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Kinoppiの音楽日記


藤原歌劇団《イタリアのトルコ人》 2003年3月8日(土)

藤原歌劇団の「イタリアのトルコ人」公演を観てきました(東京文化会館)。
オケはマウリツィオ・ベニーニ指揮/東京フィルハーモニー交響楽団。
 
この公演は、2月の二期会「カルメン」とともに都民芸術フェスティバル参加
公演なので、普段よりチケット代がお得になっています。
 

 
3日連続公演の2日目にあたる今日は、ほとんどが日本人キャスト。1日目と
3日目が主要キャストを海外からの招聘歌手で固めているのに比べると、ひょ
っとして見劣りするかな?とも思いましたが、まったくの杞憂に終わりました。
特にフィオリッラを歌った佐藤美枝子さんが素晴らしかった! 装飾音付きの
高音の連続でも、全く揺らぐことなく美しい声を聴かせてくれました。
プログラムに載っていた出演歴を見ると、「魔笛」夜の女王、「リゴレット」
ジルダ、「カルメン」ミカエラ、「ルチア」タイトルロールなどの役が並んで
いて、特に「ルチア」を得意とするんだそうですが、なるほど!という感じで
すね。
あと、ルチアやジルダ、ミカエラならありえないことですが・・・第1幕フィ
ナーレでのザイダとの取っ組み合いのケンカなど、体当たり演技もなかなかの
ものでした(役者根性ってやつですかねえ)。
 
続いて、フィオリッラのだんなさん、ドン・ジェローニオ役の久保田真澄さん。
ドン・ジェローニオは どちらかというと三枚目な役ですが、演技、歌とも良
い味を出していました。第1幕でのフィオリッラとの二重唱は大爆笑でしたし、
第2幕フィナーレでのフィオリッラとの二重唱は しみじみと歌いながらも
歌詞の字幕で笑いを取ってしまったり(正確には覚えてませんが「私は夫に見
放された枯れ尾花」「私も妻に見放された枯れすすき」ときて、詩人が「私は
枯れすすきに花を咲かせましょう!」とまぜっかえしたところで、客席大爆笑
でした)。
 
ドン・ナルチーゾ役の五郎部俊朗さんは、第1幕では どうもパワー不足とい
うか不完全燃焼気味でしたが、第2幕のアリアでは高音をばっちり決めて、客
席から盛大な拍手を受けてました。
ザイダ役の牛坂洋美さんも、前半は演技、歌とも固さが目立ちましたが、だん
だん調子を上げていったようです。
セリム=「イタリアにやってきたトルコ人」=タイトルロールを歌うのは矢田
部一弘さんですが、特に第1幕では何度か声がかすれちゃったりしてましたの
で、そもそもコンディションが良くなかった? それを除いたとしても、この
役を十分に咀嚼できていない状態で舞台に上がっちゃったような、そんな印象
です。
 
で、舞台全体を引き締めたのが詩人役のロレンツォ・レガッツォさん。詩人は
重要な場面で現れては 登場人物にあれこれ囁き、ストーリーの流れを決めて
いく重要な役回りで、俳優としての演技力が求められるのですが、レガッツォ
さんの演技は申し分ない出来。時には客席最前列までやってきて、客席に向か
って語りかけながら舞台と客席の一体感を作り出すあたりなど、ほんと巧みで
す。いかにもイタリア人というカッコイイ舞台姿もあり、存在感もピカ一でし
た。
 
演出はピエール・ルイージ・ピッツィ。大道具(セット)は全く無く、舞台後
方のスクリーンにボンヤリとした単色(白黒ではなく、場面により 赤、青、
黄など)の風景が映し出される。出たり入ったりする小道具とあわせて、各々
の場面を表現するという趣向で、「シンプルな演出」の部類に入るでしょう。
ただし、舞台裏(というか舞台下)の黒子さんたちは小道具を動かすのに大変!
そんな裏方への配慮か、レガッツォさんが仕切ったカーテンコールのトップバ
ッターは、舞台の下からゾロゾロと現れた黒子さんたちでした。
 

 
 


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