
ルービンシュタイン没後20年メモリアル(アンサンブル金沢・東京公演) 2003年3月24日(月)
オーケストラ・アンサンブル金沢の東京公演を聴いてきました。 世界各国で行われている「ルービンシュタイン没後20年メモリアル」公演の 一環ということで、日本公演のソリストに中村紘子さんが選ばれ、その中村 さんがアンサンブル金沢(OEK)との共演を希望したことから、毎年2月 か3月に行われているOEK東京・大阪公演が「ルービンシュタイン没後20 年メモリアル」になり、加えて金沢でも同じ内容の特別公演が開催されるの だとか。 舞台上にマイクがたくさん並んでいたことから、おそらく、東京・大阪・金 沢の演奏のいずれかのライブ録音をCDとして発売するのも織り込み済みの 企画なんでしょう。中村さんとOEKのコンビには、すでにベートーヴェン の第1+3番のCDがあることから、5番を含む公演の伴奏にOEKを起用 ってのは自然といえば自然なんですが、年4回ほどしかない貴重なOEK東 京公演の一つが協奏曲の伴奏になってしまうとは。。。しかも指揮者はピヒ ラーさんなので いかにももったいない。わがままな一ファンの願いとして は できれば直前の金沢定期(#138,PH)と同じプログラムを聴きたかった ところです。 ただし。例えば、1月のニューイヤーコンサート(すみだトリフォニーホー ル)は空席が目立ちましたが、今夜のサントリーホールは 満席とまではい かないけれど、8割以上は客が入っていたと思います。客の顔ぶれは、ホワ イエで周りからきこえてくる会話からも、中村ファンと思われる年配の方が メインみたい(ふだんのOEK東京公演とは、ちょっと異なる客層)なので、 少なくとも商業的には中村さんをメインに据えた企画は成功したようです。 もしこれが、メンデルスゾーンの序曲+ソリストに若手を起用したモーツァ ルトのピアノ協奏曲第21番+メインにベートーヴェンの交響曲第2番という 地味目のプログラム(つまり金沢定期#138と同じプログラム)だったら、こ こまで客が入ったかどうか。。。
1曲めはメンデルスゾーンの序曲<フィンガルの洞窟>。10分ほどの短い曲 ですが、さすがOEK!という演奏です。バランスの取れた弦のアンサンブ ルはいつも通りだし、そして何よりも木管パートの一体感(あたかも一つの 楽器のように鳴る)が素晴らしい。 続いて、ショパンのピアノ協奏曲第2番。よく知られているように、ショパ ンのオーケストレーションのウデは今一つで、管弦楽は本当に「伴奏」にと どまっています。特に木管は休みが多く、ファゴット、クラリネットなどは 「楽器スタンド」(とでも言うのか?)に楽器を置いている時間がかなりあ りました。「曲の終わりのたった一回の出番をまっているシンバル」ほどは ひどくないですが、手練のソリストたちの出番が少ないとは・・・もったい ない。 ソリストの中村さんですが、力任せにグイグイ弾き進めていく感じの演奏で ショパンを「弾き」殺しそうな勢い。あの演奏をどう受け取るかは、好みの 問題が大きいんでしょうが。。。あと第1楽章、展開部に入ってしばらくし たあたりで、中村さんのピアノが一瞬迷走しかけたような? ソロの出だし 以外はオケのほうを見て指揮していたピヒラーさんが、その場面では何度も 中村さんのほうを見てタイミングを合わせていたのが印象的でしたが、真相 はどうだったんでしょうね。 休憩をはさんで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番<皇帝>。こちらは 曲と中村さんのスタイルがそれなりに合っているのか、ショパンのときのよ うな決定的な違和感はありませんが、「弾き飛ばしているなあ」という印象 は相変わらずです。 アンコールは2曲、ショパンの幻想即興曲と英雄ポロネーズ。 アンコールでも、協奏曲と同じく勢い任せで 弾き間違いも多く、もうちょ っと丁寧に弾いてもいいんじゃないのかなあ。

