ROSSWELL

言わずと知れた、UFOに関する事件で最も有名な出来事である。

 1947年7月3日、ニューメキシコ州ロズウェルにある、フォスター牧場の管理人マック・ブレーゼルは、自動車で放牧地へと出かけた。すると、母屋から12キロメートルほど行った先で、多量の見なれない金属性の破片が、100メートルにわたって散乱していた。しかしそのときは別に気にもならなかったので、そのままにしておいた。しかし5日、ブレーゼルはもっと調べてみようと思い、破片の幾つかを拾い集め、隣家のプロクター夫妻の家に持ち込んだ。
 見れば見るほど奇妙な物体で、夫のフロイドが、アルミ箔のような薄い破片をナイフで削ろうとしたが、またく刃が立たず、ライターの火で炙っても燃えなかった。もっと奇妙だったのは、紙のような物質をクシャクシャに握りつぶしてもシワ一つ残さず、すぐに元の状態に戻ったことだった。
 6日の晩、ブレーゼルは町に用事で出かけ、はじめて空飛ぶ円盤騒動に気づいた。ひょっとして、自分が回収した物体は空飛ぶ円盤の破片だったのか?そう考えたブレーゼルは7日になって、残骸の一部を持参し、郡保安事務所へ届け出た。今まで見たこともない奇妙な金属片を目の前にした保安官、ジョージ・ウィルコックスは何かを感じ、すぐにロズウェル陸軍航空基地に通報した。





"コロナにある牧場で、妙な物体が墜落した"これを聞いた第509爆撃大隊情報部のジェシー・A・マーセル少佐は、同隊の指揮官であるウィリアム・ブランチャード大佐の指示により、CIC(対敵情報部隊)の将校シェリダン・キャビットを伴って、現地へ赴いた。彼らは丸1日牧場に留まって調査を行い、翌日、破片類を1つ残らず回収して基地に持ち帰る。その後、現地に到着した陸軍航空隊と憲兵隊によって、牧場はたちまち封鎖され、翌日の7月8日、基地司令官ウィリアム・ブランチャード大佐の命令により、基地広報担当官ウォルター・G・ハウト中尉を通して、このような発表を行った。





かねてより噂されていた空飛ぶ円盤の存在が昨日、現実となった。ロズウェル陸軍航空基地第509爆撃大隊情報部が、ある地元牧場主とシャベス郡保安官事務所の協力を得て、空飛ぶ円盤を回収した。この飛行物体は先週ロズウェル近郊に降下した。電話設備がなかったために、保安官と連絡が取れるまで、この牧場主が円盤を保管した。連絡を受けた保安官が第509爆撃大隊情報部のジェシー・A・マーセル少佐に通報したのである。陸軍はただちに行動を開始し、牧場主の自宅で円盤を回収した。円盤はマーセル少佐によって点検を受けたあと、少佐から上級指令部に移管された。


軍が空飛ぶ円盤の存在を認め、さらには墜落した円盤の残骸を回収したと公式に発表したのである。、全米は大騒ぎとなり、ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズをはじめとする各地の有力新聞がこの事件を取り上げ、AP通信により広く海外に知れわたった。ところが、この発表からわずか数時間後、軍は、円盤を回収したという報道は誤報であり、墜落したのは単なる気象観測用気球に過ぎなかったと発表した。誤報の責任は、報道官に過ぎないハウト中尉が負わされた。ハウト中尉は、基地指令官ウィリアム・ブランチャード大佐の指示を忠実に実行しただけだと反論した。
 しかし、当のブランチャード大佐は、その日のうちに休暇を取り、記者団の前には姿を現わさなくなった。一方で、第8航空隊指令官ロジャー・M・レイミー准将は記者団に気象観測用気球の残骸を披露し、改めて訂正報道を行った。そこで同じく8日、牧場を閉鎖状態にする軍に疑問を抱いた地元のラジオ局の局長ウォルト・ホイットモアは牧場主のブレーゼルから直接コメントを取ろうと、全米にインタビューを流す段取りを進めていた。
 しかし、ワシントン連邦通信委員会の会長スロウィから、同局のオーナーに直接電話が入り、国防上の問題から一切の報道を禁じると通達。命令を無視すれば、ラジオ業界から永久追放すると脅される。やむなく、ホイットモアは放送中止に同意。そしてインタビューするはずだったブレーゼルは1週間近くも基地内に軟禁され、帰宅してからは事件に関して一切口を噤んでしまった。

以上がロズウェル事件の概要である。この事件では、宇宙人の遺体も回収されたとの情報もあり、50年以上たった今でも真相は明らかになっていない。


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