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実験結果報告(?)「四年間でどのくらい弾けるようになるか」

私は、大学で交響楽団に入って、ヴァイオリンを始めました。
うちの団は、やる気さえあれば、初心者でも入れてくれます。
けれども、ヴァイオリンって、割とポピュラーな楽器だから、もちろん経験者も、たくさん(?)います。

負けず嫌いな、私は、悔しかった(^^;)
なにさ、ちっちゃい頃に習ってたからって、何だって言うんだ!
2年で追いついて、4年で抜いてやる…と、
ま、さすがに、そこまでは思いませんでしたが(^^;)
…でも、それに近いようなことを考えました(爆)

で、その勢いで、4年間、練習してきました。
その結果は如何に???


一年生の頃

とにかく、ヴァイオリンを触るのが嬉しくて。
新しいおもちゃを手に入れた私は、どうしても早く上手くなりたかった。

レッスンに4月の末から通い始めた。
何にも知らなかったから、電話帳でいい加減に探したのに、私にとって、あの先生に習うことができたのは、奇跡というか、運命の出会いというか、大きな意義を持つこととなる。
それはそうと、できるだけ早く先生についた方がいい。
スタートで遅れると後がきつい。

私は「篠崎」の教本で習ったので、短い簡単な曲をたくさんやった。
周りには、割と有名な、長い曲を一曲ずつ仕上げていく「スズキ」の教本で習っている人が多かったので、私はちょっぴり不満ではあった(爆)
だって、曲っぽい曲を、早く弾いてみたい…(笑)
だから、人の本を借りては、スズキの曲も弾いていた。
結果的には、たくさんの曲を弾くことは、ヴァイオリンに慣れる→早く上手くなるので、お勧め。

大学オケの初心者にとっては、一年の夏休みが勝負だと思う。
ここで、どれだけ貯金しておけるかが、その後の3年余りのオケ生活を決める。
夏の間に、音がとれるようになり、簡単な曲がすらすら弾けるようになっていれば、後々楽である。
(…さらっと言っているが、実は、これはなかなか大変なことだったりする(^^;))

その頃、私は、毎日ヴァイオリンに触れることと、できれば一日2時間練習することを目標にしていたが、はからずも、私は夏場はだれきっており(爆)、他のことは何もせずに、ヴァイオリンだけ弾いていたような夏休みだった。

このころは、一日に、1時間弾くだけでは現状維持、2時間弾けば少し上手くなる、それ以上弾けば、確実に上手くなっていくのが実感できるというような、上達スピード。
ちなみに、一日でも楽器に触れないと、がくんと腕が落ち、戻らなくなるので、「振り出しに戻る」って感じだったから、毎日弾かないと、ちっとも積み上がらなかった。

12月の定演でデビューしたが、ものすごく緊張して、何がなんだかわからないうちに終わる。
この頃は、オケで弾くと、自分の音が聞こえてこなくて、とまどう。
聞こえないんだから、ずれてるんだか弾けてるんだかも、よくわからない。

先輩に、トップとか指揮者とかを見るように言われても、楽譜から目を離すと、あっという間に落ちてしまって戻れなくなったりして、怖い…。
私、これでも中学時代、吹奏楽部でパーカッションだったんだし、指揮見慣れてるはずなのに、こんな状態(^^;)

弾く弦をよく間違っていたのもこの頃。
普段は、自分の音を聞きながら修正しているのに、合奏では聞こえないから、それができない(^^;)
押さえている弦と違う弦を弾いたり、押さえる弦自体が1弦ずれてたり。 それから、一音だけ弾きたいのに、隣の開放弦が鳴ってしまったり…。
簡単な練習曲はまだしも、オケの曲となると、なかなかに前途多難。

大変だったけど、この頃はまだ、弾けなくても困るのは自分だけなので(周りの先輩が弾いてくれるのに隠れて弾いていれば良かったから)、深刻に弾けないことを悩むことは少なかった。
それに、練習すれば、それなりに上達していくから、「今日は、落ちないようにしよう!」とか、合奏の度に目標もあって、練習のし甲斐もあった。

でも、この頃は、指揮者に合わせの練習の場でボーイングを変えられたりすると、どういう訳か、全く弾けなくなる。
練習したのに…と思うと、なぜボーイングが逆になったくらいでも、全く弾けなくなるのか理解できず、絶望的な気分にもなる。

二年生の頃

だいたい音がとれて、普通に弾けるようになる。
練習した曲については、ほとんど音をはずさなくなる。
2年の前半では、まだ音は固いけれど、曲から落ちなくなり、一通り譜面通りに弾けるようになるので、自信がついてくる。

強弱や、曲想、ブレスなど、学ぶことはいっぱいある。
けれども、この時期は、練習すればするだけぐんぐんと伸びる時期であり、勢いもある。
そして、まだ周りには先輩がたくさんいてくれるから、どんどん練習して、吸収していくことができる。

だんだん周りを聞く余裕も出てくる。
ホールで弾くときの音響の違いが一番気になったのがこの頃。
ホールでは、音が散って、自分の音しか聞こえないような気がして、遠い位置にある楽器が遅れて聞こえてくるような気がして、気になって気になって、落ち着かない。
ホールで弾くのに慣れていないから、その響きに緊張するので、本番の日など、かなり早めに行って、ずっとホールで弾いて、音響に慣れようとしたりする。

が、ゲネと本番の体力配分に失敗しまくる。
この頃の演奏会では、たいてい、ゲネが最高の演奏で、本番は疲れ果てて、抜け殻のようになってしまっていた気がする。

年末にかけて、音が変わってくる。
今まで全くできなかった、のびのびと歌う…なんてことも、少しずつできるようになってくる。
この曲は、私はこういう風に弾きたいんだ、という好みも、ようやく出てくる。

けれども、どれだけ練習しても、弾けない所っていうものが、まだ存在する。
例えば、モーツァルトなんかが、死ぬほど難しく思え、軽々と弾く人を見ると、ひどく恐ろしく思える(笑)

まだ、効率的な指使いを自分で開発するまでには至らない。
先輩の指使いを伝授して貰うことが多かったし、変なポジション移動や指使いでも、平気だった。

自分が思うように弾けないことで一番悩むのがこの頃。
客観的には確実に上手くなっているのに、主観的に求めるレベルには、ほど遠い。
自分がいない方が、アンサンブルが上手くいくんじゃないか、とか、雑音を出しているだけじゃないだろうか、とか、練習してもちっとも弾けるようにならない…、とか。

けれども今考えると、悩みながら、常に上を見ながら練習することで、随分いろいろなことができるようになったと思う。

特に、二年の定演で、第九の1stにのったことは、私の人生観を完全に変えてしまうほど、強烈な経験だった。
初めてのメイン1stだったし、周りはコンミスと4回生と経験者ばかりという環境で、間違ったら絶対私の音だというプレッシャーで、私は、ものすごく練習した。
それまで授業中心だった私の生活は、一気にクラブ中心に変わった。
この頃に教わったことが、私の中のコアになっていると思う。

きっと、この頃が、先輩に一番教えて貰える時期じゃないかと思う。
3年になってしまうと、もはや自分も先輩だという自覚を持って弾かなくてはならなくなる。
たくさん先輩がいる2年のうちに、たくさんのことを先輩から吸収し、いろいろなものを盗んでおくべきだと、今になって思う。

三年生の頃

楽器に、オケに、曲に慣れてくる。
楽器を持ってすぐに弾けと言われても、そうそう音をはずすことはなくなる。
指の反応が良くなり、少々速い曲でも、移弦が多くても、音が高くても、重音でも、以前ほど苦労せず弾ける。

音の質が変わってくる。
大勢の中で弾いても、ぱりっと目立つような音も出せるようになる。

音のみを頼りにして弾く弾き方を改め、きちんとポジションを意識して、弾くようになる。
技術的には、それほど問題が無くなる。
音楽的にも、いろいろな欲が出てくる。

オケで弾くときは、自分が昔、先輩の音に頼っていたように、後輩に頼りにされるから、少ししんどくなる。
隣の後輩が音をはずすと、思わず、自分の音の方がおかしいんじゃないかと思って、反射的にずらしてしまいそうになって苦笑する(^^;)

そういうことにならないために、自分だけで弾くことよりも、みんなの中で弾くことを前提に、練習するようになる。
以前なら、合奏の時に同じプルトの人が落ちただけで、動揺したものだけど、たとえ自分のパートのメンバーがみんな落ちて、一人になったとしても、弾くぞ…というような心構えで練習に参加するようになる。

演奏会でのペース配分もつかめて、本番の楽しさが心底わかるようになる。

四年生の頃

初見でいろいろな曲が弾けるようになった。
他の所にも書いたけれど、ヴァイオリンで初見の曲を弾くことって、結構難しい。
やっと、初見も平気になってきた、という気分。

一月ぐらい楽器に全く触らなくても、そうそう復活できないレベルまで、技術が落ち込んでしまう…なんてことはなくなり、基礎練さえしっかりやりなおせば、久しぶりでもだいたいの曲は弾けるようになった。
これは、ヴァイオリンに慣れたってことかな。

右手の使い方が上達する。
音色の幅が広がる。
有名なソロの曲でも、たいていの曲は弾けるようになったし、弦楽4重奏のヴァイオリンパート(特に1stは、かなり難しくて今まで弾けなかった)も、弾いてみようかな、と思えるようになって、曲の幅が広がり、楽しい。


いまのところ、そんな感じ。
個人的感想としては、3年間で結構弾けるようになるもんだなぁ…って(笑)
自分では、当初思っていたよりも、上達したと思います(^^)

初心者から始めたヴァイオリニストが悩むことは、たいてい同じだと思います。
みんな、こんな流れで、進んで行くんだなぁって思って、ちょっとでも不安が取り除けたらいいなって書いてみました。
実験結果は、以上です(^^)

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