バカ映画レビューVol.002

兵隊やくざ

 

舞台は昭和18年の満州。関東軍にやってきた荒くれ者、大宮貴三郎(勝新太郎)の話。

軍隊では(組織ならばどこでもそうか)階級が偉い者がやる行動は、たとえそれがどんなに間違った事でも、正しいとされてしまう。そのような筋の通らない事を全く認めようともせず(全く理解していないともいう)、自分の信念を貫こうとするのが大宮である。

話は大宮が初年兵の一人としてやってくる所から始まる。初年兵が一人一人挨拶をする。「〜です。」「〜です。」みんな若く、張りのある声である。そこに一人だけやけに老けた丸坊主の輩が「大宮貴三郎です。」と野太い声で挨拶する。上官は怒り大宮を殴るが全く利かない。それどころか奴はふてぶてしい顔で煙草を吸っている。

風呂場での話。大宮たち初年兵(歩兵隊)は演習で汚れた体を洗い流すために、風呂に入っていた。そこへ砲兵隊の奴らが入ってきて初年兵の一人に因縁をつけボコボコにする。大宮は初め黙って様子を見ていたが、砲兵隊の仕打ちが余りにやりすぎだと思ったため、一人で砲兵隊の連中を相手に、大暴れする。しかも素っ裸。

素っ裸と言えば、大宮は女が大好きだ。女の好みだけはうるさい。上等な女しか相手にしないという我がままぶりだ。ある日、大宮は遊女を抱くために脱走する。そして彼は2等兵なのに、将校相手の遊郭に行き、そこの用心棒をぶっ飛ばして、女にしゃぶりつく。欲情したサルとはまさに彼のことを指す。女遊びにも滅法詳しい。「へそ酒」という女のへそに酒を流し込みこぼれた酒をなめるという遊戯を、世話になっている上等兵に教える。

そのいつも助けてもらっている上等兵が除隊間近だったのに、戦況が進み日本に帰れなくなり、えらく落ち込んでいた。大宮は彼の恩返しをしたいと思い、脱走計画を立てる。2人は軍隊が汽車で移動しているとき、隙を見て1番前の車両に行き、運転手をぶっ飛ばして車両を切り離し、脱走を簡単に成功させる。大宮は子供がいたずらを成功させたかのように、無邪気な笑みを浮かべる。

と幾つかエピソードを挙げてみたが、大宮の魅力を感じて頂けたであろうか。人は生命力のある人間を見ると元気が出るものだ。大宮は決して美男子ではない。けれども彼の愛嬌のある仕草や表情は、男性だけでなく女性も引き付けるものだと思うのだが…。

 

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