簡単なお手入れの話
そんなわけでスバル360に乗り続ける限り日常の手入れや、
トラブル回避のための知識を手に入れることが必要になってきます。
ここでは、まだ乗り始めたばかりの方やこれから乗ろうという方に、知っておいたら
役に立つかもしれない、簡単な作業で効果の高いトラブル回避法などをお伝えします。
また、これらの作業で用いる工具などは、ホームセンターなどで安価でセット売り
されているような極く一般的なものだけなので、安心してくださいネ。
なお、作業は自分の責任で行って、危険のないようにしてください。
セルがゆっくりしか回らない、キーを捻るとエンジンの方から「カッチン」と音だけする、
音もせず、ホーンを鳴らしても鳴らないなどの時はバッテリーか電装系に問題があると思われます。
他車のバッテリーで救援したらかかるという場合バッテリー関係へ。
チャージランプは点くがカッチンとも言わない時は、セルモーターに繋がってる細い線が
抜けてないか、キースイッチの裏で配線が抜けてないか見てみてください。
それでもウンともすんとも言わないなら、多分セルモーター関連なので、プロに任せてください。
しばらく乗らないでいるとエンジンがかからない・・・という現象が頻発するようでしたら
まず、その日最初にエンジンをかける前にキャブレターとエアクリーナーケースを繋ぐ
ジャバラを外してみます。ジャバラからガソリンが流れ出てきたらオーバーフローです。
その状態でエンジンをかけてみてください・・・かかるでしょうか。
かかるならオーバーフローへ。
ガソリンは流れなかったけど、かかるようになったというなら、
エアクリーナーが汚れている可能性があります。
クリーナーエレメントはディーラーで手に入ると思います。
まだ、かかんない・・・という人は、キャブレター一番下のボルトを緩めてみてください。
ガソリンがしたたり落ちてきますか?(流れたガソリンは火災にならないようにしてね。)
こない人は、ガソリンがキャブレターまで来てません。
キャブレターへ。
流れるよ。という人。
次は、プラグを外してみます。プラグが黒々と汚れたり、湿ったりしている場合は、
混合気がちゃんと燃えていません。こういう状態のエンジンでセルを回しつづけると
キャブからガソリンがあふれてきますが、これはオーバーフローと混同しやすいですが
違います。
まず、プラグを掃除。換えがあるなら交換です。
プラグの番数は、標準がB6H、後期型やスピード出す人はB7Hとされています。
カー用品店のプラグコーナーには多分無いので、バイク用品店で見つけてください。
B6HSやBR6HSというのでも、問題ないです。
そして、点火系へ
また、例外として、暑い日のみ、エンジンが熱い時だけかかりにくいという方、
パーコレーションへ。
まず、症状を冷静に分析します。
さらに、いつも起こるのかたまになのか、という事も肝心です。
火花が全体的に弱く不安定になっていそうです。
まず点火系を見ます。
アイドリング時のガソリンや空気の通路が詰まってるかもしれないので
キャブレターも見といてください。
夏場だけ、信号待ちなどでエンストが起こるとかいう時はパーコレーションへ。
これは、点火系の狂いで異常燃焼を起こしています。
点火系の狂いか、キャブレターの詰まりか。
かなり継続的だが、チョークを引いてみると割と普通に加速する
という時は
キャブレターのジェットが詰まっていそう。
アイドリング付近の極低速から、アクセルをガバッと開けた時ヨロヨロ・・・と加速したり
エンストする。という場合、混合気が作れず失速という場合と混合気が濃すぎて失速。
という二通りが考えられます。
現代の車にはデフロスターという装備が付いているのが当たり前で、雨の日の走行にも問題はありません。
スバル360も一応ヒーターを兼ねたデフロスターが付いていますがエンジンの回転が上がらないと
風がこないし、
たいした効き目がありません。
雨の夜など、危険で仕方ないのですが、市販の曇り止めスプレーを使うとウソのように
曇らなくなります。一度、使うと手放せなくなると思います。とてもオススメです。
ただし効き目は何日も持続しないので雨のたびにスプレーしてやる必要があります。
ヒーターをつけると臭いがひどくなるのは、排気漏れの匂いです。
始動時の白煙が、エンジンルーム内からも出てるような時は、はっきり、漏れてます。
マフラーを外し、隙間をバイク用品店で売ってる液体ガスケットで埋めたりすれば収まるはずです。
ただ、マフラーが壊れて穴が空いている事もありますので、見極めてから作業してください。
市販のマフラー補修用のパテなどは、振動で取れる場合があるので良く考えてから使ってください。
マフラーは、ボルトの固着さえなければ普通の工具で外せます。交換する部品もとくにありません。
ただし後期型のワンピースタイプは、外すのにけっこう時間がかかるのでボルト類を緩め、
取りつけ場所をずらすだけで良いと思います。
熱でボルトがもろくなってる事もあるので気をつけてください。
中期以降の燃料キャップが内蔵の型では、燃料キャップの下にボディとの隙間を塞ぐゴムパッキンが
ありますがこれがないと気化したガソリンの匂いが車内に入ってきます。
無い時や劣化してる時は、すきまパテなどで
代用できます。
また、燃料タンクの上から伸びてるホースがちゃんと外へガスを逃がしている状態でないと
マズイです。
また、特殊な例として、ガソリンタンクに穴が空き、漏れ室内が異常に臭くなるという事もあります。
これは、
リアウインド付近からの雨漏りが、タンク下のスペースに溜まりサビを呼ぶという物です。
燃料の減りが
早いとか、リアシートのウラが湿っているという時は要確認です。
穴塞ぎはちょっと大変なのでココでは省きます。
まず、どれもこれも作動しないのか、一部分なのか調べます。
さらにランプ類など、組になってる物は両方なのか
片方なのかも調べます。
ウインカーが点滅しないという時は、どれかひとつ球切れがないか調べます。
全部、揃っていないと点滅しないのです。
ヘッドライトが片方つかないという時はフロントフードを開け、ライトの裏側のソケットの状態を見ます。
いくつかの物が同時に止まった時は、ヒューズを見てみてください。
焼き切れていたら交換ですが、たまに正常でも接触不良が起こるので潤滑スプレーを吹いたり接点を
紙やすりで磨いたりしてみます。
換えのヒューズや電球の球は、ホームセンターのカー用品コーナーに大抵置いてあります。
ヘッドライトが切れたら丸ごと交換ですので、ディーラーなどへ持ち込んでください。
明るくするためハロゲンランプに換える場合、リレーを使わないと配線が焼けてしまいますので
注意してください。
あとは、スイッチパネルのウラを覗きこみ、コードの断線を見ます。
バックランプだけ作動しないという時は、まず球切れと、エンジンフードの裏の配線を確認後、
リアシートを取りハッチを開けてエンジンを見ます。
シフトレバーの方から伸びてきた棒が、エンジンとくっつく個所に、バックランプスイッチがあります。
これは、シフトレバーをRの位置に動かすとオンになる仕組みになっています。
正常に動くか確認します。
スバル360ではよく起こる不具合のようです。
デフ付近の部品に隙間が出来る事によって起こるようです。
エンジンを下ろし、隙間をシムで調節すれば直るそうですがかなりの大作業となります。
しかし音が出るようになってからも壊れないで何万キロも走れるそうなので、気になる人以外は、
壊れてから直せば良いそうです。
ただ、これによく似た症状で、エンジンが温まる以前からコトコトいう場合は
デフを留めているボルトが折れかかっているかもしれません。
この場合日に日に音がどんどんひどくなっていくのでそれとわかります。
修理はエンジンを下ろさなくても出来ますが、素人にはムリ。整備工場ならどこでもやってくれると思います。
キャブレターの構成図を載せるので、参考にしてください。
ちなみにこれは後期型です。
簡単な掃除の方法として、
まず、エンジンがかかっている状態なら、ジャバラを取りはずし穴を一瞬だけ手で塞いでみます。
強烈に引っ張られると思います。
この、引っ張る力で小さなゴミなら取り除けるかもしれません。
これで変わらない場合、エンジンを止め、簡単に外せる物を外し
中をキャブレタークリーナーで掃除します。
小さく、似たようなパーツが多いので間違えて組んだりしないようにしてください。
パーツ図27のメインジェットホルダー、44のスロージェット、20のバイパスプラグ、
そして14のフタを取ると現れる16スローエアブリードと17メインエアブリードは、
ただ単にねじ込まれているだけなので外して穴を掃除します。
ただ、材質が柔らかいのでナメないよう注意。
ドライバーが入らないとかいう時は無理に外さなくてもいいでしょう。
18と46の、バネ付きのネジはねじ込み量でセッティングを変える物なので、不用意にいじらないでください。
これをいじったら、下記のアイドリングの調整が必要です。
45は、夏場に交換するためのスペアジェットが、ただ単にはめてあるだけです。
燃料が降りてこないという時は5のニードルバルブを外し掃除してみてください。
エアクリーナーを付けているのに頻繁にゴミが詰まるという時は、燃料タンクのサビなどの可能性
もあるので、タンク下の半透明のケース、フューエルストレーナーにゴミが溜まってないか見てください。
スバル360は燃料タンクに水が残りにくい構造ではありますが・・・
アイドリングの調整
アイドリングの調整には、本来タコメーターが必要です。無い場合は勘に頼る事に・・・初心者には、あまりオススメしません。
ちなみにタコメーターは電気式の2サイクル2気筒用と4サイクル4気筒用が使えます。
1、まずエンジンを5−10分、暖機してから調整をはじめる。
2、アイドルアジャストスクリュ(18)を全て閉め込み2回転ほど戻す。
3、キャブレータアジャストスクリュ(46)をねじ込んでスロットルバルブ(47)がやや開いた状態にする
4、エンジンをかける。
5、46を少しずつねじ戻して行く。回転が下がり、不安定になったら戻すのをやめる。
6、18を少しずつ締め込んでゆく。回転が安定し、さらに、回転が高くなり、最も高くなったら締め込むのをやめる。
7、46を再び戻して行き、所定のアイドル回転に合わす。(毎分700−900回転)
点火時期など・・・
点火時期の調整は、素人さんには、シビアな作業なのでいきなりお勧め出来ませんが、
他車からの乗り換えなどで、データが欲しい方のため、点火時期を書いときます。
スバル360 13度
等となっておりますが、まあ、それ程シビアにならず、大体こんくらい・・・って感じ、
R2前期型 12度
R2中期以降(固定進角型)16度
ちょっと早くした方が
パワーが出て良かったりします。
ちなみに、ポイントギヤップは0.4-0.5の間です。
パーコレーションとは?
エンジンルームの熱で、ガソリンが沸騰してしまい、混合気が作れない状態になります。
現代の車には色んなパーコレーション防止の処置がとられているので起こらない事ですが
古い車では夏場などに良く起こります。
しばらくエンジンを冷ませば回復します。また、色々な熱対策のための対処用グッズなどが通販などで売られています。
どうしてもなんとかしたいという人は、調べてみてください。
タンクから降りてくる燃料をせき止められずに起こるオーバーフロー。
一見、問題なさそうでもジワジワと流れ出ていれば、数日後にはエンジン始動不能と
なります。
スバル360ではそのせき止める場所が2箇所ありますのでまずどちらが問題か調べます。
まず、キャブレターと燃料ホースをつないでるところのボルトを緩めてみます。
燃料が流れ出てきますが、普通はホースにある分の燃料が流れきれば止まります。
止まらずいくらでも流れる時は、タンクの根元にあるコックのゴムパッキンが劣化していると考えられます。
交換する時はタンクを空っぽにする必要がありますが、作業そのものは、外して付け換えるだけです。
止まった・・・という場合、さっき緩めたホースのそばのネジ三本をはずしフロート室のフタを開けます。
キャブレターの構成図を参照。
金色の丸い物体(7)がフロートで、これは本来プカプカ浮いていますが穴が空いたりして沈むと
オーバーフローの原因になります。穴は、小さいものならハンダで塞ぐ事が出来ます。
フタの方についてるのがニードルバルブ(5)で、これのバネが弱くなったり、ゴミがつまったり
するとガソリンを必要以上に流してしまう事になります。問題があるなら交換です。
これらのパーツの入手ですが、一応ディーラーで在庫を確認してみてください。
ない場合、雑誌広告などで、スバル360のパーツ販売をしているところを探して問い合わせてください。
自前で用意しているところがあります。多少、値段は高いですがすぐに入手出来るというメリットがあります。
まず、火花のチェックをします。
外したプラグをプラグコードにさしこみ、キーをオンにします。
そしてプラグの先をどこか無塗装の金属の部分に押し当て、一人なら
ジェネレーターのプーリーを手で回す。二人いたらセルを回してみます。
火花が、パチっと飛べばいいのですが飛ばなかったらさらに調べて行きます。
(キーは、切ってね)
目に見える範囲で、プラグコード類の外れ、異常等を調べます。
次にデスビ・・・デスビの構造図を参考に。
まず、10両脇のストッパーを外し1のキャップを取ります。
ここでキャップの裏側を覗くと3ヶ所接点があるのが分かります。ここを紙やすりで掃除。
真中の黒いでっぱりが、減りすぎて周囲の金属性のリングと同じ高さになっていたら
交換した方が良いでしょう。
次に2のローターを真上に引き抜きます。3のポイントが現れます。このスイッチの
ような部品がくっついたり離れたりする事でプラグに電流が流れます。
接点は、本来銀色一色ですがしばらく走っていると白いカスがつきます。
接点が磨耗したりカスが多くなると上手く火が飛ばなくなるわけです。
この接点の部分も紙やすりで磨いておきます。
ポイントを外すと掃除がしやすいのですがシックネスゲージという隙間を図る道具が必要になり、
点火時期の調整も必要になります。ここで説明すると長くなるので割愛します。
なお、デスビのキャップ、ローター、ポイントもディーラーから今も手に入るはずです。
充電の不良というのも実に原因になる要素が多く、発見が難しいです。
スバル360は現在の発電機とは違う旧世代の物を積んでいるため、発電力が低く、
アイドリング中は、発電できません。
ですので夜間の渋滞で雨降りなどとなるとバッテリーの電気はどんどん減って行きます。
当時のマニュアルにも、そういった状況で頻繁に用いる時はたまに補充電するよう
指示がされています。まず、そういった点を踏まえてください。
しかしいくら何でも当時のベストセラーカーですので、普通に整備されていれば
不便を感じるほどしょっちゅうバッテリーが上がる事はないはずです。
地道に不確定要素を排除していきましょう。
まず車体から外し(外したコードはどれがどれだか分かるようにしておく。
ちなみにこれらの断線という事もある)ケース上の、ネジを埋めている封印を
カッターなどで削り落とします。そしてケースを外します。
ここで重要な注意がありますが、
フタを取ったら中身は、決してそれ以上分解しないでください。
外すと、素人には元に戻せなくなります。
中を良く観察すると、2組のコイルと可動接点があります。
この、接点の汚れを紙やすりで落としてやります。
で、その対策は・・・まず、地面に視線を降ろし、エンジン・ルーム下面を観察してください。
クラッチ・ハウジングから出ているワイヤーに、蝶ネジがあるはずです。それを締めたり緩めたり
して、上手い事調節して下さい。締めると張りがきつくなります。
なお、それでも一向に症状が改善しない場合、ミッションのトラブルか、クラッチ板の減りが
考えられます。これは、ちょっと難儀なので、プロに任せて下さい。