
ポーランド国立歌劇場《トゥーランドット》
2003年1月13日(月)
ポーランド国立歌劇場の引っ越し公演で、プッチーニの「トゥーランドット」 を聴いてきました(指揮:ヤツェク・カスプシクさん)。 会場は大宮ソニックシティの大ホール。年末の魔笛を観た千葉県文化会館に 比べると ずっと新しいホールなんですが、やはり ちゃんとしたビュッフェ がありません(映画館にあるようなのと同程度の売店があるだけ)。しかも、 クロークもないとは! 入れ物は立派でも、これでは価値が半減します。。。
舞台は、遠景に大きな城。中国風ではなくで、ヨーロッパの古城といったとこ ろか。メインの舞台は石切り場?のような感じで、殺伐とした雰囲気が漂いま す。合唱団(群集)の服は(現代中国の)人民服を意識したのかもしれません が、産業革命時代のイギリスの労働者みたいな灰色ベースの不思議な衣装。 ピン、ポン、パンも中途半端に中国風・・・。 カラフ役のヤネス・ロトリッチさんは、(他の登場人物に比べると)背が低め で、しかもちょっと小太り。好青年カラフというよりは、ファミコンのマリオ ブラザーズみたいな印象です。拍手喝采だった「誰も寝てはならぬ」をはじめ として、声は立派だったけど(^^; リュウ役のイザベラ・クウォシンスカさんは、私のなかでのリュウのイメージ とは異なって、リュウとしては立派過ぎる・・・とでもいうのか、重みのある 声でした。 トゥーランドットのエヴァ・マルトンさん。今回の公演は「エヴァ・マルトン のトゥーランドット」と宣伝されたように、この人が目玉(!)なんですが、 うーん これも空振りだったかなあ。トゥーランドットは謎解きの場面でよう やく登場するんですが、歌い方が絶叫型。声量は凄いけど、ビブラートかかり すぎでメロディが全然判らない・・・はっきり言って音程が無茶苦茶、調子外 れの金切り声に聴こえてしまいました。トゥーランドットと対峙するカラフの 声が、声量と音程の正確さが両立していたので 舞台的には何とか救われまし たが、、、。「圧倒的歌唱を聴かせる世界最高のドラマティック・ソプラノ」 という触れ込みのマルトンさんだけど、これはいくらなんでもちょっとひどい。 コンディションが悪かったのかなあ?(後半は、ちとマシになったけど) ちなみに家に帰ってからビルギット・ニルソンさんのトゥーランドットをCD で聴いたけど、ニルソンさんの歌唱は「絶唱」だけど、間違ってもキーキー 「金切り声」をあげてはいない、全く別物です。やれやれ。 という主役クラスの皆さんによる舞台。最大の聴かせどころは やはり「氷の ような姫の心も・・・」でしょうが、緊迫感が欠けていたように思います。カ ラフにしてもトゥーランドットにしても、ただ突っ立っているだけで ほとん ど演技をしていないし、リュウの声もドラマティックに過ぎて リリックな要 素が欠けていたので、聴いているほうもストーリーにのめり込めないのです。 刀を手にとって自害するシーンも、首切り役人の持っている刀にちょっと触っ ただけで、「何でそれで死んじゃうの?」と思ってしまうお粗末な演技。 これ以外にも いろいろありますが、オペラを観に行ってフラストレーション を抱えて帰ってきたのは今回が初めてです。 ウィーンの舞台が素晴らしすぎたこともあるのでしょうが。。。

