、なんだったらきついことのほうが多い稽古を乗り越え、
自身の研鑽と思いにより、それぞれの役の人物を身に宿し、
本日ご来場の皆様の眼前にて、鹿児島県の農村地で交錯する人々の人生を覗かせてくれるはずです。
どうか皆様が、彼らとともに豊かな時間を過ごしていただけますことを。

cineman 鈴木穣


cinemanist
吉川亜紀子(テアトル・エコー)
福元倫代 役

倫代さんへ
私は、劇団の旅公演で鹿児島に3回行きました。1度目は、桜島の温泉で風邪をひき、2度目は平川動物園に感動し、3度目はすごい台風でした。
全国各地をまわってきましたが、鹿児島はその中でも思い出深い土地です。倫代さんはそこで生まれて、生きてきたんですね。
私が触れたあの空気を感じながら、倫代さんに近づいていけたらいいなと思いながら、稽古に励んできました。
現実から目を背けてばかりの私ですが、もうしばらくおつきあいくださいね。
森 香緒留(株式会社ALBA)
田之上めぐみ 役

めぐみさん
貴女を見ていると、歯痒くもあり…羨ましくもあります。
器用なのか不器用なのか、幸せなのか不幸せなのか、強いのか脆いのか、 貴女は、様々な色を見せてくれましたね。
でも、やっぱり。貴女は強くて逞しい…私はそう思うのです。
貴女に出逢って、可否や善悪だけではカテゴライズ出来ない、『白でもなく、黒でもない』その間にある様々なドラマを知る事が出来ました。
めぐみさん、貴女の思う『貴女の幸せ』が…どうぞ貴女の近くに在ることを、信じ続けて下さい。

粟野志門(テアトル・エコー)
福元智和 役

智和へ
お元気ですか?とぼれんちんシンドロームが続きますね。
僕もうだつが上がらず、日々もがいています。
でもあなたは自分の意思に関わらず、僕とは違った行動を取る人でもあります。
こうなるとあなたと僕は似て非なるもの、演じるにあたってこれは難しいことになりました。
この紙一重の差を埋めていく作業を最後までやっていきますが、出来上がったものを観て智和さんがどう思われるか少しドキドキします。
あなたは決して無口な人でもないですしね。

秋山 静
福元美希 役

美希へ
朝晩冷え込む季節ですが、元気ですか。私は鹿児島に行ったことがないんだけど、どんなところ?料理とかお酒とか美味しそうだよね。私焼酎好きなんだ。あ、美希はお酒飲めるんだっけ?
結婚して10年かぁ。こちらは未だのらりくらりの独り身です。
一人の人と一緒に過ごして行くのはどんな感じなのかな。楽しいことだけではなく苦しいことも沢山あると思うけど。でも、やっぱり少し憧れます。
かと言って、焦ってもいない所が問題か。
美希の、鹿児島の女性の、強さやたくましさを見習わないとね。

石嶌弘忠(株式会社フレッシュハーツ)
藤井慶一郎 役

慶一郎へ
思います。自分は慶一郎みたいな人と友達になれるんだろうかって。
慶一郎は良い奴だと思う。自分とは真逆で、だけどどっか似てて、どっちだよって話だけど(笑)それでも友達になれるかな?って。
…もし慶一郎みたいな奴と友達だったら心強いだろね。
今の時代、いろいろあってモヤモヤしてる今の時代こそ慶一郎みたいな「友達」が必要なんじゃないかなって思うよ。なんとなく。
なんだか最近いろいろ難しくて、上手く出来なくて、道に迷ってる。自分の弱さと甘さのせいだけど。
だからこのタイミングで慶一郎に出会えたことには正直感謝してる。ありがとう。

石野理央(大判社)
田之上 正 役

田之上 正へ
正との出会いは僕にとって突然で、正直、戸惑いを感じてしまいました。きっと生きてきた道も感じ方も僕とは全然違う人なのかと思っていたから。
正には大事なことをおしえられました。
年を追うごとに大きく感じる自由や不自由の中での不安。他者に迷惑をかけなければ生きていけないことを知ること。
おしえられたというより自分が無意識に避けていた部分に目を向けさせられました。というか、、再確認。それを確認出来たからって何ができるか。わからないけど、大切なこと。 出会えてよかったです。

上野嘉子
福元智香 役

智香へ
いや~、智香は強い子だね。
でも、そう言ったら、「好きでそうなったんじゃない」って言われそうだけど。
私も東京へ出てきてから、強くなったけど、図太いって、周りから言われるけど、智香には全然及ばないわ。(笑)
でも、あんまり気張ってると、疲れちゃうよ。今はまだなんとか大丈夫かもしれないけど、もうあと数年もしたら、可愛げのない歳になるしね。(笑)
私は智香に結婚とかして欲しいな。強がってるけど、家族は好きなんだろうから。ね!

安城レイ
松川麻子 役

麻子へ
貴方は、私が持っていない顔を沢山持ってますね。大人な所も無邪気な所も。
多分、人には誤解されやすいタイプかもしれないけど、本当は強い心を持っていて誰よりも自分の気持ちを貫いてる。ストレートに表現出来る貴方が私は好きだし、絶対私には出来ないことだから羨ましいです。
人を愛するってこんなにも人を強くさせるものなのですね。私も貴方みたいに生きられたら、そう思う時もあります。そんな貴方を私は愛おしく大切に思います。
いつまでも貴方らしく生きて欲しい。それが私の願いです。

上田うた
福元 尚 役

尚へ
尚には本気で心を許せる人はいる?
私にとって両親は親であり、また世界で一番信頼・信用でき、心許せる親友でもあるの。
きっと尚も心のどこかではお母さんとそうなりたいと思っているはず。私は二人が一緒に笑い合っている姿をみたいな。
尚自身が心を開かなければ誰とも信頼関係は築けない。
でも尚は十分気張ってるよね。誰にも相談せず、自分で何でも決断するところは尊敬します。
尚!ひどい男ばかりじゃない!世の中捨てたもんじゃない!一緒にそう、信じましょう!
いっそ、慶一郎なんてどうですか…?(笑)

鈴木 穣
福元智良 役

智良へ
思えば、君とも長い付き合いです。君がまだ卵にすらなる前から、まだ作家の頭の中で形すらなさない頃から、ずっと君のことばかり考えてきました。
起きてる時も寝てる時も、飯食ってる時も別の芝居やってる時も、君みたいなおっさんのことを…。気色悪いわ。
鈴木穣もなかなかのもんですが、君もかなりの社会不適合上級者です。ダメ人間がダメ人間を演じるなんて、笑い話にもならないけど…。もし君が目の前に現れたら、そんなもん確実に揉めるか、お互い無視って感じなんだろうけど…。
だけど、悔しいけれど、君になりたいのです。
スタッフ
脚本・演出
 
鈴木 穣

照明 池田圭子
音響 土屋由紀
舞台監督 中野 祐
舞台美術 岡田志乃
宣伝美術 島 英紀 / ゆたか
方言指導 山村 賢
企画・制作 cineman
協力 芝居舎「然~zen~」 / 一般社団法人日本劇作家協会 /
公益社団法人日本劇団協議会 / 燐光群 / オフィスチャープ /
テアトル・エコー / 株式会社ALBA / 株式会社フレッシュハーツ / 大判社 /
ツバメヤ合同会社 / 松井佐知子 / 関山美穂子 / さとう優衣 / 他
劇場
八幡山 ワーサルシアター
住所:東京都杉並区下高井戸1-8-4 Toyaビル.3 B1F
TEL:03-5371-0255