*基礎練習のメニュー
*基礎練習を始めるにあたって *ミニミニ劇
*基礎の基礎その1(発声) *パントマイム
*基礎の基礎その2(早口言葉と滑舌) 皆様からの基礎練習方法
*言葉と表現
*台詞と状況

*基礎練習を始めるにあたって

ここでは基礎練習の方法を紹介しています。ここにあげた物はすべて、私の学校に代々伝わっている物です。私が考えた物ではありません。

さて、本題ですが、この練習をやるときに気をつけてもらいたいことがあります。

まず、厳しくやること。自分にも、仲間にもです。早口言葉などはついつい甘く見がちです。本当にはっきりと、一音一音正しく言えていなければ意味がありません。自分で出来たと思っても、他人にほめられたとしても、「まだまだうまく言えるはずだ」と、追求し続けて下さい。

そして恥ずかしがらないこと。これは非常にむずかしいです。私はこれが出来ていません。無言のパントマイム、動作の表現などは、台詞を言う練習よりも難しく、また心のどこかで「はずかしい」と思ってしまうものです。けれどこれを乗り越えなければ!舞台上で演技などとてもできたものではありません!さあ、一緒に(笑)頑張りましょう。

早口言葉、滑舌五十音、腹筋、背筋、ストレッチはいつも欠かさずやって下さい。これくらいなら十分ほどですむので、練習のたびにやるといいと思います。

では、基礎練習の世界へ!

*基礎練習、基礎の基礎(発声)

発声は、なによりも大切な基本です。声が小さかったらお客さんに台詞が届きません。

ではこの発声、どのようにしてやったらいいのでしょうか。

まず力を抜くことです。そして腹式呼吸を用いて声をおなかから出す。と、これだけなのですが、やるのは結構難しいのです。一つ、効果的な練習法をあげましょう。

まず、仰向けに横になって下さい。そして全身に力を入れます。頭からつま先まで、筋肉にぐっと力を入れて堅くして下さい。そして5秒間そのままにしたら、ふっと力を抜いて下さい。これを三回ほど繰り返します。そして三回目に力を抜いたときに、口を閉じて「ん〜〜〜〜」と声を出し始めて下さい。鼻の奥で響かせるような感じです。(横になったままです。念のため。)そしてだんだん口を開いて、「ん〜〜〜〜〜む〜〜〜〜ま〜〜〜〜あ〜〜〜〜〜〜〜!」と、声を出していって下さい。

きれいな声にする必要はありません。音階もみんなぐちゃぐちゃでいいのです。当たり前のことなのですが、みんなやたらときれいな声を出しがちです。

横になっているとき、人は腹式呼吸をしています。横になり、おなかに手を当てて、自然に呼吸をしてみて下さい。息を吸ったときはおなかが膨らみ、吐いたときにはへこんでいるはずです。さあ、発声の感覚はつかめました。今度は立ってやってみましょう。

まず立って、ジャンプをします。三分間ほどやって下さい。手や足はぶらぶらさせて、力を抜いて下さい。ジャンプすると自然に揺れるはずです。疲れてきたら止まって、力を抜いて下さい。そして横になったときやったのと同じ要領で最初はハミングから、だんだんと口を開けていって下さい。

これを毎日やっていれば、だんだんと舞台で出す声もしっかりしたものになっていくはずです。

舞台で出す声は日常生活での喉から出す声とは違い、おなかから出す声です。たまにアニメのキャラクターのような作り声を出している人がいますが、よっぽど訓練された声でない限り、はっきり言って不愉快です。例えば声優を目指している人でも、基本はやはり舞台での演技であったり発声であったりします。ちゃんと基本を身につけ、自分の声をコントロールできるようにしましょう。

*基礎練習、基礎の基礎(早口言葉と滑舌)

代表的な早口言葉には、このようなものがあります。

これらはすべて滑舌(「かつぜつ」なめらかにはっきりとしゃべること)を良くするために使われます。早口言葉には注意をつけておきました。絶対にここで自分に甘い評価をしないで下さい。間違いが癖になってしまうと、なかなかなかなかなかなかなかなか直せません。

更に下にある滑舌のための五十音は、はっきりと一音一音発音して下さい。最初は腹式呼吸で、一音づつ発声をやるときのように言って下さい。「あ、い、う、え、お、い、う、え、お、あ、、、、、、」と言う風に区切ってもかまいません。腹式呼吸については、ちょっと説明が難しいので演劇、体操、運動、歌唱などの本を探してみて下さい。きっと腹式呼吸について詳しく書かれていると思います。

そして、横に(5回)とか(10回)とか書かれていますが、これは一息で言うべき回数です。息継ぎをしてはいけません。最初は一回言うだけでも一苦労だと思うので、慣れたらこの回数にして下さい。

では、どうぞ!

東京特許許可局 許可局長の許可(5回)
「東京とっきょきょきゃきょく」にならないように。
この竹垣に竹立てかけたのは 竹立てかけたかったから 竹立てかけたのです(5回)
「このたてがき」にならないように。
少女シャンソン歌手 新春シャンソンショー (5回)
「新春しゃんしょんショー」にならないように。
服作る夫婦 靴作る夫婦 古服売る夫婦 古靴売る夫婦(5回)
「ふるふくーる夫婦」にならないように。
一里二里七里 一日にぎりぎり七里行った(5回)
はっきりと。つながらないように。
お綾や親にお謝り お綾や八百屋にお謝りとお言い(5回)
「おわやや親におわやまり」にならないように。
抜きにくい釘 引き抜きにくい釘 釘抜きで抜く釘(5回)
「くぎうぎで抜く釘」にならないように。
新人手術師 手術中(5回)
「しゅじゅつし」をはっきりと。
ラダレデロド ダラデレドロ ダゾデザドゼ ゼドザデゾダ(5回)
ダゾザド ドザゾダ(10回)
あいうえお いうえおあ うえおあい えおあいう おあいうえ(5回)
かきくけこ きくけこか くけこかき けこかきく こかきくけ(5回)
さしすせそ しすせそさ すせそさし せそさしす そさしすせ(5回)
たちつてと ちつてとた つてとたち てとたちつ とたちつて(5回)
なにぬねの にぬねのな ぬねのなに ねのなにぬ のなにぬね(5回)
はひふへほ ひふへほは ふへほはひ へほはひふ ほはひふへ(5回)
まみむめも みむめもま むめもまみ めもまみむ もまみむめ(5回)
やいゆえよ いゆえよや ゆえよやい えよやいゆ よやいゆえ(5回)
らりるれろ りるれろら るれろらり れろらりる ろらりるれ(5回)
わうぃううぇを うぃううぇをわ ううぇをわうぃ うぇをわうぃう をわうぃうえ(5回)

あえいうえおあお(5回)
かけきくけこかこ(5回)
させしすせそさそ(5回)
たてちつてとたと(5回)
なねにぬねのなの(5回)
はへひふへほはほ(5回)
まめみむめもまも(5回)
やえいうえよやよ(5回)
られりるれろらろ(5回)
わうぇうぃううぇをわを(5回)

*基礎練習その1(言葉と表現)
私を知ってるの?
(驚いたように、哀しそうに、嬉しそうに、からかうように、くやしそうに)
あなたって面白い人ね
(バカにしたように、さみしげに、笑いながら、改まって)
これから行くの。あそこに。
(行ってらっしゃいというように、びっくりして、ゆかいそうに、さみしそうに)
ありがとう
(忠告をしてくれた人に、物をくれた人に、ほめてくれた人に)
この中に毒が入っているの
(自分で確かめて、人から聞いて、人が飲んだあとに、冗談で)
そうですか
(親の死を聞いて、場所を教えてもらって、 納得して)
なに見てるのよ
(野次馬がいっぱいいるとき、人の着替えを見てるとき、日記を見られたとき)
本気で言ってるの?
(怒って、哀しげに、笑いながら、ショックで、人から聞いた話)
もし、イヤって言ったら?
(ふざけて、怒って、暗く、真剣に、困って)
どうしてかわかりますか?
(疑問、訴えるように)
先生
(ふざけるように、哀しそうに、反抗的に、遠くから呼びかける)
ああ疲れた
(口だけで、イヤミっぽく、疲れ切って、荷物をおいて)

*基礎練習その2(台詞と状況)
あなたのことが、信じられないの。私、どうしてもあなたのことが。
(怒って、さみしそうに、笑って、バカにして、静かに)
何もかも、なくしてしまったっていうの?私の手紙も、彼からの手紙も?
(怒って、開き直って、激しく、泣きじゃくって)
まさかうちが火事なんて、、、冗談きついわ。だって、うそでしょう?
(激しく、呆然と、震えるように、冗談だと思って)
ただいま、あっお兄ちゃん、お母さんは?そう、いないの。
(テストで100点を取って、 友達の事故を知らせたい、0点を取って)
助けて下さい、ああどうか!追われてるんです!殺されちゃうんです!
(震えて、訴えるように、気が動転して、いつも嫌っている人に)
こんな事言って悪いですけど、あなたいびきうるさいです。
(かわいく、にくらしく、おこって、優しく、みんなに聞こえるように)
パンが180円!うそでしょぉ、え〜どうしてそんなにするのよぉ!
(大げさに、いやみっぽく、笑って)
バカにしないで下さい。いくら数学で30点しかとれなかったからって!
(怒って、反撃して、ふざけて、かなしそうに)
行ってらっしゃい、気をつけて。死なないでよ、ね。
(ふざけて、さみしそうに、早くいけというように)
だめ、そっちへ行っちゃ。
(怒って、聞く感じ、びっくりして、やさしく)
このケーキとってもおいしいですね。どこで買ったんですか?
(うそをついて、ほめる感じで、悲しさをこらえて、無理に)

*基礎練習その3(相手とあわせる)

こんにちは、あら新しいセーターね。
<何かを言う(言わなくても良い)>
いくら?
<何かを言う(言わなくても良い)>
そんなにするの!
<何かを言う(言わなくても良い)>
高いわね。やっぱり、リッチな人って違うわ。
<何かを言う(言わなくても良い)>
今度、私におごってよ。
<何かを言う(言わなくても良い)>
えっ?やだって?ちぇっ。

これと同じようにして、下の文章も二人でやってみましょう。台詞を入れるところは各自考えて下さい。ちなみに、やる前に相談してはいけません。ぶっつけ本番です。

佐藤さん、掃除、またさぼる!ほら、早く掃いてよ。わっ!ちょっと!もう少し静かに掃いてよ!ほこりが吹き上げてるわよ!えっ!だったら自分で掃け?いいかげんにしてよ!もう!

あ、先生、今度のミーティング、先生も出席されるんでしょう?ええ、そうですか。何か特に用意しておく物とかは?まぁ先生ったら、お茶とお菓子だなんて。ふふ、大丈夫です。おいしいケーキを用意しますから。じゃあ、失礼します。

えっ、、、、、、?!里子が死んだって、、、、嘘でしょ?だってあんなに元気であと一週間で退院だって、言ってたじゃない!、、、、、、、ええ、平気。ありがとう。お葬式は?、、、、、そう。里子が死んだ、、、死んだ、、、、

あ、悪いんだけど、数学の宿題見せてくれない?そう、ダメ、じゃあいいわ。他の人に借りるから。ううん、気にしてない。だってやってない私がわるいんだもん。ごめんね。

もうすぐあの人が帰ってくるの、ドキドキしてる。ねえ、あなたもうれしいでしょ?だってあの人ったら、いつもたくさんのおみやげくれるんだもん!きっとあなたにも持ってきてるわよ!あ、帰ってきた!

*基礎練習その4(ミニミニ劇)

台詞を言うときの注意
1、その台詞はどんな人が言うのか。(時代、性別、年齢、性格、生い立ち、教養、職業、地位など)
2、どうしてその台詞を言うのか。動機は何か。(感情のままに、講演会、おせじなど)
3、どんな状況で言うのか。(場所、時刻、時代、相手)
4、相手はどんな人物か。(地位が上か下か、年齢)
5、相手との関係は。(人間的関係、社会的関係)

これらを考えながらやって下さい。

少年 さより、、、、、、、さより、、、、、
少女 誰?私を呼ぶのは、、、
少年 ボクだよさより、としだよ。
少女 と、、、し、、、、、?本当にとしなの!
少年 そうだよ、さあ、ここをあけて、、、、
少女 とし、、、、!本当ね。としなのね。
少年 そうだよさより、君に会いに来たんだ。そして君を迎えに来たよ。
少女 会いたかったわ。とし。そう、嘘よね。あなたが死んだなんて。あれは悪い夢だったのね。
少年 さあ、おいで。ボクと一緒に行こう。
少女 でも待って、、、、としは死んだ。あの日の朝、バイクにはねられて。そうよ。お葬式。私は泣かなかった。黒い縁の写真たてに入ったあなたの笑顔を見て、、、、とし?、、、、あなたは、だれ?
少年 さより、どうしたんだい?何故そんな目でボクを見るんだ?
少女 イヤ、私こわいの。帰るわ!
少年 もう遅いんだ。ボクは君を連れていく。さより、ボクは君を、、、、、、、
少女 イヤ!としじゃない!あなたは、としなんかじゃない!ああっ!
少年 愛してるよ。さより。
少女 私は死んだ、、、、、バイクにはねられて、、、、とし、あなたが笑ってる。うれしそうに。いつまでも、、、、、、

これは、どのように解釈できるでしょうか?いろいろ考えてみて下さい。私の案を述べておくと、、、、、、、と、やめておきましょう。考えてもらいたいですから。もしどうしても見たければ、この下をドラッグして下さい。

私的には、これは少女(さより)が交差点の近くで見た白昼夢のような気がします。恋人を永遠に失い、幻覚まで見てしまうほど傷ついたさより。そしてそれに誘われ、交差点の真ん中に飛び出してしまう。そして、恋人と同じように、バイクではねられる、、、、、(もしかしたら、同じ交差点かも知れませんね。だとすれば結構ドラマですね。)他にもいろんな解釈ができるでしょう。

*基礎練習その5(パントマイム)

パントマイムとは、体の動きだけでその場の状況やストーリーを伝えることです。台詞がないので、かなりしっかりと動作をやらないと全く分かってもらえません。例えば目線の位置、グラスを持つときとマグカップを持つときの手の形の違いなどに、常に目を向けていないといけません。

舞台上ではそんなに多くの小道具を使うことはないでしょう。また、大道具を何からなにまで用意することも難しいと思います。そういったときに役立つのがパントマイムです。

例えばドアを開ける動作は、まず最初にノブを握り、回し、ドアが体にぶつからないように避けながらドアを開け、開いたところを通って、ノブから手を離し、手でドアの裏側をちょっと押してドアを閉めると言う風にして出来ています。ほかにもよく使われるのは、引き出しをあける動作、ポケットから手紙を出す動作、時計を見る動作などがあるでしょう。

舞台上ではパントマイムはお客さんがなにもない舞台を部屋だと感じたり、公園だと感じたりするための唯一の手がかりです。絶対に甘く見てはいけません。

では、どうぞ!

外出前です。髪をセットします。 ドライヤーを使います。スイッチを押すと、、、風が出てきません。時間が迫ってきます。何度もスイッチを押します。ふと下を見るとコードが切れています。おかしくて笑い出します。あっ!時間がない!結局、二度三度ブラシでとかして、部屋を飛び出します。

彼を待っています。駅前の公園で。人々が行き交うのを目で追っています。知っているおばさんに声をかけられ、軽く会釈をします。十分の遅刻。少し動いて彼を捜します。ぱっと振り向きますが彼はいません。雨が降ってきました。だんだん不安になってきました。もしかしたら事故?それとも、、、、、いつもは時間に正確な彼。ぽん、と肩をたたかれ振り向きます。来た!

捜し物をしています。棚を開け、引き出しをあけ、中のものを全部ほっぽりだします。ない、ない、どこいったんだろ。考えます。床に手をつきました。かさっとした感触。ギクッ!ゴキブリです!驚いて逃げます。が、次第にゴキブリホイホイに入れようと思いはじめます。入れ、入れ!逃げるゴキブリ、追うあなた。最後には近くにあった新聞紙でたたきます。

お母さんの留守中にお母さんのアクセサリーをいじってみようと思います。ステキな指輪があった。ちょっとだけ。はめた。なかなか入らない。無理に入れた。わあ、きれい!ピンポーン!あっ!お母さんだ。やばい。焦って指輪をはずそうとします。あれ?抜けない。ピンポーン、ピンポーン。ああ、どうしよう!一生懸命引っ張るが抜けない。ガーン!

勉強しています。お母さんが入ってきて、差し入れをしてくれます。無造作にカップに手を伸ばして飲み込みます。ぐぇっ!熱い!思わず吹き出してレポートの上にコーヒーがこぼれます。ああ、汗と涙の結晶が、、、、ぐしゃっとレポート用紙を丸めます。

縫い物をしています。ボタン付けです。縫っている内に指を刺してしまいました。いたい!再度挑戦。そしてやっと縫い終わりました。広げてみると、、、、、なんと全然違うところについていたではありませんか!あ〜あ、やりなおし。

*報告
まだまだ増やしたいと思っていますが、今はこんな感じです。これだけでも十分に練習をすることは出来ますので、どうぞやってみて下さい。ちなみにこれは私の学校の先輩方から代々受け継がれてきた物です。その中から抜粋しました。先輩方に、深く感謝をしたいと思っております。