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省略名一覧

はじめて曲名の略称を聞いたとき、私は、ものすごくビックリしました。

アマチュアオーケストラに入る前から、クラシック音楽に素養のあった人にとっては、割と一般的な省略の仕方のようですが、クラシック音楽は学校の音楽の時間に「鑑賞」したことがあるだけ…という程度の人にとっては、あの曲名と作曲者名の省略の仕方というのは、なんか抵抗あるんじゃないかなぁ…と思うのは、私だけ?

「どんな曲名でも省略俗称が必ずと言っていいほど存在する」と知った後でも、「じゃあ、この曲は一般に何と言われているんだろう?」と、新しい曲名を聞く度に、とまどい続けてきたのも、私だけ?

いや、他にも、仲間がいるはずだ。
…という、独断と偏見に基づき、有名どころを、だーっと書いてみました。
知っている人にとっては、あたりまえすぎて何の役にも立ちませんが、何にも知らなかった人の、右も左もわからないクラシック界の情報の大海における、とまどいが軽減されることを願って…。

アイウエオ順です。
なお、私の知っている限りしか、知りません(…当たり前)。
いくつも意味がある略称の場合、オーケストラで使用される頻度の高い方を優先しています。


INDEX
演奏団体編
作曲家の名前編
曲名編

演奏団体編

・N響(えぬきょう)
NHK交響楽団の略称。
クラシックに疎い人でも、これは割と知ってるかも。
「N響アワー」なんて番組もあるしね。
日本最初のプロ・オーケストラとして1926年(大15)新交響楽団を結成、1951年(昭26)NHKの全面支援によりNHK交響楽団と改称、という歴史の古いオーケストラだから、当然といえば当然か。

・京響(きょうきょう)
京都市交響楽団の略称。
昭和31年に日本で唯一の自治体直営オーケストラとして創立されたプロオケ。

・大フィル(だいふぃる)
大阪フィルハーモニー交響楽団の略称。
朝比奈隆が作り、55年間にわたり常任指揮者をつとめたことで有名なプロオケ。

・都響(ときょう)
東京都交響楽団の略称。
1965年に東京都が財団法人として設立したことにはじまるプロオケ。

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作曲家の名前編

・ショスタコ
ショスタコーヴィチの略。
初出は「ショスタコ」と言い、その後の会話では「タコ」とさらに略する人も、稀にいる。
特に、この人の曲を練習中に変拍子に翻弄されたりして、「ちっ、タコのやつめっ…」とつぶやいてしまう気持ちはわからなくもない。

・チャイコ
チャイコフスキーの略。
「今度、チャイコの弦セレをするんだ♪」などと使う。

・プロコ
プロコフィエフの略。

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曲名編

・イタ奇(いたき)
チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」の略。
確かに、そう略すほか無いだろう。
でも、「いたき」ってねぇ。初めて聞いたら、わからないと思うよ。絶対。

・1812年(いっぱち)
チャイコフスキーの「1812年」序曲の略。
もはや、あっぱれ、としか言いようのない略称である。…と思うのは、私だけだろうか?
それにしても、大砲の音が入っているこの曲。私はCDでしか聞いたことが無く、どうやって演奏するのか、ずっと気になっている。

・運力(うんりき)
ヴェルディの「運命の力」序曲の略。
この呼び方に慣れてしまうと、正式な曲名がなんだったか不安になる…。

・エグモント(えぐもんと)
ベートーベンの「エグモント」序曲のこと。

・大祝(だいしゅく)
ブラームスの「大学祝典序曲」の略。
昔、旺文社のラ講という伝統あるラジオ大学受験番組がテーマ曲に一部を採用していた。
でも、私が受験生になる前年に終わっちゃったからねぇ。今や、そんなこと知っている人、少ないだろうな。
ただ、個人的には、聞くたびに、そんな若かりし頃を思い出してしまう曲。なぜか、熱心なファンだったのだ。

・画家マティ(がかまてぃ)
ヒンデミットの交響曲「画家マティス」の略。
漢字を見れば納得。ただ、響きだけでは理解不能?

・弦セレ(げんせれ)
「弦楽セレナード」もしくは「弦楽セレナーデ」の略。
「セレナード」でも「セレナーデ」でも、日本語にするときの違いに過ぎず、どちらも同じもの。ただ「セレナード」の方が正確なのか、普通は「セレナード」と表記してある。
チャイコフスキーの弦セレとドボルザークの弦セレが有名で、「今度、弦セレをするんだ♪」と言うと、「どっちの?」と聞かれる。

・幻想(げんそう)
ベルリオーズの幻想交響曲の略。
この曲は、ティンパニを2台使う等の大編成で、まるで現代曲のような新鮮な響きがする(と思う)のに、1830年作曲というのが私は未だに信じられない。ベートーベンが1770年生まれの1827年没で、ベルリオーズが1803年生まれの1869年没だから、ベートーベンよりちょっと若手とはいえ、とても同じ空気を吸っていた人の曲とは思えない。さらには、ブラームスなんて1833年生まれの1897年没で、ベルリオーズよりも30歳も年下。う〜ん、さっぱりわからん。ベルリオーズだけ、なぜ?って感じがする。ベルリオーズは、今聞いても、斬新だと個人的に思う。

・シベ2(しべに)
シベリウスの交響曲第二番の略。
他の交響曲にも番号を変えて「シベ〜」と使うが、シベリウスの場合、2番が圧倒的に有名な気が…。
でも、第7番交響曲まであるんですって。

・スラヴ(すらう゛)
チャイコフスキーの「スラヴ行進曲」の略。
忘れもしれない私のオケ・デビュー曲。フラット5つの変ロ短調で、譜面を渡された瞬間、目が点になった。
まだ音程が取れていない時の臨時記号、楽譜の枚数・速度変化・装飾音の多さ、曲の速さ、ポジションの高さ、どれをとっても、史上最悪のデビュー曲のひとつと思われる曲(^^;)
けれども、およそヴァイオリンを持って半年の人間が弾くにはふさわしくないこの曲を練習したことで、私は初めて調の持つ性質を知り、転調しては得られない音のニュアンスがあることを知った(それまでは、ピアノやエレクトーンで、検定対策として、よく移調の練習をしていたため、かえって各調のニュアンスに疎くなっていた)。

・タコ5(たこご)
ショスタコーヴィチの交響曲第5番の略。
他にも、番号を変えれば、すべての交響曲を省略名で呼ぶことができる。
ただ、私には、ショスタコーヴィッチを「ショスタコ」と略す気持ちは分かるが、「タコ」と略す感覚はさっぱり分からない。
確かに言いやすい。でも、やっぱり抵抗がある…。 ちなみに、私がいた頃の関西大学交響楽団には、「ショスタコーヴィチ研究会」通称「タコ研」と呼ばれるユニット?があり、団内発表会の度にショスタコの曲を演奏していた。

・ダッタン人(だったんじん)
ボロディンのオペラ「イーゴリ公」の第二幕「ダッタン人の踊り」は、独立したバレエとして上演されることがあるのですが、その曲のことです。
オーケストラの演奏会パンフレットには、通常、ボロディン作曲の歌劇「イーゴリ公」からダッタン人の踊り、と書くかな?
ちなみに、ダッタン人は、漢字では韃靼人。タタール人ともいうようです。中国モンゴル地域に住む少数民族らしいですが、日本史選択だった私にとっては、演奏会パンフ以外の場所で目にした記憶はない字の並びです。

・チャイ5(ちゃいご)
チャイコフスキーの交響曲第5番のこと。
他にも、番号を変えて、チャイ1(ちゃいいち)、チャイ6(ちゃいろく)などと使う。
チャイコンといえば、チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトを指すことが多いと私は思うけど、もしかしたら、ピアノコンチェルトを指すときもあるのかもねぇ…?

・ドボ8(どぼはち)
ドボルザークの交響曲第8番のこと。
他にも、番号を変えて使う。
チャイコフスキーの曲を「チャイ〜」と呼ぶ限り、ドボルザークは「ドボ〜」なのは理解できるが、やはり「ドボ」というこの濁音の響きに、私は非常に抵抗を感じる…いや、かつては感じたが、何度も耳にするうちに、次第になれてきた…。慣れというのは怖いものです(^^;)

・禿げ山(はげやま)
ムソルグスキーの交響詩「禿げ山の一夜」のこと。
クラシックに詳しい人たちは「禿げ山がさ〜」と連発しても、何の危惧も感じないようだが、一般社会においては、「ハゲ」という言葉の持つ響きにものすごく敏感な人が多いため、いつか思わぬトラブルに発展しないかと、かねてより私は心配している。

・フランク(ふらんく)
フランクの交響曲ニ短調のこと。
フランクには交響曲が一つしかないので、オーケストラでフランクと言えば、ニ短調交響曲のこと。
ちなみに、フランクはヴァイオリン・ソナタが有名。他にオルガン曲が多数。

・ベー6(べーろく)
ベートーベンの交響曲第6番のこと。
全9曲ある他の交響曲にも番号を変えて「べー〜」と使うが、ベートーベンの交響曲には副題がついているものが多く、副題つきの時には「田園」などと呼ぶ方が多いかも。
また、第9番は「べー9」と呼ぶことはまずなく、皆さんご存じの通り「第九(だいく)」と呼ぶ。
交響曲の9番は数あれど、ベートーベンは別格ということですな。

・ブラ4(ぶらよん)
ブラームスの交響曲第4番のこと。
他にも、番号を変えて、ブラ1(ぶらいち)、ブラ2(ぶらに)などと使う。

・マイジン
ワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲のこと。
この曲は、1stと2ndの力が拮抗している時にすると面白いが、2ndを弾くメンバーよりも1stメンバーの方が明らかに上手いという時にやると、大変な目に遭う。つまり、この曲は2ndが難しい。
1stと2ndの掛け合いで2ndがへこみがちだし、ヴァイオリン全体のユニゾンで高音から下るところも、直前まで1オクターブ下にいる2ndの方が、技術的に難しい。さらには2ndには高速のとばしが延々とあり、はっきりいって、初心者の場合は2回生でも困難(1回生には不可能)。
聞いていると、派手で楽しい曲だけど、聞くは易し弾くは地獄の典型(経験者は語る…)。

・魔弾(まだん)
ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲のこと。
この曲は、デュカスの交響詩「魔法使いの弟子」と並んで、アマチュアオーケストラの選曲会議によく登場する「魔」のつく曲。
私が思うに、「魔」がつく曲は、弦が死ぬほど難しいと考えて、まず間違いない。
「魔」の感じを出すために、特に高弦が動員され、ものすごく速く細かく動いたり、高音と低音とを始終行き来したりするはめになり、魔法の使えないただの弦楽器奏者達は、魔法なしで魔法を使うことを要求される。

・メンコン
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の略。
協奏曲=コンチェルトで、「メン」デルスゾーンの「コン」チェルトだから、こう略す。
それにしても、あぁ、メンコン。
この略称は、あまりにも露骨で夢がない響きがすると、私は思う。
メンデルスゾーンという長くも美しい名前が、「メン」と片づけられることで、メンデルスゾーンののイメージが、がたがたと崩れ、「コン」と略されることで、あまりに有名なこの曲の美しいはじまりのフレーズが汚されるような、そんな気がする…のは、きっと私だけなんでしょうねぇ。
私的に一番、目が点になるような衝撃を味わった俗称です(そんなことは、どうでもいいって?(笑))。

・ラフ2(らふに)
ラフマニノフの交響曲第2番のこと。
ただ、人名としては、少なくとも「ラフ」なんて聞いたことがないので、「ラフマニノフ」は「ラフマニノフ」なのか?まさか「ラフマニ」とか??(謎)

・ロメジュリ
チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」もしくはプロコフィエフのバレエ組曲「ロメオとジュリエット」を指すことが多い。他に、ベルリオーズやグノーも作曲しているらしいが、チャイコとプロコが圧倒的に有名。
皆さんご存じ、シェークスピアの戯曲に基づいた音楽ですが、他の世界では「ロミオ」と言われる主人公の1人が、なぜクラシックの世界でだけ「ロメオ」なのか??「あぁ、ロミオ。あなたはどうしてロメオなの?」…と、謎は深まるばかり。

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