
アンサンブル金沢・モーツァルト全集(第22夜) 2000年05月24日(水)
今日は、モーツァルトの交響曲を(偽作を含めて)全曲演奏してしまおうとい う岩城宏之/オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)による「モーツァル ト全集」を聴いてきました。今夜は第22夜で、交響曲第38番<プラハ>、 フルート協奏曲第2番などが演奏されます。もちろん、オール・モーツァルト ・プログラムです。モーツァルト全集では毎回恒例になっている(らしい)岩城さん自身による プレトークのあと、いよいよ演奏会がはじまります。 オーケストラの配置は、舞台上手から扇形に、第1ヴァイオリン、第2ヴァイ オリン、チェロ、ヴィオラとならび、チェロの後ろにコントラバス、さらにそ の後ろ(舞台の右奥)にティンパニ、弦の後ろに管楽器たち。 浜離宮朝日ホールのステージはそんなに広くないので、小編成のOEKでも舞 台を埋め尽くしてしまうほどでした。 今夜のコンサートマスターは久々にマイケル・ダウスさん。3月の東京公演、 4月の定期公演と、ゲスト・コンサートマスターによる演奏会が続いたので、 コンマスの席にマイケル・ダウスさんがいると、なんだか安心できます(^^; 1曲めは、<皇帝ティトゥスの慈悲>序曲。オペラとしてはあまり成功しなか ったようですが、序曲は堂々としたもので、OEKの演奏も、なるほどモーツ ァルトの序曲は<フィガロの結婚>だけじゃないんだな、と思わせる立派なも のでした。 続いて、フルート・ソロに工藤重典さんを迎えて、フルート協奏曲第2番と <フルートと管弦楽のためのアンダンテ>が演奏されました。 工藤さんのフルートは、深みのある豊潤な響きで、モーツァルトの美しいメロ ディを申し分なく再現してくれました。OEKの巧みな伴奏もあって、余計に 工藤さんの音色の美しさが際立ったように思います。 そして、鳴り止まない拍手に応えてアンコール。工藤さんがアンコール曲を告 げます。「ランパル先生がよくアンコールで取り上げた、バッハのサラバンド を・・・」 工藤さんは、数日前、敬愛する師であるランパルの死をパリ在住 の奥様から知らされ、大変なショックを受けたそうです。しかし、その日の魚 津公演、一昨日の名古屋公演と、OEKとの共演を成功させ、今夜の演奏会を 迎えたとのこと。 工藤さんは、ずっと目を閉じたままこの曲を演奏しました。ランパルの面影を 思い浮かべながらの演奏だったのでしょうか・・・。 休憩をはさんで、今夜のメインの交響曲第38番<プラハ>、モーツァルトの 交響曲のなかでも大好きな曲のひとつです。緊張感に満ちた序奏ではじまる第 1楽章、深い叙情をたたえた第2楽章、活き活きとした第3楽章と、様々な姿 を持つこの曲を、OEKは表情豊かに演奏してくれました。 アンコールは、明日(第23夜)のプログラムにあるモーツァルトのバレエ音 楽<レ・プティ・リアン>から第10曲(パントマイム)、弦楽合奏による愛 らしい佳品でした。

