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Kinoppiの音楽日記


オーケストラ・アンサンブル金沢 第85回定期公演 1999年10月01日(金)

 
OEKの定期公演は、定期会員を除いて自由席になっています。
今夜のコンサートでは、あの村治佳織さんとの共演があるので、きっと
早い時間から行列ができているだろうなと思い、開場6時のところ、
5時に行ってみまたら、すでに50人ほどが並んでいる! 急いで列に
加わりました。その後もどんどん人が集まり、開場の6時前には文字通
り長蛇の列。
結局、1時間並んだおかげで、前から5列目の席を確保できました。
 

 
開演までの時間を利用して恒例の「プレトーク」がありました。解説は
OEKコンポーザー・イン・レジデンスの林光さん。いつも通り、ピアノ
を弾きながらの解説です。
まずはロドリーゴのアランフェス協奏曲について。ギターとオケの音量
の違いをカバーするため、今夜の演奏ではアンプが使われることが紹介
されました。ギター協奏曲を作曲する作曲家にとっても、音量の違いを
どうさばくかが課題になるとのことです。
続いて、ベートーヴェンの交響曲第5番について。ベートーヴェンが
推敲を重ねながら、第1楽章冒頭の有名なメロディを作っていく過程や、
第2楽章での転調の妙味、などについてピアノ演奏を交えながら解説
してくれました。
 
そして、いよいよ開演です。指揮は岩城宏之さん。
1曲めは林光さんの新曲<オーケストラのための哀歌>。客席にいた
林光さんがステージに上がり、簡単に自作の説明をしてくれました。
ポイントは3つで、「OEKの通常の編成に合わせて作ったので、好評
であれば、OEKは何度も演奏してくれるでしょう(笑)。」
「内外に溢れる悲惨な出来事とその犠牲者、とりわけ私が生きた1980年代
以降の世界で、苦難を受けた人々を思って、このタイトルをつけました」
「シャコンヌの形式による変奏曲です」とのこと。
聴いてみると、調性がはっきりと感じられるもの悲しい旋律が弦楽
パートで演奏された後、いろいろな楽器により変奏されていきます。
敢えていえば、R.シュトラウスの<メタモルフォーゼン>に感じが
似ている、とても聴きやすい曲でした。
 
続いて、ロドリーゴのアランフェス協奏曲。ソリストは村治佳織さん。
コンサートツアーで持ち歩いていると思われる、椅子、マイク、小型スピー
カーの3点セットが指揮台の横にセッティングされてから、岩城さんに
伴われて村治さんが登場。
第1楽章はギター・ソロからはじまります。村治さんは、岩城さんの指揮
に気を配りながら軽快に弾き進めていきますが、ギターの音がオケの音に
かき消される場面が何度かありました。
そしてあの有名な第2楽章。オーボエが奏でる物悲しいメロディをギター
が繰り返します。あー、なんて美しいメロディでしょう。すっかり陶酔
してしまいました。
ふたたびギター・ソロではじまる第3楽章。ろれつが回らなくなっちゃっ
た瞬間があって、ひやっとしましたが、何とか切り抜けてからは、オケ
と堂々と渡り合う力強い演奏を聴かせてくれました。
 
曲が終わると、すごい拍手がわきおこりました。何度もステージに呼び
戻される村治さんですが、何回目かに村治さんが舞台裏に引っ込んだ
ところで、舞台上に残った岩城さんがマイクを持って、OEK名物の
バケツ募金への協力を呼びかけました。岩城さんやOEKの団員が「募金箱」
と書いた紙を貼った青いバケツを持って客席を回り募金をお願いするもので、
今回は、台湾の大震災への募金です。これまでも、阪神大震災、日本海の
原油汚染、最近ではトルコの震災への募金を集めています。この日は約60
万円が集まり日本赤十字を通じて台湾におくられるとの報告がありました。
 
 
休憩をはさんで、本日のメイン、ベートーヴェンの交響曲第5番が演奏され
ます。弦楽パートを中心に、普段よりもメンバーを増強しているとのこと
(第1ヴァイオリンだと、普段:6人→今夜は10人でした)。
そして事件は第1楽章冒頭で起こりました。初っ端の「ジャジャジャジャーン」
の時に「ぶちっ」って音が。何かと思ったら首席チェロのルドヴィート・
カンタさんの弦が切れてしまったのです! 
カンタさんは、後ろの大澤さんと楽器を交換し、大澤さんが舞台裏に行って
弦を交換しようとしたところで、指揮の岩城さんが演奏を一旦止めたのです。
カンタさんが弦を交換した後、改めて演奏がはじまったのでした。
こんなこと、もちろんはじめてです(^^;
でも、仕切り直しの演奏は圧倒的な好演でした。大きめの編成で迫力ある音
もよいですね。
なお、フルートパートに、先日バッハの管弦楽組曲第2番に出演していた
ウィリアム・ベネットさんが参加していました。どうりで、フルートの音が
目立つ訳です(^^;
 
アンコールは2曲で、外山雄三さんの<能登の舟こぎ唄>と西村朗さんの
<ラプソディ石川>。OEKか岩城さんが、日本の作曲家にアンコール曲の
作曲を委嘱し、その成果の第一陣が披露されたようです。どちらも石川県に
伝わる民謡等を素材にした管弦楽曲ですが、素材が上手く調理されている
ので、純粋なオーケストラ曲として聴くことができました。
 
終演後、村治さんと岩城さんのサイン会が開かれました。もちろん、列に並び、
お二人のサインをもらってきました〜(^^)
村治さんのほうは、サイン待ちの列が100人以上になっていたと思います。
すごい人気ですねー。。。
岩城さんのほうには列ができなかったので、マエストロ、何となく不機嫌
な感じでした(^^; 
 


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