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羊飼いが行く

ヴァイオリンパートのパートリーダーの苦悩について、書いてみようと思います。

けど…何を隠そう、私は、パートリーダーをしたことは、ありません。
2ndヴァイオリンのトップは、たった一度だけ、ワーグナーのマイスタージンガーで、やらせてもらいました。
それでも、4年間、パートリーダーをみてきました。
どんなに大変な職なのか…。
感謝を込めて、書かせてください。

なんで、ヴァイオリンパートのトップをするのは大変なのか?
…という問題は、ヴァイオリンパートのカラーにも、深く原因があると思います(笑)
こっちは、ほんの少しだけトップをやって垣間見た世界です。

でも、一番言いたいのは、それでもやっぱり「ヴァイオリンパート最高!」ってことなんですよね♪(笑)


ヴァイオリンパートって、どうしてあんななんですかねぇ〜。

まず、人数多いでしょう?
しかも、それぞれのパート員がみんな個性強い。
まとまりのかけらもあったもんじゃない(爆)
自分で言うのも何ですが…とんでもないですよ、あのパート(笑)

たとえば、演奏会の時なんかに、パート全体で、写真を撮ろうとする。
で、何時にどこどこって、集合かけてるのに、 「時間通りに」「全員」揃う…なんて、奇跡に近かったりします。
必ず、誰かどっかに行っちゃってるんですよね〜。

打ち上げ会場に、パートごとに移動するなんて、悲劇ですよ〜。
初めは、まとまって歩いていたはずなのに、どんどんばらけて、何がなんだか解らない(爆)
何人かいなくなってることだって、あるんですから(汗)

パート会議って、するじゃないですか?
何てことない議題なのに、何故かうちのパートだけ、もめるんですよね(笑)
いろんな勝手な事を言う人が、いて(爆)
「まぁ、いいんじゃない?」とかいうことにはならない。
「いや、絶対おかしいよ。だって…」と言うのが、ヴァイオリンパート。

そんな感じの「あの集団」をまとめなければならないヴァイオリンパートのパートリーダーには、ホントに頭が下がります。
すごいです。

…ごめんなさい。
実は、パート会議で文句言うのは、何を隠そう私です(爆)
思わず…言いたいこと言っちゃうんです(^^;)

他のパートが、パートリーダーに敬意を表して、みんなで力を合わせて、パートを盛り立てていこうってのとは、大違い。
他のパートリーダーが、アヒルの親(放っておいても子供たち(=パート員)が、親の後を着いてくる(笑))だったら、うちのパートのパートリーダーは、ばらばらと羊(=パート員)があっちこっちに行こうとするのを、必死になって集めなくてはいけない羊飼い。
ま〜、なんてお気の毒(^^;)

欠点も、何か一つだけだったら補いようもあるけれど、「人数多い」「個性強い」「協調性ない」の三重苦ですからね…。
律儀に「まとめよう」なんて考えたら、発狂しそうになるでしょうね(汗)

そんなこんなのヴァイオリンパートは、曲をする上でどんなことしてるかというと、ご存じの通りのメロディーパート。
なんとか、メロディーとして、積極的に音楽していかなくちゃいけません。

まず、楽譜の特殊性で、苦労します。
ずっとメロディー。ずっと高音。

トップ合わせって、するんですよね。
弦のトップばかり集まって、ボーイング決めたり、どんな風な曲にしようって、弾き方を統一したりするんですが、これがなかなか曲者で。

どう考えても…ほかのパートよりも、パート譜が難しいことが多い(^^;)
楽器の特性からも、弦が細いので、いろいろと制約がある。
私が初心者からトップをやったせいもあるかもしれませんが、トップにも関わらず、自分がなかなか弾けないようなところが…あったりするんです(爆)
合わせると、いろいろとぼろが出てくるんですね〜。

自分が、一瞬遅れるせいで、他のパートとずれる。
弾き方を統一しようとするときに、「悪いけど、私、そんな速度でとばせない…」。
私は2ndトップでしたが、1stのトップって、同じヴァイオリン仲間といえどもコンサートマスターだから、やっぱり上手い。
げ、私だけ弾けない…?
このプレッシャー(爆)
羊をまとめる以前に、胃が痛かったりします(^^;)

それから、弦楽器は、初心者多いですから、全員がただ弾けるようになるだけでも一苦労。
パートとして成立させる必要のある、みんなが弾けるようにする義務がある(?)トップは、自分の練習だけでなく、もちろん人の世話もしなくちゃいけない。
うわ〜、ますます自分の練習時間ないよ〜、とか(^^;)
羊飼いは、忙しかったりします(涙)

パート練習をします。
弦楽器では、必須です。
みんな同じパートを弾いているわけですから、これなくしては、実は、相当ばらばらです。

まず、人数が多いから、他のパートのように一回のパート練習で終われるってことはない。
二回に分けたりします。
ますます負担は増えるばかり(爆)
頑張れ、羊飼い!君の役目は、これからだ!(笑)

パート練習では、トップがいろいろな指示を出します。
でも、ヴァイオリンパートにはいろいろな人がいます。
当然自分よりも上手い人もいます。
先輩も、います。

その中で「ここはこう弾くことにします」といったときの反応って…実は、ちょっとつらいものがあります(^^;)
文句言う人の多い(?)ヴァイオリンパートでは「なぜ?」って、聞かれることが多いです。
ちゃんと答えられないと、支持を得られません。
そうではなくて「こういう風にしたいんだけど」って、言う人もいます。

もちろん、もっともな意見もありますが、単なるわがままもあります。
何か言われる度に、いちいちトップが揺れて、変更するようでは、収拾がつきません。
…そのバランスが難しい。
羊飼いは、悩みます

いろいろな意見の飛び交うヴァイオリンパートでは、時に、絶対他のパートでは、問題にもならないようなことも、問題になります。
細かいところを聞かれても、トップは判断に迷うときがあります。
で、トップあわせに持っていったら、「そんなこと、どーでもいいやん」なんて言われたりします。
羊飼いは、かなり困ります(爆)

「大人数」で同じパートを弾くのは、やっぱり難しいことです。
パート内でばらばらだと、曲になりません。
一応、弾き方なり、ニュアンスなりはそろえる必要があります。

けれども、そろえすぎると、それはもはや音楽じゃない。
そういう約束になっているから、って拘束されて弾く曲は、偶発性がない。
それによる発見がない。
弾いていても面白くないし、ましてや、聞いていてちっとも面白くない。
…すると、指揮者に怒られる。
メロディーが、歌ってこないのだから、ま、当然なんですが。
「君たちは、一体なにが楽しくてそんな風に弾くんだ?何がしたいんだ?」(^^;)

トップは、そのとき、めちゃくちゃつらい。
自分のしてきたことを、否定されてるようなもんですからねぇ。
そろってなければ怒られる。そろいすぎても怒られる…。
羊飼いは、ブルーな気持ちを通り越して、どん底、真っ暗です(爆)

それから、ヴァイオリンパートって、なぜか「走る」人が、非っっ常ぉ〜に多い。
私は、その典型ですが(爆)
トップ自ら走っては、洒落にもならないので、走らないように頑張ってるのですが、自爆することもある(^^;)
でも、それは置いておいて…(笑)
後ろから、トップよりも先に飛び込んで入る人とかいる(爆)
後ろから、先に音が聞こえてきたら…
羊飼いは、非常に情けない気持ちになります(涙)

みんなで合わせるために、トップはザッツ(弾き出しなどの合図)というものを出します。
管楽器のようにブレスのない弦楽器で、弾きながらボディーアクションで出すんですから、結構難しかったりします。
みんな、ザッツを見て入る「はず」です。
見てもらえないと悲しいですが、見てもらっているときに失敗すると…
羊飼いは、落ち込みます。
自分の決めたボーイングを、前で堂々と間違ったときも然り…(爆)

ましてや、自分が落ちてしまったために、パート全部の音がなくなったりしたら…青ざめます(爆)
羊飼いは、宇宙の果てまで逃げたくなります。

その上、パートリーダーには、細々とした雑用も一手に降りかかってきます。
トレーナーやエキストラを頼んだり、みんなの出席を管理したり、練習を休んだ人のフォローをしたり…。
羊飼いは、過酷な職ですね(汗)

演奏会前、非常に緊張します。
自分がザッツを出し間違えたら、下手したら、曲が崩壊します。
羊飼いは、重責で、くらくらします。

けど、みんな、優しいです。
トップがしんどいことを、わかっています。
羊飼いは、ほろりときます。

自分がトップをやったときの演奏会。
終わったときの気持ちって、言葉では言い表せないものがありました。
羊飼いは、感動します。

パートリーダーであれば、なおさら…でしょうね。
人にはいえない苦労もあるだろうし、ものすごく頑張っているのを、私たち、パート員は見ています。
普段は、わがまま言って、困らせてばかりだけど…。

本当に、お疲れさま。
あなたは、すごいです。
ありがとう。

このとんでもないパートを引き継いだ、新米羊飼いも、頑張れ!

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