ビートニクラジオ

玉袋「さあ、というわけで、街で一番の男、浅草キッドです。よろしくお願いします」

博士「あんちゃん(殿)きていただいてますからね。」

殿「結構噂になってるじゃねえか。『ラジオやってるんだって』って、大阪で言われたよこのあいだ。」

玉袋「大阪で流れてませんよ、殿」

殿「こっちでとったカセット送ってもらったんだって、ファンの奴が」

博士「一部ではものすごい話題になってるんですよ」

殿「一部だろう?」

玉袋「もうちょっとやっぱり、ドカーンと一発爆発させましょう」

博士「長野オリンピックぐらいの話題にならないといけないと思ってるんですよ」

殿「長野オリンピックなんか、しょうがねえ、あんなもん」

博士「殿、これは死活問題なんですよ、これは。見てくれました?堀井学のそっくりさん、玉袋筋太郎。」

殿「だめだよ、お前、泣いたって、清水に抜かされておわりだろう」

博士「いや、僕らはオリンピック強化選手として玉袋を任命して、徐々に徐々に似させたんですから」

玉袋「そうですよ、スキンヘッドにしてちゃんと」

殿「俺も見て笑ったけど、あんまりそっくりなんで。これはいけるぞと思ったよ、俺だって。そうはうまいこといかないんだよ」

博士「経済効果はすごかったんですよ。もしもあれで金メダルなんか取ってたら、ひっぱりだこですよ。どの局まわしても、玉袋が堀井選手ですっつって、スケートできないんですってすっころぶっていう。荻原兄弟より似てるって言われたんですよ」

殿「双子だ、バカヤロー」

玉袋「双子に勝ちました。でも応援してたんですよ、うちの家族なんか、みんな」

殿「俺、勝てないと思った」

玉袋「何でですか?やっぱ僕に似てるってからですか?」

殿「顔がスラップだもん、だって。顔の目鼻がスラップになってるから、離れちゃうんだよ」

玉袋「黒目と白目が下のまぶたとスラップで離れてるんですか」

殿「だめなんだよ、スラップ顔は」

博士「ウチはでもね、オリンピック的に言えば、居酒屋の清太郎か筋太郎かっていうくらいね、宣伝効果バツグンだったんですよ」

殿「うまくいかないもんなんだよ」

玉袋「四年後ですよ。また四年またないといけない」

殿「甘いんだよ、だから。俺みたいにな、コマネチが出た後コマネチなんだから。お前、出ると勘違いしてやってるんじゃないの」

博士「言えてる!オリンピックで利用したっつったら、殿ですよ」

玉袋「そうだ。あ、一番それで儲けて」

殿「いまだにお前、コマネチで」

博士「コマネチだけで食ってんだよ」

殿「堀井なんていうのはよ、勝たなきゃだめなんだよ」

博士「これ四年に一回のチャンスだったんだよ」

玉袋「一杯のみにいっちゃおう、アイツと。清太郎にさそって呑みにいっちゃお。ボトル入れちゃおうあいつに、もうくやしいから」

殿「なかなかうまくいかないんだ。そういうのはな。運だよ」

玉袋「僕らも長野行ってきましたよ。一日だけね。二時間だけですけど」

博士「競技はなにも見なかったですけど」

殿「交通の便もどうにもなんねえんだろ?」

博士「長野まではすごい近いんですよ。新幹線で一時間半ですよ」

殿「俺、オフクロの病気見舞いで何回も行ってるんだ。今ダフ屋だらけだろ?」

玉袋「外人のダフ屋、大もうけですよ」

殿「外国でキップ売れねえから、ぜんぶ安く持って来て、お前」

博士「ヨーロッパでダブついたやつを持って来て」

殿「安く買って持って来てたんだから」

玉袋「日本のダフ屋のシステム、儲かるっつって、オアシスの武道館のコンサートにもあらわれてたんですよ、あの外人が」

殿「そのうち、浅草兄さん会(注:浅草キッドたちのライブ)にも来るぞ、お前。200円のキップを50円っつって。でもカーリングのキップまで持ってたんだろ?あれも売ろうとしてたんじゃないのか?売れるわけないじゃないか」

博士「北京原人並みに値下がりしてましたもん」

殿「カーリングはいけないよ、お前。電気釜みたいの押してちゃ」

玉袋「だけどホッケーの選手の名鑑とかみてても、すごいですよね。なんか訳わかんない名前とか」

博士「だってカナダ人とかスウェーデン人とかね、半分以上帰化してますもん」

玉袋「それで選手みたらぜんぶ国土計画だから、あれ国土計画で出ればいいですよね」殿「西部だもん、しょうがないじゃん」

博士「だって名前もひどいんですもん。イモウ・ダスゾウとかって」

玉袋「芋に生まれるにカタカナでダスっていうんですよ」

殿「しょうがねえじゃないか、お前」

博士「たけし軍団の命名してんじゃないんだから。芋を出すってのはないじゃん」

殿「今度、モアモアのせがれなんか」

博士「あ、そうですよね。うちの軍団にも新しく新入社員ができました」

殿「あいつの芸名がすごいんだよ、ダブルモアモアの弟子で、サニー・モアモア・ジュニア」

一同「アッハハハハハハハ」

殿「意味が全然わかんないんだよ」

玉袋「最高!うらやましい。クヤシー」

博士「サニー・デイビス・ジュニアって人のパロディーで、サニー・モアモア・ジュニア」

殿「これはすごいだろう」

玉袋「すっげえくやしい。負けた」

博士「昔、でも、僕らがねえ、新人コント大会に出てる頃にねえ、サニー・デイビス・シニアって奴がいたんです。芸人で」

殿「おやじになってどうすんだ」

玉袋「黒塗りでコンチ、コン、コンコンコンコンっつって」

博士「マネしてるだけだろう。あー、でもいい芸名付けましたねえ。でも就職のシーズンですからねえ。三月になりましたからねえ。そろそろまた、たけし軍団集団就職」

殿「そうなんだよ、就職とか受験シーズン終わると来やがるんだよな。みーんなだめになっちゃうんだ。俺はね、辻料理学校じゃないんだから。」

博士「アハハハ。もう、専門学校作りましょうよ、たけし軍団の」

殿「儲かるぞ、お前。映画、演劇学校。千葉真一んとこみたいに受験料2万円取ってな」

博士「あれ、つぶれちゃいましたよ。JAC(JAPAN ACTION CLUB)」

玉袋「あれつぶれたんですよ。渋谷にビル建ててね。確かに、映画とお笑いですよ。テレビ制作」

殿「それで、お前、4年コースでだな、毎月八千円とか一万円とか学費とってな、専門コースは入学金200万円とるんだ」

玉袋「だんだんこう、ヤクザの手口になってくるんですね」

博士「そしたらね、僕らみたいに、十年選手になってきて、いざ、テレビの仕事がないって人は、講師として受け皿を。漫才は教えられるもん。学校つくりましょうよ」

殿「やだよ、バカヤロウ、お前。またなんか言われるもん。俺金のことになるとすぐ失敗するんだ。赤字になって。俺なんか、自分だけ食えればいいんだから。人のことなんかどうだっていいんだ」

玉袋「受け皿としてですよ、雨空トッポ・ライポなんかいまだに日雇いの仕事やってるんですから」

殿「あいつら?いい腕してんだけどなあ。いかんせんかわいそうなのは地味だよな」

玉袋「配水管を替えたりしてるんですよ」

博士「芸人の仕事でも何でもないんだよなあ」

玉袋「どこにツッコミ入れるって、地面にツッコミ入れてんですから、ツルハシ持って、ガツン、ガツンって」

殿「エライ、あいつらあのままプロになるかもわかんない。なれの男だあいつらは」

博士「朝4時集合っていうから何の仕事かと思ったら現場なんだ」

殿「がんばりゃ、何でもできんだから、な?」

玉袋「ロケバスの代わりだもんな。今、タコ部屋のバスが」

殿「ま、オリンピックもな、儲かったらいいや」

玉袋「だけど、あの、スノーボードの、尻もちついちゃったあの娘、僕ら見ててねー、渋谷の風俗店顔なんですよねー」

博士「ポラロイド顔なんですよ、ええ」

玉袋「すでに、もう、そういう店も出来てるらしいですよ」

殿「世界チャンピオン取ったこともあるんだろう?あと、頭からおっこったりして、揺れて終わりだろう?スケーボーなんかロクなもんじゃねえや」

玉袋「で、大麻ですもんね」

殿「大麻で、大丈夫だったんだろう?」

博士「あれ、よくOKになりましたよねえ」

玉袋「三田佳子の息子もスノボに出てればよかった」

博士「あ、それ質問とかありましたよ。たけしさんの息子さんに、小遣いいくらですかって」

玉袋「(ハガキ)『横浜市、いちかばちか。先日また芸能人の息子がデカイことやってしまいましたが、有名人の親をもつ子供というのは何らかの障害があるのではないかと考えてしまいます。とくにこの間の三田の息子の場合、自宅の地下の稽古場の葉っぱ遊びです。なぜ三田は、彼に毎月五十万も小遣いをあげていたのですか』」

殿「えっ?そんなにやってんの!」

博士「会見では否定してましたけどね」

殿「年間でうちの息子にやったことあるの一万円しかないぞ。あとかみさんが月に一万円ぐらいだろう。あげるわけないじゃないか、ガキなんかに」

玉袋「ちなみにですねえ、『その五十万は、長者番付で一位になった三田の税金対策っつってました。たけしさんも、おぼっちゃん、おじょうちゃんに、そんな大金をわたしてますか』」

殿「あげるわけねえじゃないか、そんなもん。だって、ガキにあげるって最高でも二万円だろう」

玉袋「何すんですか、高校生で五十万なんて。夢のような高校生ですよ」

博士「もう、クスリ買うしかないもんねえ」

殿「オレが子供になりたいよ」

博士「でも、外で付き合いをすると、悪い付き合いをするから、なるべく家で遊びなさいっつって、自宅の地下に呼ぶようにしてたんだって」

殿「そんなことを気にするからつけあがんだよ、ガキはな。ある時に、やっぱりねえ、子供は絶対親に勝てないってのを、洗脳させないとだめだ。一回はガキを半殺しの目にあわせてやんないと。うちの子供ねえ、オレの顔見て逃げるのねえ、小学校六年生のころ徹底的にやってやったから。だって母親を蹴ったりしたからねえ、アタマ来て。『小遣い頂戴』っていうから、『やだよ』って言ったら、ガンって、オレの見てる前で、久々にうち帰ったら蹴ったから、オレ、もう切れちゃって、『てめえ、何騒ぎ回ってる』っていったら、俺は親だからさあ、『何だよ』って言ったんだよね。ようするにそういうふうにしてたんだよ。おばあちゃんとか、かみさんが。『何だよ』って、バッカンバッカン殴ってさ。したら、母親とかは負けてくれるじゃん。『いたい、いたい』って。その気になってまた来るから。『何だこのやろう』ってやったら、ポカンとしてて、へんだなあと思ってまた来るんだ。最後もう、首おさえてずーっと踏んづけてて、テレビ見て、またたまに蹴ったりして、『こんど親に逆らったら殺すぞ』って言ったら、まっつぁおになってたけど、それ以来、なんにもしないもん。だめだよ、だから、犬と同じなんだもん、ガキは。ちゃんとしつけしないと」

博士「家庭内暴力を、親がやんないといけないんだ」

殿「だから、やんないから、後になって子供が親を殴ったりするんだよ。そこまでずーっと来ちゃうから。早目にガス抜きしとかないと」

玉袋「学校も鉄拳先生がやっぱいるべきですよねえ」

博士「今日はですねえ、この後すごいゲストがくるんで」

殿「来るのか、ほんとに」

玉袋「わかんないですよ、もしかしたら来ないかもしれませんね」

博士「前からお願いしてた方ですからね。我々非常に緊張してますけど」

殿「誰?誰が来るんだ」

博士「初対面ですけど」

殿「書いてあって知ってるよ。前田って書いてあるもん」

玉袋「前田」

博士「五郎」

博士「はい、というわけで、街でいちばんの男、ほんとにこの題名どおりですねえ、我々が念願とした、この対決を実現することができました。というわけで、こちらにゲスト、大物ゲストですね。リングス・ジャパンの前田アキラ選手に来ていただきました!

前田「どうも。こんにちは、ですか?今晩は」

博士「なんか、もう、緊張しますね」

玉袋「スタジオの空気がですねえ、なんかこう」

殿「お前らは、こういうことするんじゃねえ。後スカスカんなっちゃうだろう、次週から。バカヤロウ。あんまり早めにそういうことしちゃいけないの」

博士「これを実現させるためにこの番組を始めたようなものですもん」

殿「早いぜ、実現が。だから、後スカスカになるから、もうちょっと耐えろよ。この番組もう終わるんじゃねえかって時に出すんだよ。そうすっとまた生き延びるんだ。インシュリンみたいなもんなんだから。危なくなったら打つんだろうが。早めに打っちゃうからいけないんだよ」

博士「いや、もうそろそろ打っとかなきゃいけないんじゃないかという時期ではあったんですよ」

殿「そうとう弱ってるじゃねえか、この番組は。だいじょうぶか」

博士「あの、たけしさんと前田選手っていうのは何度か面識があるのかと思ったら、ほとんどないっていうふうに」

前田「十年くらい前に、カール・ルイスが来たときに運動会で、控え室で、チラッっと、なんか」

殿「ああ、そうだ」

玉袋「長嶋さんが、『ヘイ、カール』っていった時期ですね」

博士「そのときニアミスをした程度なので」

殿「俺、お前らみたいにずうずうしくないもん。お前らどこでも顔出しちゃ、あいさつしちゃうだろ?俺は長嶋さんとか、金田さんとか会ったのは、芸能界入って、漫才やってひとりだちしてやっと、タレントとしてどうにかなったかなーと思った時にやっと口きけたのだってあいさつの時に『こんにちは』って口きけただけで、その前はだめだ。ぜんぜん」

博士「僕らも控え室で直立不動で何もしゃべれないようなもんですよ」

殿「そんな思いまでして会うんじゃねえって、お前ら。もうちょっと余裕があって、何気なく『前田さん』って呼べるんならいいけど、こうやって『前田さん』ったって、だめなんだよ」

博士「プロデューサーがね、タメ口で前田さんとしゃべってんですよ。ものすごいあの人が偉いひとに見えてきましたもん」

殿「それは昔、近藤真彦を『マッチ』って呼んだADを偉いって思ったのと同じだ」

博士「前田さんから見たたけしさんの印象、いろいろあると思うんですけど、雑誌なんかで、たけしさんのやってることは、今のお笑いとは全く違ってて、いじめとかいろいろ言われてるけど、理知的な計算づくでやっていることで、全然次元が違うんだっていうことを話されてたってことを読んだんですけどね。最近の印象とか、あります?」

前田「最近の印象っていうか、なんかこう、やろうとしている守備範囲が広いでしょう。いつこわれるのかなあって思ってたけど、この人すごいタフですねえ」

博士「二回ぐらい壊れたんですけどね。壊れたけどそこから再生して」

殿「壊れたんだけどねえ、骨折とおなじで骨が太くなってきてるんだ。だんだん折れたところが強くなってる気がする。精神的に強くなったんじゃねえか。結局最初はもうダメだとか思うじゃない。立ち直ると同じような場面だったら勝てるってことなんじゃないかな」

博士「仕事に関してもそうですし。僕らはリングス応援団としてたけしさんのところへ呼ばれていくときには、必ずWOWOWのリングスのビデオを持ってたけしさんの部屋でいっしょに見るんですよ。よく前田選手の試合とか見ていただいたりするんですけどね。たけしさんはそんなに個人的な面識はないですからね」

殿「俺は、リングスはえこひいきなしに見れるっていうか、前田選手が勝とうが負けようが、試合を見たいって感じで、勝ったら勝ったであれだけど、負けたときにも負けたときで、相手がああ、こういうふうにやったんだっていうのを、わりかし冷静だよ」

博士「冷静ですよねえ。膠着状態になって、僕らが退屈されてるのかなあって思って『飛ばしましょうか』っていっても『ここは見る』って言って」

殿「最近、俺ずうずうしくてさあ、人情がないのかなんだかさあ、ボクシングの世界タイトルマッチでも、日本人が挑戦してるとさ、すごい応援するじゃない。いいパンチ当たると、むこうが三発打っても、こっちが一発でも有利のように見えてしまうじゃん。そういうのなくなったもん」

玉袋「じゃあ、リングサイドで立ち上がるオヤジみたいな気持ちはなくなった」

殿「全然ない。辰良なんかやったときも、外国からわざわざ来るじゃない。メキシカンの人とか来るじゃない。必死になって来てるわけじゃない。やっとチャンピオンつかんで、それで、カネが違うし、ハングリーだと思うから、それを敵地に乗り込んで、練習して防衛戦やるときのその人の方が、応援しちゃうときあるなあ。だから、すっごいハンデしょって戦うわけだから、じーっと見ちゃって、かえって、メキシカンの世界チャンピオンがKO勝ちなんかすると嬉しくなるときあるもんな。冷静に格闘技みちゃうから」

博士「ナショナリズムを持って見るのもなくなってきてるということですか」

殿「あんまり見ない。だって、ナショナリズムというのは、リングに上がった二人きりの勝負じゃない。ファンもいて、声援はあるけど、お互いに勝負してるときに、お互いの技をみてるときに、えこひいきするのは失礼だな、と思うね」

博士「前田選手自体がリングスネットワークっていうのを、世界的に」

玉袋「今、何カ国ぐらいやってるんですか」

前田「今はオランダ、グルジア、ブルガリア、あとオーストラリア、今活動してないんですけど韓国あと個人参加ってことですね」

博士「今、オランダ帰りってことなんですけど、オランダでもリングスの興行を定期的に始めるってことでやられてるわけですけどね。ちょうど二人ともオランダ帰りなんでね」

殿「だから俺、オランダで、前田さんには失礼だけど、二回いったのか。でリングスの話したら、『お前なあ、リングス出てるあいつ、普段の方が命かけてるやつだぞ』って、ボディーガードしてる、とんでもないやつだって。ストリートファイトみたいなことやってる奴だから、下手したらリングに上がった方が楽なんじゃないかって言ってる奴いたよ。麻薬やってるやつがいつ来るかわからないようなところで体はってる奴がリング上がっていくんだから、始めは結構甘く思ったんじゃないかっていってたよ」

前田「過去、オランダの選手、二人殺されてますからねえ」

博士「用心棒やってて、撃たれて…」

前田「いや、それはね、なんか店内でトラブル起こって、なかなか言うこときかないから殴ったりするじゃないですか。それを恨みにおもって、どっかで待ち伏せして、パンパンパンパンって撃たれたりして」

博士「だからリングの上の方が安全だっていうような環境で、バウンサーっていう、あのね、用心棒やってる方って本当に多いですよね。オランダだとね」

前田「でもね、とんでもない選手いますよ。ヒルマン・レッドって選手いるでしょ。あいつね、恨みを買ったやつに、四人に鉄砲持ってかこまれてね、どうしたかっていうと、ひるまずに、自分の持ってる拳銃で相手が撃つよりさきにぜんぶうっちゃった」

博士「格闘家でもなんでもなんでもないじゃないですか」

前田「それでね、正統防衛のはずなのに、過去やんちゃで大暴れしてるから、『お前が悪いんだろう』って、反対に留置場に」

殿「ロスいったら、前に行った時にね、ミドル級のチャンピオンがね、酒飲んでて、同じぐらいのやつが来て、『お前がチャンピオンか。俺のほうが強いんだ』って。『なにこのやろうっ』て言ったんだけど、酒飲んでるからボコボコにやられたんだって。そしたらその興行主がその殴ったやつ探してるんだって。でもグローブ付けたらめちゃくちゃ弱いんだ、それが。ルールがあると。ニューヨーク行った時によ、ギャング映画でドンパチ撃つじゃない。それでその気になってる奴がいるから、ボディーガード付くんだよ。ニューヨーク市警察。こんなデカイのが」

博士「たけしさん自体ギャングスターってイメージが強いわけですね」

殿「そうそう、だから、『タケシ、この人のあとを、いつもついててくれ』って。こんなデカイ人が、拳銃さしてエレベーターで前に立ってて、ドアが開くとキッとにらんで。記者会見でもずーっとたっててじーっと見てるし。勘違いする奴が多いから、シルベスタ・スタローンなんか『オレとやろう』とか言われて、映画だってのに、ぜんぜん関係ないの」

博士「名前を上げるチャンスだって思っちゃうんですよね」

玉袋「ブルース・リーも燃えろドラゴンの撮影中、ずーっとエキストラのなかで、みんなブルース・リーと戦いたい奴が多くて、困ったっつってましたよ」

殿「そういうのはね、あるんだよ。それをショーにしたのが、小林旭さん。小林旭ショーで歌うだろ。前で、一回目のステージでやじるんだよ。それ、仕込みなんだよ、東映のね。ヤクザの仕出しのやつ。『小林、コノヤロウって』っていうわけ。『何だなんだ。お客さん、ちょっとすいません。おまえらうるさいよ。俺はショーやってて、お前らのためにやってんじゃねえ。帰ってくれ』って。『何だ、コノヤロウ』って、上に上がってくるわけ。そこでやっつけちゃうと、『おぼえてやがれ』っていなくなって、『すいませんでした』って歌うんだよ。そうするとウワーッってなるわけ。そんでまた新潟いって四人仕込んどいて、『上がってこい』って言ったら五人いて(笑)。一人ドス持って本物がまじってて、スイマセンってのがあるからな。

博士「オランダの選手って、すごいでかいですよね。ものすごくオランダの平均身長って高いと思いませんでした?」

殿「オランダってね、植民地政策のころからね、凶暴だよ」

博士「格闘技っていうことに関して、日本人って根差してるものがあるってのは解るんですけど、ヨーロッパでは特にオランダっていうのは、格闘技が根づいてますよね。あれ、どういう国民性でそうなっていったんですか」

殿「あれ、だってお前、ほとんどの植民地オランダだろう。南アフリカから、インドネシアからなにから。ダッチって言葉はすごい凶暴だって意味もあるし」

玉袋「片方ではね、ダッチワイフという…」

殿「ダッチワイフってのはあったんだよ、インドネシアの時に、今の抱きマクラだよ。あの、藤であんだやつ。暑いから、あれを抱いて、上に毛布をかけて、風が通って涼しいから、あれをダッチワイフっていったのに、日本のあれが、へんなイメージでダッチワイフって持って来たから、オランダは怒ってるんだよ。ダッチカウントって言ったらワリカンとか。ダッチルールっていったらちょっと汚いルールだぞ、とか。だから、オランダっていうのは、格闘技なんかでは有名だぞ、昔から」

博士「前田さんがいってたオランダの平均身長が上がった理由っていうのが…」

前田「オランダ人がいわくね、オランダっていうのは海より低い土地なんでね、地下水が塩分を含んでるんです。牧草が育たないんで、平均気温も低いし。だから酪農を有効にやるために、第二次世界大戦ごろから牛にステロイドを使い出したんです。それが回り回って人間に影響したんじゃないかという」

博士「平均身長が男性で2メートル近いっていう…」

前田「二十歳の男の子の平均身長が86ぐらいで、女の子が76。ドールマンの息子なんか2メートル8ぐらいあります」

玉袋「2メーター8っていったら馬場さんより1センチ低い」

前田「2メーター8で160キロ」

博士「それが格闘王国で子供のころから仕込まれるわけですから、運動能力そのものの中にある体重とかデカさっていうところでは、かなり有利な地点にいますよね」

殿「基本的にさ、絶対数が多きゃさ、平均だから。だけど日本みたいにデカイ人は特別デカイだけであって、平均じゃないじゃない。その人がままた、そこで特別で、なおかつまたその中から特別に格闘技だから、じゃんじゃんじゃんじゃん薄まるよな。やっぱボクシングだったらミドル級一番強いもん。速さも」

玉袋「デカイ男にステロイド打つってのはどうですかね。それで種つけしていくと、オランダ方式でまたデカくなって」

殿「昔は東ドイツなんかコーネリアス・エンターってのとノーランド・マッテスっていう世界チャンピオン、水泳のね。子供作らして、隔世遺伝で、そのあとの子供に期待したんだから」

玉袋「じゃあ、ダービースタリオンみたいなもんで」

殿「そしたら、ベルリンの壁崩壊しちゃって、どうだかわからなくなっちゃった。子供も、金メダル同士の子供はまだ遅いってさ。隔世遺伝だからさ。そのあとまた金メダルの子供と子供同士をもっかいいっしょにさせるっていう。共産主義でやったんだから」

博士「サレブレット理論と変わらないわけだねえ」

玉袋「格闘界もそれをひとつ、競馬みたいにやってみたらどうですかね。前田選手の」 殿「前田選手はいいけどさ」

前田「種付けるのはどこでも付けますよ」

殿「格闘技やってるおねえちゃんの顔見たら、ちょっとまずいだろう」

玉袋「ヤワラちゃんじゃ、ちょっと」

殿「ヤワラちゃん、ちっちゃいしよ。柔道から来たプロの女の子いるだろう。神取。あいつはめちゃくちゃ強いよ。あれは男じゃないかと思うけどなあ。神取とセックスするときは押さえつけないとなあ。あれは強いぞ」

博士「寝業は強いしねえ、向こうのほうが」

玉袋「佐々木健介と北斗アキラ、女子プロの。あれはもう、夫婦になってますからねえ。維新力と、女子プロの選手、結婚しましたしねえ」

博士「新しい格闘世代が生まれてきそうな気がするんですが」

殿「女子プロの場合は、格闘技というよりも、マット運動とか体操に秀でた人って感じするじゃない、グルグル回ったりよ。あれは、格闘技じゃないだろ、だって。あれ、うまく見せるなあとおもって」

前田「あれは危ないですよ。昔、女子プロの選手教えてくれってんで、受け身どれぐらいとれるんだろうと思ったら、後ろ受け身ぜんぜんとれない。受け身とれないのにあんなことやってたら、恐いですよねえ。いつ死んでもおかしくない」

博士「実際去年事故あったりしましたからね」

殿「だから若さで体を酷使してるだけでさ、大変だぜ、あれ。やっぱりねえ、格闘技ってのはさ、俺スポーツだと思ってないから、格闘技だから。同じリングで方っぽ手を挙げて、方っぽはいつくばってるんだからさ、これほど残酷なことないじゃない。その位置にいる人って、ちょっと違うぜ」

博士「格闘家として注目する、もちろん自分の団体のこともあると思うんですが、他の団体とかで、どうですかね」

前田「辰吉ですね。あいつ、がんばってほしいですね」

玉袋「この間の試合、見ました?」

前田「見ました、みました」

殿「昔、最初の世界タイトルマッチの前に会ったんだ。俺に『一回でも負けたら引退しますよ』って言ったんだ」

玉袋「あの当時は、あれ売り文句でしたよね」

殿「うん。で、俺『絶対負けるよ』って言ったんだよ。『無敗で引退するなんて、そんな甘くないよ、格闘技って。よっぽど運のいいやつだよ』って。ロッキー・マルシアーノの時代の、バックにマフィアが付いてて、おどかし回ったかもしんないじゃない。結局、俺は『絶対、負けてももっかい行って、それを何度も繰り返して強くなると思うんだけど』っつったんだけど、そしたら、この間勝った時、『意味わかりましたよ』って言っててね。『負けるとかそういう問題じゃなかった』とか言っててね」

玉袋「でもファンとしては負けたら引退とかいう言葉にグッときちゃうんですよね」

前田「今、でもあんなことでも言える気概を持った奴っていないじゃないですか」

博士「『世界戦で負けるっていうことは世界に対して生き恥をさらしてるってことなんだ。それを俺は何回続けてるんだ。最終的にここでおれは生き恥をさらすために何度でも挑戦する』って言って、勝った時にはもう感動しましたねえ、僕」

殿「感動したけど、お前、負けた方のボディで倒された世界チャンピオンなんて、ボロクソだったぜ。泣いてたぜあれ、くやしがって。減量失敗したりなんかしたんだけど」

博士「スポーツと格闘技の違いみたいなものを、前田さん自体、まあ、プロレスって言葉もあるんですけど、プロレスとは呼ばれたくないってのもありますし、あとまあ、スポーツっていう概念もあると思うんですけど。スポーツと格闘技の違いっていうのはどういう所です?」

前田「今の格闘技でも、冷静に観てても、スポーツとちがうんかなと思ったりもするし、反対にプロだったら故障をかかえても結果をださなければいけないっていうこともあるんだけど、それだて他のスポーツにもあることだし。で、最終的には格闘技っていうのも壊し合いのはずなんだけど、でもちゃんとレフェリーがいて、これ若い選手によく言ったりするんだけど、ビビったりする選手に、『レフェリーがいて、ドクターがいて、セコンドがいて、何が恐い。あとは思いっきりやるだけだ』」

博士「安全を守る人はいるわけですよねえ。でもその中のシバキ合いをやれってよく言われるじゃないですか」

前田「っていうか、怪我するかもしれない、死ぬかもしれないっていうけど、それはかもしれない話で、そんなのその時考えたらいい。格闘技格闘技って特別に見るひとも多いんだけど、反対にそれがどうなんかなって自問自答したりするんです。アルティメットでさえレフェリーがいて、ドクターがいるでしょ」

博士「まあ、本格的殺し合いっていう意味ではないですよねえ。殿なんかが見られてどうですか。まあ、いろんな団体があるんですけどねえ。格闘技とスポーツの違いっていうのは」

殿「札幌オリンピック見て腹立たしいのは、夏のオリンピックもそうだけど、長野でも、無理にいろんな種目出してるだろ。モーグルとか飛び上がってて、どうしてこんな競技作っちゃったんだ。あとビーチバレーとか。いろんなスポーツを作ってそれを見にこさせて、経済効果を狙ったんだろうけど。やっぱりアルペンが、複合だなんだっていうけど、回転と滑降と大回転しかねえだろうと思うんだけどバンバン増やしたろう」

博士「根源的なものはそれしかなくてそれで競えばいいんじゃないかというのがありますよねえ」

殿「だから格闘技はその根源的なものをやりだしてるからいいんだけど、格闘技について言えば、今度はそれを、今のオリンピックみたいなことを言ったら、防具を付けて、右手だけの闘いでとっちが強いとか、そっちの方向にいってしまうから嫌いなんだよ。だから格闘技ていうのは制限されたルールでビシっとやってくじゃない。だけど今のスポーツというのは、ジャンジャンジャンジャンいろんな競技増やして、どうでもいいようなものをやってるから腹立たしいんだよ。モーグルもわけわかんねえし、エアリアルなんか、みんなあれ、体操選手じゃねえか。体操選手がスキーはいて、いい回転しておりたら金メダルで、それで喜んでるから、馬鹿馬鹿しいなと思ってる」

博士「オリンピックご覧になってました?」

前田「ああ、見ました、見ました。たまたまテレビつけてたら、ジャンプね、『ウー』とか延々聞こえるから、一体なんなんかなあと思ったら、泣いてるんですね」

博士「原田選手が団体戦で勝った後ですかね」

前田「あれ見て、マズいなあ、と思って」

玉袋「あの人普段から笑ってるみたいで、いい顔ですよねえ。幸せそうな」

殿「だけど、俺がいつも言うじゃねえか。ふりこのようにやった方が得なんだよって。たとえば、いい人がいて、いつもプラス5の仕事をやってる人が一生懸命プラス7の仕事をしたって、プラス2しかないんだな。2しかいいことをやったてしか思われないんだけど、マイナス10の奴がプラス5のことをやったら、15やってるんだ。だけど、7に比べれば、5なんだよ。だけど15動いたってことが、原田のすごいとこなんだよ。原田は最初79メーターなんだから、次に130いくつでしょ。どう考えたって舟木の方が偉いに決まってるんだから。二本ともちゃんと飛んでるんだから。だけど幅をかんがえりゃ、原田の方がこれだけ動いてるんだ。だから人間の感情はおかしなもんで、さんざん強盗殺人やったやつが、お坊さんになったらえらいと思うわけ。でもいつも施ししてる人がお坊さんになったって偉いと言わないんだよ。だからこの振幅なんだって。そんなふうに人間できてるから、みんな這い上がる映画が好きなんだよ。貧乏ややつがお金持ちになったって。お金持ちの家に生まれたやつがこれだけお金持ちになったってだめなの。人間はそういうこと好きなんだよ」

玉袋「だから舟木はふてくされてたんですかね」

博士「あんまり脚光あびないよね」

前田「だけどシレっとしてくれた方がもっとかっこよかったのにね」

博士「だけどたけし軍団入りって話もでてましたけど」

殿「なんでうちは誰でもかれでもくるんだろうなあ」

博士「ちょっとユニークなキャラクターがいると、必ず『たけし軍団入り』なんですよね」

玉袋「三田佳子の息子はもう、かなり入ってるっていう」

殿「三矢豊の息子も入るよていだったんだ。三ツ矢サイダーって。なんでもかんでもうちのところに来る。なべやかんだった。だから原田がやったことって、芸としては大ドサ回り芸なんだよ。79から130まで飛んで泣いたんだから。だから舟木はシラーっとしちゃうんだよ。『何いってんだ。俺二本ともちゃんと飛んでるのに、なんで原田なんだ。四年前あいつのおかげで取れなかったんだ』っていうんだけど、やっぱり原田になっちゃうんだよな。そういんもんなんだよ」

博士「でも、テレビなんか見てて、集団リンチに近いな、と思いますよね。79メートルの後なんか。見てらんないですもんね。まただめだったらどうしようと思って。テレビ見るが嫌だったね、あれ」

殿「おれああいうの見てると、本当の芸人は原田をやるとおもうんだ。二本とも130飛べるのに、わざと79飛んでしまう勇気のあるやつが、芸人のすごさで。よくやるじゃないか。ジャグラーがわざと落としたりして、みんな心配させて後でできたって。毎回それやるだろ。真の芸人は原田をやるなあと思って。原田は偶然なっただけだけど」

玉袋「長嶋監督の選手時代のエラーみたいな。得点差が離れてたらわざとエラーして、見せ場作るみたいな」

博士「偶然でもあれだけ何回もやれば偉いもんですよね」

殿「あいつものすごいタレントで、わざとやってたんだったら笑うな。すごい芸人だと思うけどな。あれたいしたもんだと思うよ」
博士「僕らは前田・ヒクソン戦を実現させたいっていろんな所に働きかけてね」

玉袋「この番組が始まった時にもずーっと言ってましたし」

博士「たけしさんにお金出してくださいって頼んでたりしてたんですけども、今は高田対ヒクソン戦が10月11日に決定したっていうことで、前田さん自体の試合はないっていうふうに考えてもいいんですかね」

前田「無理ですね。だから、うち、9月の14日、東京ドームっていうように交渉してたんですけど」

博士「二連戦するってことはありえない」

前田「そういう気もないみたいですね」

玉袋「ブランド品を発表したみたいですね。ヒクソンブランドって」

前田「すごい勘違いしてますね、あれね」

玉袋「洋服を発表して、そのうち原宿でコロッケ屋でも始めるんじゃないかって、カレー屋さんとか」

殿「俺だよ、それ、バカヤロー。北野インドカレーだよ。つぶれちゃったよ、バカ。赤字4億も出て、ひどい目にあったよバカヤロー、お前」

博士「たけしさんもヒクソンを見て、印象があって、日本で生まれたものが、ブラジルに伝わって、格闘技として削ぎ落としたものが生まれ変わったんじゃないかっていうような話もあったんですけど。前田さんにとって、ヒクソンっていうそのものはどうですか。いろいろな付加価値っていうか、商売っていうか、戦うためにいろいろお金がかかるってこともあると思うんですけど」

前田「たしかに、ある一点以上のレベルは持ってると思うんだけど、億とか払う価値ってあるんだろうかっていう」

博士「一度負けてしまえばその価値はなくなりますからね。値段自体は」

前田「昔うちの山本選手が彼とやりましたけど、デビューして二年目ですよ」

博士「あんときは苦戦しましたよね。高田選手が今度再戦するとして、ヒクソン選手との戦法は、今のままだと、勝てるのかなあっていうのは、周りの意見だと…」

前田「故障さえなかったら大丈夫じゃないんですか。雰囲気に飲まれなかったら。前回ちょっと雰囲気に飲まれたところがあったし」

博士「ブラジルでグレイシー柔術が一子相伝で伝わっていって、日本とは違うものができている実感ていうものは、あったりします?」

前田「違うものっていうか、日本はだから、スポーツ、スポーツっていうんだけど、彼らは本来のなんでもありっていうのをやってるだけなんじゃないかな」

博士「技術的にはそれほどでもと?」

前田「技術的にはだから、格闘技ならなんでもそうだけど、対応する能力っていう部分の、一番おいしい技術があるんですね。スポーツってなってしまうと、柔道は柔道同士でしかできないし、キックはキック同士、空手は空手同士ってなってしまって、対応しなくてもいいんですよ。空手は空手の一番特徴的な、殴るとか蹴るとかに対応すればいいだけの話であって、別に組んでくる奴がどうとか、どうだっていいでしょ。でも彼らはそういうもんじゃなくて、対応させるっていうのを忘れずにやっていた。状況もそうだったし。空手の前屈立ちっていうのも、今は使いようがないですけど、組んでくるやつがいると、生きてくるんですよ。今はもう型のなかでしか残らなくなっちゃったけど、もともとそういうのいっぱいあったんですよね。スポーツってなっちゃうと、そういうの省いて、勝つため。空手は空手同士、キックはキック同士ってなってくるんですよ。で、そのおいしい部分を忘れちゃうんですよ」

玉袋「たとえば柔道のメダリストが柔術の選手と戦ったらどうなるんですかね」

前田「現役のバリバリだったら別に。うちではルスカの再来といわれた、ちょっと足こわして柔道断念したんですけど、デニス・ラフェンっているんですけど、彼なんか、モラニスとどうしてもやらせてくれっていったんです。デニスだったらモラニスに勝つとおもうんです」

玉袋「木村正彦さんとヒクソンのお父さんがやったんですけど、木村の圧勝ですもんね。ガンガン投げて、バシバシ決めて、もう、おもちゃみたいに、人形みたいにガンガン投げてました」

前田「木村さんは2メーターの150キロのやつに挑戦して勝ったっていってました」

博士「そういう意味では勝つためにいくっていう気持ちで試合をやろうとは思われてたんですよね」

前田「いや、反対に本当に負けるってことがあるんかなーと思ったくらいで、なんでこれぐらいの選手で大騒ぎするんかなーっていうのが正直などこなんですけどね」
博士「前田選手は、今年引退が決定してまして、7月になるんですかね」

前田「デビューして20年です」

殿「前田さんはデビューして、20年経ったときに、運動神経とか、反射神経とか、一瞬アレって思うことが出てきたんですか」

前田「アレっていうよりも、ほどけちゃったっていう」

殿「俺はね、漫才やめようと思ったのはね、アドリブがパッとでなくなった時があるんだ。アラっと思った。『それはナントカじゃねえか』っていう、ナントカが出てこない。確かに知ってんだけど、言葉になんねえの。要するに、昔のポール中岡とか、すごいマニアックな名前とかあるじゃん、『お前はポール中岡か』とかさあ。今だったら『お前はガブリエルか、わけのわかんないことしやがって』とかあるじゃん。そのガブリエルがパッと出てこないことがあったんだよ。何回か重なったんで、ああ、もうやめようと思ったんだよ。もうだめだって。前はそんなの関係なく出たのに、一瞬アッと止まった瞬間に、タイミングがずれてて。前田選手は返し技とか出す時に、アレってことがあったのかと」

前田「いや、それ以前の問題で、こういう状態であんまりやってられないな、やっちゃ駄目なんだなあっていう、具体的に思ったっていう」

博士「故障自体もありましたしね。ひざ、肘と、何度も手術して」

殿「だけど前田選手の場合は、引退する踏ん切りが人よりも早いんじゃないかと思う。人よりも決断力が強いっていうかさ、アッサリいくなあって感じ」

玉袋「最初に前田さんが打ち出したスタイルってあるじゃないですか。今のスタイル。一番最初に引退を口にだしたんですよね、若いころ。でも団体が引退しようにもできない状態になったっていうか」

殿「だって、俺だって漫才ブームがワーっとなったときに、一番最初にやめるっていったんだ。それは見極めのつけかたっていうか。いちおうトップ張ってたって自信あるから」

前田「試合で壊れすぎたってのもありましたし、前年比の70%とかになってきましたし。気持ちがしっかりしてればなんとかなるんですけど、それがいまはでないんだろうなっていう」

殿「だって勝負のさ、馬場さんとかさ、いいんだよ、ほのぼのして寿命が長い。だけど、集約した栄光とか、緊張感とかないっていうかさ、フィフティ・フィフティだと思うよ。前田さんは現役の間にどれだけ緊張して、どれだけ密度の濃いことをやったのかであって、よく言われているプロレスというのは、わりかし薄まった形でファミリーでやって、当然長いけど、じゃあどの試合で一番緊張して、どれだけ密度の濃い試合をやったかっていうと、無いわけで」

玉袋「修羅場のくぐり方っていったら一番ですからねえ、前田選手は」

殿「だからトータルは、方っぽが60年やったのと、10年やったのと同じ濃さになるだろ。結局、薄めれば。だからしょうがないんじゃない」

博士「残念という気持ちもありますし、有言実行って気持ちも、僕らしますよね」

玉袋「そのなかで今年、アントニオ猪木さんが奇しくも引退すると。引退について前田さんの感想を聞きたいんですよ。4月4日4時ですよ」

殿「古館伊知郎がやるんだろ」

前田「あの人のすることは最後までわからなかったですね。一番猪木さんの近くにいて猪木さんの言うことを真に受けて外に飛び出してやってみたら、えーって思ったんだけど、もう後戻りできないから、つっきっちゃったっていう連中ばっかりですよ。藤原さんなんかも」

玉袋「その当時猪木さんは夢を語ったりしてくれてたんですか。俺が理想とするのはこういうもんでなっつって」

前田「いやあ、すごい熱かったですよ」

博士「一番猪木さんに批判的な存在で、いまだに猪木さんが昔言ってたことをいまだに守ってるのは俺で、一番いい弟子は俺だっておっしゃってますよね」

前田「自分が今やってるのは昔猪木さんが言ったことをその通りに実現してるだけです」

博士「じゃあ、20年前に猪木さんが今のプロレスはだめなんだって語ってたことを自分自身が実行したってことなんですよね」

前田「いろんなジャンルの格闘技の連中が一個のルールのもとに集まって、派を競ってちゃんと認められて、今のショープロレスじゃないものをやろうっていうのはずっと言ってましたからね」

玉袋「去年対談したじゃないですか、猪木さんと。あんときの対談で、猪木さんが最後に前田選手に、『これから一杯いくか』って誘ったじゃないですか。あの時なんで断ったんですか。あの誌面読む限り、前田さんがかたくなに『いいえ、いいえ』って断ってたような」

前田「あれはだいぶ編集者が気をつかってくれて、だいぶいろいろ…」

殿「猪木さんてのは、あれだな、島田洋七に似てるな。島田洋七の漫才論てすごいですよ。『漫才ってのは、テメエの人生全部しょって、マイクにぶつけるんだ』って、お前やってねえじゃねえかって(笑)。そしたら洋七の弟子がその気になってぜんぜん売れなかったって。『タケちゃん、そうだよな』『そうだよ』って言うんだけど、お前の漫才違うだろってのがある」

玉袋「どうしましょうね、猪木さんの今後は」

博士「前田さん自体はね、猪木さんのことを称して、『毒とカッコウの卵と究極のストリッパー』って言い方をするんですよ。猪木さんていう人は、どんな人にでも毒をまず植え込んで、その毒が回らなかったとしたら、カッコウの卵みたいに卵を植え付けて、猪木イズムを植え付けちゃって、他の鳥の卵を落としちゃうじゃないですか、カッコウは。で、それでもきかなくなったらストリップを始めて、ギリギリまで見せるんですよ」

前田「脱いだって勘違いさせるんですよ。お前だけには全部見せたって。全然脱いでないんですよ」

博士「実はそういうふうに脱いでないって、こうおっしゃるんですよ。だからね、師匠論を語ったときに、これほど師匠をとらえている人もいないんじゃないかなという」

玉袋「林家ペーが語る三平師匠よりもすばらしいたとえで。どうしましょうね、猪木さん、今後」

博士「4月4日に引退した後も、『新日本プロレスは引退しますが、新たに自分の道は始まります』って言うんではないかっていうのが僕らの予想なんですよ」

玉袋「僕ら復帰っていうのが…」

殿「ケーシー高峯さんの落ちネタみたいだな。営業行くと必ず『今まで二十数年間、皆さんの前でこれだけお笑いをやらしていただいて、今日をもちまして引退させていただきます』そうすっとみんな涙ながらにワーッとなるんだけど、『明日から新しいケーシー高峯を』『ふざけんなこのヤロウ』って(笑)」

玉袋「すべて猪木さんは、その辺を含んでるんですね。引き出しが、ケーシーさんのね。猪木さんにしごかれた話とか。基本的にはしごかないんですか」

前田「あのころは実動部隊で仕切ってたのは小鉄さんだからね。猪木さんはたまに癇癪とばして。『何やってんだ、お前ら。たるんどる』とか言われたら、叩かれるのが最後になってくるとだんだんきつくなってくるから、パーッと走っていって、一番最初に叩いてもらうんです。遅れるとどんどんひどくなってくるんで」

博士「前田さんはでも、本当に若手時代に猪木さんの目玉をくり抜こうとしたとか、そういうトンパチなことが多いですよね」

前田「いや、なんかもう、単純だったから」

玉袋「なんで目玉をくり抜こうとしちゃったんですか」

前田「空手バカ一代読んでたから、レスラーとやる時は、目突きと金的がって。一番最初の時は自分とこの道場から新日本プロレスに好意で扱ってくれて、道場を代表して行ってるから」

博士「別にプロレスラーになるつもりはなくて、自分は空手道場の代表としてしごかれてるという思いでいたわけですよね」

前田「18歳の小僧がね、一生懸命きばって」

玉袋「世界のアントニオ猪木に」

博士「スパーリングだって、天下のアントニオ猪木に勝つためには『よし、マンガで読んだあの目ん玉くり抜きしかないぞ』って…(笑)」

殿「危険なの来たなあ(笑)。猪木さん『ちょっと待て、お前』って」

博士「相当言ったらしいですよ」

前田「パーンと蹴ってこう行こうとしたら、『何するんだー』って」

殿「何すんだだろうなあ」

玉袋「それは芸人の世界で言ったら、大師匠の所に入って、いきなりつっこみ入れるようなもんですからね。漫才やらせてくれって言ってるようなもんですからね(笑)そりゃムチャだ」

博士「今、そんなやつ入って来ないですか」

前田「今そんな人いないですね」

玉袋「『よーし、俺も前田アキラをちょっとやってやろうか』みたいな」

前田「いやー、反対にそういう元気のあるやつがおったらいいんだけど、なかなかいないですね」

殿「今情報すごいから、頭で自分で考えちゃうんじゃないか。今まではあんまり見ることもないし。強いプロレスラーがいるっつったら『俺だって強いよ』っていうだけで。レスリングとか試合よく見られるじゃない。見たらわかるじゃない、だって。『ああ、違うわ』って。昔はいたよなあ、向こう見ずなのが。あんまり知らないんだよ、そういうの」

玉袋「昔は道場破りとかいたんですか」

前田「昔はね」

博士「相手してました?」

前田「してましたね」

殿「前にオーストラリア行って空手の先生がいて、あんまりデカくないんだよ。170くらいしかないの。そしたら190くらいの道場破りが来て、『空手の試合をやろう』っていうから、『お前空手知ってんのか』『今から教えてくれ』っていって、空手着着させて、まずあいさつの正座からはじめさせるんだ。三時間座らせたら足がしびれて立てなくなったんだ(笑)。そしたら思いっきり蹴ったって。蹴られた相手がコテンって倒れて、『よくわかりました』って言ったって。絶対勝てないと思ったんだって。足がしびれて立てないのをボコボコ蹴ったって。ひどいやつだろ?(笑)」

玉袋「いや、すばらしい戦法ですよ」

博士「それでも作戦だよね」

殿「だって、俺の友達だってヤクザのおやじを8時間かけて殴ったって。ボコボコにされちゃって、『すいませんでした。アニキ、いっしょに飲みましょう』っつって、スナックを4件もハシゴして、そいつをバンバンほめて、ベロンベロンになってもう動けないっていったら玄関で殴ったって(笑)ずいぶん飲んじゃ吐いて、飲んじゃ吐いて。酔いつぶれたらレンガで叩いたって」

玉袋「それが男の子ですよ、ええ」

殿「ずーっと狙ってたんだって。勝ちゃいいんだってよ」

玉袋「たくましい男が欲しいですね」

前田「今、お手本になる人なんかほとんどいないと思うんで」

玉袋「ヤングにメッセージを」

前田「自分のことで一生懸命で、自分のことだけを見て、人を見ずに。20代には20代のカッコよさがあって、30代には30代のカッコよさがあって、40代も50代もそれぞれ。で、30代にならないとわからないこともあるし、40代にならないとわからないこともあるし」

博士「お二人から見て今の日本の若者に対してそうとういらだつことがあると思うんですけど。まったく気に入らないっていうところが」

殿「いや、俺らの前に露出してくじゃない、いろいろ。それが気に入らないんだよ。裏にいろいろやってる奴がいるんじゃないかって、期待してる。どうしても目に付くじゃない。目に付くってことはやなやつだなこいつってふうにしか目に付かない。いい奴ってなかなかみっかんないじゃない、だって。チラチラして『あー、うるさい』ってのは、そういうのが目に付くからうるさいんであって。実はその裏には、おいらの好きな奴等が一生懸命やってるかもわかんない。だから、あんまり会えないないなーってのはあるんだよ」

玉袋「テレビ見ててもね、川島なお美みたいにイライラするのがチラチラ出てくるわけじゃないですか。ちゃんとした真面目にやってる女優さんもいるわけですよ」

前田「川島なお美さん、壊れちゃいましたね」

博士「僕らからみると、たけしさんと前田さんが僕らをしびれさせてるっていうのは、わりと体験主義的なところがあって、何でもこの二人は体験してるっていうのがあるんですけど。たとえば、バタフライナイフとか、問題とかありますけど、ああいう少年がナイフを持つとか、痛みが分かっていかないっていうのは、格闘技者としてもちろん痛みについてわかってるし、殿は殿でいろんなところで暴力はしてますし、そういうところの考えはどうなんですかねえ」

殿「だって、学校の持ち物検査は駄目だっていうけど、いっぱいやるんだ、徹底的に。すると、いかにオイラそれをかいくぐってナイフを持ち込むかの勝負なんだ。それはルールなんだから。それがアルティメット(何でもあり)はまずいんだよ。学校入ったら持ち物検査がちゃんとあって、それでも『俺はナイフ持ってんだぜ』って言ったらそいつは偉いんだよ。だってごまかしたんだもん」

玉袋「今なんにもなしでみんな持ち歩いてるから」

殿「だからそんなの使えないんだって、そんなものは。いかに隠したり、教科書外側だけカバー付けて中はエロ本だったり、よくやるだろ。あれがどうやってごまかすかの勝負なのに」

前田「もっと親は子供を叩かないとだめですよ。いいも悪いもないんですよ。なんで叩かれるんだろうっていろいろ本人が考えるんであって。全然ないでしょ、今は」

殿「だって、俺らヤクザの方が恐かったぜ、親より、教育は。タバコを吸ってたら、『テメエ、ガキ、このヤロウ』って言われて、『ガキのくせにタバコなんて吸ってんじゃねえ、コノヤロウ』って言われて、『親孝行してるのか?ちゃんとやらねえと殺すぞ、コノヤロウ』って言っていなくなって、『あの人ヤクザなのになあ。そんなこと言えた柄じゃねえだろう』って思うんだけど、会うと小遣いくれて、カッコいいなーと思って、親孝行しなきゃと思ったよな」

博士「倫理観があるわけですよね」

殿「一番うるさいもの、だって。親が言わなかったら、そのへんのあんちゃんが『テメエ、こんなとこ座ってんじゃねえ、じゃまだよ、バカヤロウ』って言われるし、けんかなんかしてると、『けんかもできねえのにやるんじゃねえ』って言われて、ボコボコにしてると、『そこまでやるか、このやろう、わかってるんだろう、お前』っていうのあったじゃない。今はそんなこと何にもないから、わけわかんないんだ。殴るほうも殴られるほうもわかんなくて、ガッキーンってのがあるだろ。棒でガッチーンっていっちゃうんだもの。そういうの、だめだよ」

玉袋「持ち物検査ってのは、やってもいいと思うんですけどね。バンバンバンバン、ほんとに。僕なんか、学生時代、めちゃくちゃにやられてましたけどね。毎週月曜日は頭髪検査だとか」

殿「俺ずっと思ってんだけど、俺らのときはさ、団塊の世代ってさ、一番数多いんだよ。一クラス六十人で十六クラスだから、一学年千人いるわけだよ。それの番長はケタ外れに強いし、頭いいのは東大とかマサチューセッツだから。だめなものは徹底的にだめなんだけど、中間層がいるだろう。大多数がさ、千人のなかに、九百五十人はいじめられたやつなんだ。そのやつが全部親になったわけだ。そうするとその時に暴力やめようとか言いだしちゃったんじゃないかと思うんだ。俺らはテメエ、コノヤロウって殴った方だから、ガキは殴んなきゃわからねえじゃねえかってのは意外に一部の意見になってしまったんだよ。そうすっと大多数は、『中学から高校とイヤな思いしたねえ』っていう人がいて、暴力はやめようよっていうのが大多数が社会的意見になっちゃったんじゃないのかと思って。それが全部出てきたっていうかさ」

前田「親とか先輩とかが物分かりよくなっただけですよ。なんか知らんけど、理由はわからんけど殴られたとか」

玉袋「ケツバットとかないですもんね。やられたら辞めちゃうんですもんね、みんな」

殿「だって、理不尽だもん、高校の先輩なんか」

玉袋「たけし軍団だって、めちゃくちゃ理不尽ですもんねえ。永遠に卒業しないんですよ。うちの一門は」

殿「こないだ、明治の松尾と話してたらさ、帝京のラグビー部がさ、強姦したのあったじゃない。『あんなの、屁みたいなもんですよ。我々に比べたら』『どうしたの』って言ったら、『僕が一年の時ねえ、ちり紙交換やってたんです』って。あいつ社長の息子だから、『なんで』って言ったら、『親は金くれないし、クラブ入ってるから』って。『なんでそんなに金使うんだ』って聞いたら、先輩がタバコ買ってこいっていうんだって。『金だ』って渡されるんだけど、紙っぺらに二万円って書いてあるんだって(笑)」

玉袋「いい先輩ですよ(笑)」

殿「その二万円の紙もってタバコ買いに行くんだけど、使えないじゃない、自分で金払わなきゃ。『はい、買ってきました』って言ったら、『お釣は?お前、二万円渡しただろう』だって(笑)。それで一万九千いくらのお釣、自分で払うんだって。たまんねーっつってたもん」

博士「それを文句言えないんですね」

殿「うん。それで『パチンコやってこい』って、百円もらうんだって。『出しとけよ』って、出るわけねえの。それを延々やってるんだって」

博士「その二万円を稼ぐために、バイトをやるわけですね」

殿「そう。それで自分が四年になったらもう、天下になって、『松尾券』ってのを作ったんだって。合宿所に、二段ベットのところにのれん付けて、一年生が来ると『いらっしゃい、何にしましょうか』って言って、カップヌードルにお湯入れて、『ハイ、2500円』だって(笑)。すごかったって言ってたよ。それの繰り返しだって言ってたもん」 博士「体育会って絶対そんなもんですよね。一年から四年まで永遠に繰り返していくわけですからね」

玉袋「今それ、ずいぶん薄れてますよね。プロレス界でもそういうところあるんじゃないですか」

前田「そんなことやったら辞めちゃいますよ」

博士「でも鉄拳制裁されるじゃないですか」

前田「うちはまだ、やる方ですよ」

玉袋「大忘年会で『オリャオリャオリャー』って、やっぱりそういう話になってくるんですか」

前田「忘年会はみんな酔っ払ってわけわかんないですけどね」

殿「俺んとこそうだな、俺新年会で大暴れだったな」

博士「うちはたけしさんそのものが鉄拳制裁やりますからね」

殿「交通事故起こす前だよな」

前田「なんで鉄拳制裁あったんですか」

博士「全員全裸でカラオケ歌ってたんですよ」

玉袋「殿も全裸で『時の流れに身をまかせ』を歌ってたんですよ。それでうち、一門入ったーって思ってて」

博士「それで東さんが喜んで、悪乗りして『歌えや、親分が歌えばええんや』って言ってたら急に殿が激怒して『さっきからお前、どういう口のききかたしてんだ』って、ボコーンってパンツ一丁で殴りだしたんですよ」

殿「素手であんまり殴ったことないから、明くる日グローブみてえに腫れてなあ。こんな腫れちゃって、よく折れなかったと思って」

玉袋「それで東さんの後、『おい、キッド、お前らも来い』って、『スイマセンでした』って頭下げた瞬間、下から蹴り入れられて。それでも辞められないんですよ、この世界」博士「あん時は十二人ぐらい殴ってましたよね」

殿「そりゃお前、講談社にくらべりゃ甘いもんじゃねえか。講談社はあれ、ウソつきだぞ。消火器とカサ持ったって、全部素手でやったんだから、ちゃんと」

玉袋「前田さんもね、某編集長女子便所連れ込み事件って」

殿「それはだなあ、テンション変わればコノヤロウって思うもん」

玉袋「武道館でしたっけ」

前田「極心の全日本大会。どっか連れてこうと思ったら、どこもいっぱいだったから。でふっと見たら女子便所がからっぽだったからよーしと思って」

博士「空手雑誌の編集者で、実戦の経験のある方なんですよ。で、前田選手のことを、『実力の測定がまだなされていない』とか、いろいろ書いたんですよ。そしたら『実力の測定をしてやる』って言って、便所に連れ込んでやっちゃったんですよ」

殿「俺なんか赤坂の深夜にさ、空手の型をやって極心の三段だっていうんだよ。あればびびった。誰もいないんだもん。決闘みたいだもんな。もうほんとに恐かったよ」

玉袋「それでもやっつけちゃったじゃないですか」

殿「だって、恐いからしょうがないじゃない、やんなきゃ」

博士「リキパレスの前でね」

殿「だけど、面白いんだよな。バッバッっとやって『こいつは勝てる』って思った瞬間にはすごい余裕がでて、いかによけようとか、ゲームになっちゃうんだよな。こうやってよけたりさ、とにかく引っ張りだそうとかって。それはね、もし余裕がある世界チャンピオンだとしてね、相手が格下でね、パッパッと一、二ラウンド戦ってみて、格下だと思ったらどうやって決め技を、なんの技でしめてやろうと思うのかなって。前田さんはそんなことないですか。かなり一生懸命やんないと勝てない相手は別として、ちょっと組んでみて『これ意外に簡単にいっちゃうかな』って思ったら、どの技を使って……」

前田「どの技っていうのは、自分のいやな方向には絶対に持っていかなせないですね」

博士「ストリートファイト自体でとどめを差すってことはないわけでしょう?」

玉袋「とどめさしたらヤバいじゃないの、だって」

博士「だけど、米兵とやってたりね、暴走族と最近もけんかしてたり」

殿「暴走族が逃げるだろう、だって」

前田「代官山の暴走族のところで、夜中二時ごろ帰ろうとしたら、スクーターに乗ってる奴が来て、十台か二十台ぐらい占拠してるんですよ。ずーっと待ってたんだけど、だんだんイヤになってきて、だんだん頭にきて。そういうつもりはなかったんだけど、ハッと気が付いたら車出てたから。『ああ、しまった』と思ったけど、もう行くしかないから」

玉袋「その瞬間が恐いですね。気が付かないけど表にいたってのが」

博士「だってさあ、最近の中学生がナイフを持ってどうのこうのって言うんだけど、前田さんの記事とか読んでみると、高校時代の空手の時には、真剣白刃取りの練習してたっつってさ、日本刀を振り回してそれを取る練習しててさ、それがすべって誰か当たったんでしたっけ?」

前田「先輩同士がやってて、取ろうと思ったら勢いあまって足切っちゃった。足切って、赤い線がピュってでたから、皮を切ったんだなって思ったら、病院いったら骨まで切れてたんだって」

殿「あれすごいんだよ、日本刀って。俺ね、ここまで入っちゃったんだけどね、ちょっとさわっただけでスパーっと入っちゃった。豆腐みたいにスーっと入っちゃうんですよね」

前田「そうですね」

博士「僕らから見ると、殿も前田さんも、いい鉄拳おやじなんですよ」

玉袋「そうなんですよ。学校の先生に、ぜひ。教育を、どこを変えたらいいのか」

博士「おやじ論をね。前田さんのお父さんって、宗教団体を一つ潰したとかって話ありますよね」

前田「うち、昔港区に住んでましてね。うちの家の真ん前が港区支部長の家だったんですよ。でまわりの家を全部入会させるんですよ。うちのおやじそんなの嫌いだから頑としていやだって。ある時その、福島さんが来てね、『前田さん、信心せんとね、ヨウコちゃんもアキラちゃんも事故で死ぬかもわかりませんよ』って言って。で、おやじそれでブツっと来ちゃってね、ビールをおいて、『アキラ、バット持って来い』って。そのままピューって走っていって、バリンバリンバリンって。『前田さん、何するの!』って。そしたらウーウーウーってパトカーが来て」

博士「そういうおやじなんだもんねえ。もう、強烈だよねえ」

玉袋「殿のおやじさんも、一升瓶持って熱海行ったら、また同じ一升瓶持って帰ってくる人ですからねえ」

殿「そらお前、生中継でミスター・アトミックに殴り掛かったおやじを三菱ゴールデンアワーで見たんだから。それで『やってやった』って言うんだから。その時リングサイドの六千円ぐらいのものすごい高い券買ってあって、六時開園なのに朝の十時ぐらいからいるんだもん、酒のんで。生中継で八時に見てたら、力道山出てきて、こんなちっちゃいハッピ着たおやじが一升瓶で殴りかかったら、若い衆にここ持たれてピョーンって投げ飛ばされてすっとんでっちゃったんだから(笑)。帰ってきたら血だらけになってて、『やってやったよ、あのヤロウ』って言うから『見てたよ、テレビで』っていったら頭かいてたよ『あのあヤロウ、汚ねえやろうだ』とか言って」

博士「そんなおやじになれないもんねえ、今の若いもんは」

殿「だって今、子供が安心するからいけないんだよ。今の子供両親見て安心するじゃない。自分の天下だもん、だって。何したって自分の親がちゃんとしてくれると思って。もっと不安にさせなきゃ。自分の親が何するかわからないっていったら不安だぜ。ぐれてるヒマないもん」


玉袋「これから社会人になる人たちに一言ってありますかね。前田さんも引退して、これからまあ、浪人じゃないですけど。第二の仕事ってことじゃないですか。どうですか、その辺。専門学校でも作りましょうよ。カミナリおやじ専門学校を」

殿「そういうとこはね、ガス抜きしてやるとこもあるんだよ。厳しいけど、運動やるときバンバンやらしたり。しつけだから、『それは失礼だろう』ってことはやんなきゃいい。俺が一番うるさいのは、『俺にはどうでもいいから』っていうだろ。俺にはなんにもしなくていいから、俺の友達が来た時には徹底的に気を使えって言うだろ。俺が笑われるから。俺にはいいけどね。そうじゃないとさ、『お前の弟子何やってるんだ』って言われたら困るから。それだけだよ」

博士「団体っていうのもまた、子供を教育するような所もありますよね。まあ、十台後半からですからねえ」

殿「だからほんとの事言うと、前田さんの所もそうだけど、そういう所に入った瞬間に 一番厳しくされるから、みんな真面目になっちゃうんだよ。(ガンビーノ)小林っているだろ、暴走族で。『刺青なんかして、バカタレ。その辺のグループでもやってたんだろ』って言ったら、『北海道で三団体しめてました』って。『ほんとかよ』って言ったら、『たまに北海道に帰るのは、下のやつに言ってるんですよ』って、『お前、このヤロウ、何て奴だ』って。俺んとこ来たらあいつが一番真面目だもん。遅刻はしないし、ちゃんと気をつかうし、いつも俺と友達にはちゃんとやるし。結局悪だったんだけど、こっち入ったら、もっと厳しいとこ入っちゃったってとこあるよね」

博士「小林は中学入ったときに一年間で三年生を全部しめてたから、出世は全部一年で終わるんですって。高校生になったら高一で高三までしめるから、一年で出世できるのに、この芸能界だけは一年じゃとうにも上がらないって。厳しい、厳しいって」

玉袋「お互い一つの組のトップじゃないですか。それで若い人間が入って来るときに向いてないっていうか、こりゃ無理だってのいるじゃないですか。プロレスラーでいったら身長が足りなかったり、それでも根性があれば入れるとか、お笑いでもこいつ駄目じゃないか、センス無いんじゃないかっつっても入るときあるじゃないですか。そういう、見る時の基準ってあるんですか」

殿「だってさあ、俺んところだってそうだけど、前田さんのとこだって、結局あこがれて入って来る奴いるじゃない。あこがれちゃってあこがれちゃって、本人は実力とか関係なく、あこがれてとにかくレスラーになりたいだけで入ったやつ、その中に自分を置いたらそれでもう満足な奴いるんだよ。前田さんのところで練習してるだけで満足しちゃって、強くなるとかいう以前の問題で、入った時点で完成してる人いるだろ。オイラんとこもあるじゃない。たけし軍団に入った時点で終わってる奴。それはそれでクビにはしないけど、いづれ年とって気が付くから、『じゃあ、辞めます』って。しょうがねえだろ」

博士「格闘技だったらリングがあって、向いてないってのは確実にそこの場所で判定されてわかっちゃいますもんね」

前田「でもデビューするまでにガンガンにしごきますね」

博士「田村選手でも、前田さんと全然口きけなかったっていうのを、いまだによく言いますよね。今でも前田さんとは単語でしかしゃべれないんでって」

前田「田村もそうだったですね。山本も成瀬もそうだったし。ガンガンにしごきましたね。さいしょはおだてといて、ある日ガーンとやるんです。そういうの何日かやっていって、そんである時ちょっとほめてやるんですね。そうするとパッと目が輝くんですね。しょぼーんとしてて、こんなのがいつまで続くんだろう、デビューできるのかなって、体が続くのかなって。そんな時に一言かけてやると。そうするとやってきたことに自身を持つんですね」

博士「その前までにガンガンやってて脱落してく人は…」

前田「辞めてくやつはもう、その日のうちですね。大体不思議なもんでね。その日のうち、3日後、一週間後、三週間後、三ヶ月後、半年後って、まあ、半年すぎたらなんとかやっていけるんです」

博士「芸人もそうかなあ。長々といるのはいるよねえ」

殿「こっちはだって、精神的にタフだったらよ、『いいやこれで』ったらいいけど、レスリングはだって、実際に体使ってやるんだもん。ハッキリするじゃない。我々は体力じゃなくていづれ、もしかしたらってとこあるじゃない。明らかにだめだって言われないからさ。フリーだろ、考え方って。自分のお笑いのネタがそのうち受ける時が来るって思うじゃない。格闘技ってそのうち強くなるわけじゃないんだから。ハナから弱いんだろ」

玉袋「ずーっとそのうちで暮らしてる人いますからね」

博士「レオナルド熊さんみたいになれるかもしれないって思うもんな」

玉袋「杉平助さんみたいになれるかも知れないって、80過ぎて売れるかも知れないっていう」

博士「でも前田さん、これでリングス卒業ってわけじゃないですよね。現役はこれで引退するってことでね。もうやり残したことはないですか」

前田「団体経営にわずらわされずにもっと思いっきりやりたかったっていうのはありますけど。でもこれは順番で、しょうがないかな」

博士「でも後々にはリングスの選手、自分の教えた選手が活躍するのを見てみたいっていうのはやっぱり夢ですかねえ」

前田「年いったときに自分のやったことが残ってるっていうのが一番嬉しいですね」

博士「リングスもオリンピック化したいですよね、でも」

前田「そうですね。でもまあ、競技人口が増えれば、テコンドーみたいにね」

博士「でもカーリングよりは増えてくるのは間違いないですね」

殿「意味わかんねえな、カーリングは」

博士「前田選手自体はもう、格闘家としてどんどん海外へ出て行くわけじゃないですか。これで日本人としてのアイデンティティーみたいなものを海外で感じる瞬間ってたくさんあるんじゃないですか」

前田「かえって日本で日本的で古いものが海外にいったらあたりまえのようにいっぱいあったりとか、そういうのすごく感じますね」

博士「たけしさんも今、映画で行きますからね、海外へ。で、お互いの日本人論みたいなのをインタビューを読んでみると、すごく共通することがいっぱいあるんですけどね、ほんとに」

殿「だから、バカヤローがわけのわかんないこと言い出して、『今、国際化の時代で国際的に通用する日本人になんないといけない』って、それ無国籍って意味だろ、バカタレって。海外行ったら日本人って言わなきゃしょうがないんだって。ナショナリズムも糞も『俺は日本で生活してきて、文化に対してはこう思うから、あんたの言う事は認めない』って言った方がいいわけ。それを『そうですね』って言った時、『お前どこの人間なんだ』っていわれるからさ。ジャパニーズはジャパニーズの考え方で、あまりにも違えば直すけども。あるじゃない、『これは好きか、嫌いか』ったら、『これは嫌いだ。なぜかったら、日本人だから』ですむとこあんだよ。それを何故かさ、一時の戦後の日本人がよくわけのわかんないことして、国際化、国際化っつって、『外国行ったら外国の文化に合わせなきゃ』っつったら、自分がどこの人なのかわかんないじゃない。無国籍になってしまうんだよな。だから俺はかなり言う事きかないよ。でも、それはちゃんと認めてくれるもん。『タケシは日本人だからこうだね』って。『お前はアメリカ人だからそう思うけど、俺は日本人だからそう思わない』ですむんだから。で、それを『アメリカ人はこう言ったから、じゃあ、私もそうです』って言ったら、『こいつ、どこの国なんだ』って言われるよ、お前。そういうの駄目だよ。で、ちゃんと認めるし。それが国際化であって、お互いの文化を認め合うのが国際化であって、方っぽの文化に迎合することが国際化じゃないよ、別に」

玉袋「前田さんはどうですか、そこら辺は」

前田「だから、反対にそういう日本的なものにこだわってやってる者の方が信用されますよね」

博士「これ最後の質問なんですけど、もし前田さんもたけしさんもこの仕事をしてなかったら、何をしてたでしょうかっていうのが。ま、偶然プロレスラーになってしまったっていう、前田さんも経歴がありますし、たけしさんも、もともと初めから芸人になりたかったわけじゃないってところがありますから、何をしてますかね?もしなってなかったら」

前田「船の人にあこがれてましたんで、とりあえずマグロ漁船かカツオ漁船かわかんないけど、そういうのに乗ってて、それでお金を貯めて、なんかわかんないけどアメリカでするってのが夢やったからね」

博士「ほー。アメリカで、悠々自適な生活ですか」

前田「いや、悠々自適かどうかわかんないけど。アメリカで空手の道場なんてやりながら暮らしたらいいなーと思ってました」

博士「金髪の奥さんもらって。殿はもし、芸人になってなかったら」

殿「俺はお前、物理学でノーベル賞じゃねえか。理論物理学者だよ。いまだにやってんだから、しょうがねえから。でも高校生の本もわかんねえんだよ、どうなってんだか(一同笑)。中学いっぱいだなー、今。頭来たなー」

博士「それでもやっぱ、学者になってました?」

殿「うん、学者になってると思う。学者でも、俺何かさ、前田さんもそうだけど、一つの商売に…まあ、入る時は前の人がやってるじゃない?そこに入るんだけど、そこからの想像力だと思うんだよな。だからノーベル賞でもなんでも想像力だから、いままで先輩がやってきた事を計算が出来たってそれだけだけど、自分がもう一つ先行くためには自分の考えでもっと想像したとこで当たればノーベル賞だよ。レスリングだって閉め技だってもっと想像してつくるもんだから。だからね、俺は三角錐みたいなのがあて、どっから登っても頂点に行くとみんな同じようなとこに上がってくると思うけどな。上がって行くと頭は同じだよ。数学から上がって行こうが、芸人から上がろうがレスラーから上がろうが、頭の方の見方は同じなんじゃないかと思う。ただその登搬ルートが違うだけだと思う。創造力だよ」

博士「見下ろしてる風景は同じだと」

殿「同じだと思うよ」

博士「なんか、和食の店とか行って、板前さんを見てても、殿、『もし、俺が板前になってたら、すごい板前になってたと思うな』とかっておっしゃってましたよね」

殿「うん。俺、経営者だったら経営者の創造力するもん。いかにお客をうまく扱うかって。だからどんな商売でも、上がる奴は上がると思うよ」

博士「一度選択した職業の中でそこから創造力をどんどん自分の職業に持って前に進めば必ず高みに行くっていう」

殿「うーん。だから、習うことは習うよ、基本的なことは。で、そっから先どうやってやるかったら、自分自身の頭の問題だろうと思うけどな。で、新しい事を創造出来れば、ま、レスラーの人は新しいことを思ったら、新しいことをやるために体を鍛えなきゃいけないんだよ。我々も新しい事を考えたら、新しい事のためにネタ作ったり、いろんなこと考えるじゃない。結局ついていくから。で、新しい事考えられない奴は、先輩がやったことだけで終わっちゃうから、その先行けないじゃない。教えてもらわなきゃいけないから、頭には立てない。教えてるやつが頭立っちゃうわけだから。それは創造力だと思うんだけどな」

玉袋「前田さん、どうですか?」

前田「そうですね………。そうですね。何て言っていいのかわかんない」

博士「僕らにとって、すごい高みに立ってるっていうか、頂点に立ってると、そうなんですよね。たけしさんも前田さんも、考えてる所がすごく、僕らから見ると、僕ら、中腹っていうか、すそ野にいてなにも見えてないんですけど、たけしさんや前田さんが見てる風景とは違って見えるんですが」

前田「なんか、すごい真面目やね」

博士「ええ、今日は真面目に、ええ」

殿「この前の大人のおもちゃ特集はどうなったんだよ、バカヤロウ」

博士「いやー、今日はものすごく真面目になっちゃってるんですよ。ものすごく僕らは尊敬してるんですよ」

前田「どう言っていいのかなー。しどろもどろになっちゃうよ」

玉袋「今死んでもいいぐらいですよね」

博士「ええ」
前田「なんか、おねえちゃんの方が、たくましくて度胸あるのがいっぱいいますよね」

博士「それで女の人にだまされたりしてるんですか」

前田「一回、ひどい目に会いましたけどね(一同爆笑)」

殿「どう騙すんだろう」

玉袋「どうせめてくるんですか?相手は」

前田「その時はこっちが一目ぼれだったんですけどね、弱い立場だった」

玉袋「マウント・ポジションは取れなかったんですか?」

博士「ものすごい純真になるんですか?」

前田「クソ真面目になりすぎちゃってね」

博士「送り迎えとかしたりするんですか?」

前田「まあ、色々ありましたからね」

玉袋「チャンコ作ったりとか」

殿「女はだけどさ、動物的勘で、男が惚れたって感じがあったら、『勝った!』と思うんじゃないかな。『さあ、うまく扱おう』と思うよ、だって。銀座のホステスみたいなのは、うめえもの。『ああ、惚れてるな、このオヤジ。じゃあどうやって料理しようかな』って思うもの」

玉袋「その女性はプロフェッショナルだったんですか?それともそれともアマチュアだったんですか?」

前田「いや、プロ・アマってどういう意味で?」

玉袋「玄人かどうかっていう」

前田「お水とかそういうんじゃないんですけど、まあちょっと、業界関係……」

玉袋「ああー、強い!それは強いでしょ」

殿「女はね、どんな商売でも強いぜ。その辺のOLだって強い、すっごい。自分にこの男は惚れてるとなったらね、あともう、ムキ出しで」

博士「それは飲んでてもだけしさんが、こういう弱い瞬間があるのかって思ったりしますもん。ああ、女の子がこうやって強くなって行くんだなって瞬間ってやっぱありますよね」

殿「そうだよ」

玉袋「水割り作ってる時ありますもんね」

博士「そうそうそう」

玉袋「クラブ行って」

殿「大きなお世話だよ(一同笑)。やれると思ったら水割りでも何でもやるよ、バカヤロウ」

玉袋「水割り作って、おかきのビニールむいたりしてますもんね」

殿「ホストじゃないんだ、俺は」

玉袋「何でそこまで世界のたけしがそんな…」

殿「ティッシュの四つ角ねじって…」

玉袋「箱作っちゃってんだもん」

殿「殻入れ作ったりなんかして。馬鹿なこと言うんじゃないよ。そんなのしないよ、バカ」

玉袋「前ださん、3月3日に試合があるってことで、ちょっと、お知らせを」

前田「そうそう、後楽園ホールで」

玉袋「これは、実験的なやつっていうか、定期的な大会とはまた少し、イレギュラー的な…」

前田「そうすね。新しいルールをちょっと」

博士「リングスルール自体を変えて…」

前田「そうです。ラウンド形式で、5分1ラウンドで、2ラウンド、延長1ラウンド。あとボディに対する打撃を認めて、それでやったらどうなるんだろうかと、ちょっとやってみようかと。」

玉袋「ほうほうほう。3月3日、雛祭りに。激しい男の闘いを」

博士「たけしさん、映画公開して、相変わらず…」

殿「もうそろそろ息切れだろう。十分だよ」

博士「もう新作の方が…」

殿「もう、次の作品撮れるだけのあがりがありゃ、いいや。そんな偉そうに言ったってしょうがないもん。当たりゃしねえよ」

博士「前田さん、まだご覧になってないですか」

前田「見てないです」

博士「ああ、じゃあぜひ」

殿「喜ぶね」

玉袋「ちゃんと金権ショップで買わないと」

博士「売ってないつうの」

玉袋「ありがとうございました。リングス・ジャパンの前田選手でした。どうもお疲れ様でしたー」

前田「どうもありがとうございました」
玉袋「次回放送はどうなるんですか」

博士「次回はちょっとね、決まってないで、週刊になるって話もあるんですけど」

殿「週刊になっちゃうの?」

博士「ええ、これだとね、タイムロスがありすぎるんですよ。あの、時事ネタとかが」

殿「週刊てのは、一週間に一回これやるわけ?」

博士「一時間でやろうって話が…」

殿「お前らがやるの?」

博士「そうです」

殿「えらいっ!、えらいっ!」

博士「できればあの、殿があの…、気が向いたら、来ていただければっていうような…」

玉袋「気が向いたら毎週っていう」

殿「創業者が追い出されて、コノヤロウ」

博士「いやいや、そんなことないです。殿のスケジュールが取れなくて…」

殿「俺はつぼ八の経営者か、コノヤロウ(一同笑)。みんなで追い出しやがんだな、コノヤロウ」

玉袋「白木屋だ、白木屋」

殿「あ、そうなの?」

博士「ええ、それは、殿のスケジュールが取れないから…」

玉袋「毎週来てくれるのが希望的観測です」

殿「毎週来るよ、お前、そういうこと言うと。ギャラ出るの?これ」

玉袋「ちゃんとこっちもラジオ体操といっしょにハンコを出しますんで」

殿「ギャラ出てるの?」

博士「ギャラでてますよー」

玉袋「でもなんか怪しいんですよね…」 (完)

戻る



ジオシティーズの入り口へ このコミュニティの入り口へ ご近所を訪問する